金プラチナ短期相場観
日米金融政策での株価支援
更新日:2014年5月1日(木)
昨日の日銀・金融政策決定会合後の定例会見にて、
某記者:前回の会見では「追加緩和を考えていない」と言って円高になったから、今回はその表現を使わなかったのか?
黒田総裁:微妙な質問なので回答も微妙になるが・・・上下双方向へのリスクに対して必要なら躊躇なく調整。
と、確かに微妙な言い回しながらも簡潔に表現すると「そのとおりだ」。
「需給ギャップ」も「需給バランス」に変わり、はれものにさわるような慎重な言葉選びで、強気見通しのなかにも株安・円高回避への配慮も忘れない、前回の反省を踏まえた会見となりました。
そのかいあって、追加緩和見送りと強気見通し維持によるやや円高傾向の流れも限定的となりました。
一方、今回の米国FOMCではイエレン議長の会見はなかったものの、声明文にてゼロ金利長期継続見通しを示し、緩和縮小を継続しながらも米株上昇を後押しした形。
サポートされたNYダウは史上最高値を更新し、今年の年初来で初めてプラス圏に浮上。
今年3分の1が終了した4月末時点での年初来騰落率は、
NYダウが+0.03%、ドイツDAXが+0.53%、英FTSEが+0.46%と欧米株がいずれもプラス圏となったのに対し、日経平均はいまだ-12.2%。
米株が上昇基調を回復している背景には、金融政策というよりも、寒波の影響を脱したことで経済指標が明らかに回復基調を示し、市場が景気回復を実感し始めたことが大きな要因ではないかと考えられます。
これに対して、金融政策で昨年上昇した日本株は、景気回復の実態がまだまだ浸透せず、見えてこない成長戦略と将来見通しにより、停滞が続きます。
NY市場、金相場は0.03%の小幅安で3日続落。予想以上の好結果となった米ADP雇用者数と想定外の米GDPの下振れに乱高下、FOMCでの緩和縮小は想定どおり、低金利継続見込みで売りも限定的。売り局面では1,280ドル台のサポートラインで下値を支えられ、1,330ドルまでのレンジ内推移が継続。1,300ドルにやや軽めのレジスタンスも流れはニュートラルからわずかに上向き傾向へ。
月間ベースでは+12.1ドル(+0.94%)と小幅に反発。
プラチナ相場は0.24%の小幅反落。この日の高値も1,431ドル、前日上抜けた1,430ドルのラインが徐々に抵抗線に。下値も1,410ドル台での底堅さが続き、長引く南ア鉱山ストへの警戒感からも膠着状態に。下方向へのサポートラインは1,400ドル、上方向には1,450ドル近辺までは上昇しやすく、1,470ドルが抵抗線。
4月トータルでは+7.1ドル(+0.5%)の小幅反発。
ドル円は0.38%の反落。米1-3月期GDP速報値が予想の前年比1.2%に対して0.1%と大幅に下振れたことで102円割れ寸前まで急落、FOMCでわずかにドルの買い戻し。それでも102円10銭台から70銭を中心とした現状レンジの範囲内でブレイク待ち状態が継続。
月間ベースでは-0.98円(-0.95%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/30終値とチャート
国内金価格は0.53%の続落。ゆるやかな短期下落トレンドから脱出方向への動きも長続きせず、21日移動平均線が上値抵抗となり再びモメンタムは弱気方向へ。しかし、上昇基調を続ける90日移動平均線が4,460円まで水準を切り上げ、今後のサポートラインとなる可能性もあり、中期的には上昇トレンドを維持。目先は4,520円の節目で下げ止まらなければ下値目標4,440円近辺を目指す流れに。
プラチナは4営業日ぶりの反落となる0.38%安。下方バイアスは確実に弱まりつつあるものの、4月中旬までのレンジ下限5,020円と21日移動平均線が新たな抵抗線となる可能性も。4,940円のサポートラインを下抜けて4,850円付近までの下落リスクも継続。90日移動平均線はゆるやかに上昇しており、中期的にはゆるやかな上昇トレンド。
※参考:金プラチナ国内価格5/1とチャート
- 2014年5月1日(木)時点の相場
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国内金 : 4,546 円 5/1(木) ▼24(0.53%) 国内プラチナ : 5,001 円 5/1(木) ▼19(0.38%) NY金 : 1,295.9 ドル 4/30(水) ▼0.4(0.03%) NYプラチナ : 1,427.9 ドル 4/30(水) ▼3.5(0.24%) ドル円 : 102.24 円 4/30(水) ▼0.40(0.38%)
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