金プラチナ短期相場観
低インフレはプラチナ相場上昇要因のひとつ
更新日:2014年1月17日(金)
年明け以降低調な推移が続く株価に連動するようにドル円相場も頭打ちの状況。これに反して金は上昇傾向ながらも勢いにやや欠ける状態。そんななかで力強さを見せるプラチナ相場。12月以降の騰落率推移では、日経平均0.6%上昇、ドル円1.4%、NY金1.5%、NYダウ2.6%を大きく引き離し、プラチナの騰落率は6.3%上昇となっています。
プラチナ相場が堅調推移となっている背景には、年末以降の金相場の堅調推移にも支えられています。金よりボラティリティの高いプラチナは金相場の安定推移によって、金相場以上に上昇しやすくなります。
その金相場の安定推移の背景には、ドル安傾向とは言えないまでも、年明けのドル円相場の軟調ぶりに代表されるように、ドル高傾向が進まないことも影響していると言えそうです。
では、なぜドル高傾向が進まないのか。月初の雇用統計の悪化も材料のひとつかもしれませんが、米10年債金利の低下も大きく影響しています。
ドル円相場と米10年債金利の関係は、連動しやすい関係にあり、現在も強い相関関係を示します。特に注目すべきは直近90日間の相関係数の推移が昨年秋から上昇トレンドを続け、特に年末以降、強い相関関係状態に入っています。
テーパリング開始決定により、その判断材料と成り得る経済指標に一喜一憂していたドル円相場が、個別の指標よりも、従来の金利との連動性を強めつつある状態となってきた可能性もありそうです。
その金利は、国債が買われると低下します。低インフレによっても国債は買われやすくなります。昨日のCPIでも前月よりは上昇傾向ながらも年率換算では1.5%上昇となり、目標水準の2%を下回る「低インフレ」状態が続いています。
高インフレは金の買い材料となり、プラチナも連動して買われやすくなりますが、「低インフレ」でも、金利低下→ドル売り→金買い→プラチナ買い、の流れでプラチナ相場上昇要因の一つとなる場合もありそうです。
NY市場、金相場はわずかに0.15%反発。新規失業保険申請件数がやや改善傾向となったことは若干のマイナス材料、CPIが前月比0.3%上昇と6ヶ月ぶりの大幅上昇となったことは若干のプラス材料。CPI上昇を受けて小幅に上昇するも上値は限定的。2日連続で1,245ドル手前で失速、1,250ドル近辺の抵抗ラインとの攻防が続く状態。
プラチナ相場も0.2%の小幅反発。1,420-40ドル台での揉み合い傾向が続き、1,450ドルが抵抗線となりつつある状態。2日連続で下ヒゲの長い足型を残し、目先の抵抗線への再トライの可能性を残す。ここを突破できれば、可能性低めの上値目標1,480ドルが見えてくるところ。
ドル円は0.2%反落。東京時間正午に104円90銭台まで上昇した後は軟調推移。9日移動平均線ととも下降し、21日移動平均線をわずかにデッドクロス。反落か反発か微妙なラインでの推移が今朝も継続。105円の抵抗線で反落し上ヒゲを残す、プラチナとは対照的な足型に。サポートラインは102円90銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/16終値とチャート
国内金価格は5日ぶりの反落。4,170-4,340円のレンジ上限を上抜けたところで失速した形ながら下げ幅も0.25%と限定的。短期上昇トレンド継続中で9日移動平均線のサポートが続けば目標水準4,390円近辺到達も近いか。
週間ベースでは+26円(+0.60%)となり4週続伸。
プラチナも0.16%の小幅反落。弱めの上昇目標4,980円水準にほぼ到達し、過熱感もMAXの状態。そのわりには下げ幅が限定的、もう少し調整が入ってもおかしくない状況。目安としては9日移動平均線の4,930円近辺。
週間では+22円(+0.45%)で4週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格1/17とチャート
- 2014年1月17日(金)時点の相場
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国内金 : 4,335 円 1/17(金) ▼11(0.25%) 国内プラチナ : 4,960 円 1/17(金) ▼8(0.16%) NY金 : 1,240.2 ドル 1/16(木) ▲1.9(0.15%) NYプラチナ : 1,431.5 ドル 1/16(木) ▲2.9(0.20%) ドル円 : 104.35 円 1/16(木) ▼0.20(0.20%)
低インフレはプラチナ相場上昇要因のひとつ 1/17(金)
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