金プラチナ短期相場観
梅雨入りの日本と梅雨明けを目指す米国経済
更新日:2014年6月5日(木)
4日、気象庁は「中国地方と近畿、東海が梅雨入り」と発表しました。暑い夏を控えてじめじめと鬱陶しい季節がやってきます。
昨日の米経済指標では、5月ADP雇用統計が予想外の下振れとなり、上向きつつあった米労働市場に一抹の不安がよぎり、週末の雇用統計でのポジティブサプライズの可能性もやや縮小気味。それでも今年5月までのADPの年間平均は+18.1万人で2013年平均の19.0万人に近づきつつあり、今後の改善傾向に期待されるところ。
4月の貿易収支も予想以上の赤字となりましたが、5月のISM非製造業景況指数は前月の55.2から56.3へと上昇し、市場予想の55.5も上回る好結果。
ベージュブックでも全12地区で経済活動は拡大傾向との認識、インフレは抑制傾向継続ながらも労働市場は全般的に回復傾向。
着実に米経済は梅雨明けを目指す流れが継続しているようです。
一方、今夜のECB理事会の結果に警戒感も高まるユーロ圏では、非製造業PMIが予想の53.5に対して53.2と低下。ドイツも56.4の予想に対して56.0、フランスも49.2の予想に対して49.1といずれも予想を下回る結果に。イタリアは51.4の予想に対して51.6とわずかに上回ったものの、回復傾向にあるスペインは前月の56.5から55.7へと鈍化。
ユーロ圏の1-3月期GDPは予想通りながらも前年比0.9%の低成長。前期比では0.2%にとどまり、前日の消費者物価指数が0.5%と予想外の下振れとなったことなどもあり、緩和圧力も高まります。
こちらは梅雨明けどころか、まだ春先の肌寒い季節が続いているようです。
通貨高とデフレによる負のスパイラルを警戒するECBとしては、政策金利引き下げやECB預金金利のマイナス金利導入などが予想されます。ある程度の緩和策は既に市場が織り込み済、ということも承知済みのドラギECB総裁によるサプライズ発言や、さらなる追加緩和策も考えられそうです。
日本では梅雨入りですが、市場では春の嵐に要注意、という状況かもしれません。
4日のNY市場、金相場は0.2ドル、0.02%の小幅安。1,240ドル台での横ばい推移は4日め。ADP雇用の下振れに5ドル程度の急騰も一時的、その後ISM非製造業景況指数の上振れで軟調推移の展開も、高安いずれも1,240ドル台に収まる小動き。この日もユーロドルと同じような値動きで本日のECB理事会への警戒感を高めるかの様子。売られ過ぎの過熱感はMAX圏に達しており、ビッグイベントのない通常モードなら反発の可能性が高まり、下方向へは限定的という状態。
プラチナ相場は5営業日ぶりの反発もわずかに0.03%高。目標水準到達による一服感から1,430ドル台での横ばい推移は3日め、方向感は下方向継続ながらも90日移動平均線などサポートされやすい水準でもある。イベント動向に伴う金の値動きに連動する週末へ。
ドル円は0.22%のドル高で4日続伸。5日続伸の米10年債利回りが2.6%台を回復したことも好感。強弱入り交じる米経済指標にも下値は102円40銭台までと限定的。102円70銭台は4月7日以来2ヶ月ぶりの高値水準、目先の目標水準103円10銭程度に向けて着実にドル高円安が進行。イベント結果がほぼ想定内でも現状の短期上昇トレンドを維持、ポジティブサプライズなら目標水準を突き抜け、ネガティブならそれなりの反落へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/4終値とチャート
国内金価格はわずかに1円上昇で3日続伸。しかし4,400円近辺での小康状態が3日間継続。NY金の軟調傾向と円安方向に傾斜し始めたドル円とのバランス均衡状態がそろそろ崩れ始める可能性も。単体で見れば流れは下方向、下値目安の4,350円程度まで、若干の下落余地を残す状況。
プラチナは4日ぶりに0.38%の反発。5,000円の大台目前で下げ渋る展開も、やはりまだ下方向へのバイアスが強い状況は変わらず、90日移動平均線近辺となる下値メド4,980円程度までの下落余地を残す状況。
※参考:金プラチナ国内価格6/5とチャート
- 2014年6月5日(木)時点の相場
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国内金 : 4,406 円 6/5(木) ▲1(0.02%) 国内プラチナ : 5,045 円 6/5(木) ▲19(0.38%) NY金 : 1,244.3 ドル 6/4(水) ▼0.2(0.02%) NYプラチナ : 1,433.9 ドル 6/4(水) ▲0.4(0.03%) ドル円 : 102.73 円 6/4(水) ▲0.23(0.22%)
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