金プラチナ短期相場観
雇用統計とADPの相関関係は日経平均とドル円の関係に匹敵
更新日:2014年6月4日(水)
週末の米雇用統計を控え、本日はADP雇用者数の発表があります。雇用統計での非農業部門雇用者数(NFP)とADP雇用者数との関係は、連動性が高まりつつあります。
4月分発表時点での過去2年間の両者の数値から相関係数を算出すると、0.6087。0.5を超えており、相関関係が強めであることを示します。
この数値は、最近90日間の日経平均とドル円の相関係数0.61447に迫り、最近90日間の国内金価格とプラチナ価格との相関係数0.58604を上回ります。
実際のNFPとADPの推移チャートを見ても、最近の動向が非常に似通ったものになっていることがわかります。
今回、ADPの市場予想は、寒波の影響からの反動もあって上昇した4月の+22万人から若干鈍化して+21万人。週末のNFPも同じように4月の+28.8万人から鈍化すると見て+21.9万人。
同じく先行指標となる新規失業保険申請件数では、雇用統計の調査対象日である12日を含む週、5月17日までの週の数値は32.6万件。5月では突出して悪い数値となっています。
相関関係の強いADPの数値にサプライズがなければ、週末の雇用統計でのブレ幅も最低限に収まる可能性が高まりそうです。逆にADPでサプライズがあるようなら、雇用統計の結果も非常に読み難くなりそうです。しかし、両者ともに後日、大幅修正を繰り返してきたことで相関性も高まりました。
速報値に一喜一憂は禁物です。それでも大きく反応するのがマーケットですが。
3日のNY市場、金相場は7日ぶりの反発もほぼ横ばい推移の0.04%上昇。ユーロ圏の消費者物価指数が予想をわずかに下回る低水準となったことを受けて、ユーロドルは1.3580台まで売リ込まれた直後に反転し、1.3640台まで、元の水準以上に買い戻し。その後、米4月の製造業新規受注の好結果に反落と欧米指標に敏感に反応しつつ警戒感も高まる様子。金もユーロと同じ方向に振られる展開も値幅は限定的。ユーロとは対照的に動意が低下し、今回の下落トレンドの勢いも後退しつつある様子も。それでも若干の下落余地を残して欧米のビッグイベントを迎える今週末にかけて、いやでも警戒感は高まるところ。
プラチナ相場は4営業日続落も0.22%の小幅安。下値メド1,440ドル近辺に到達したことと90日移動平均線にサポートされたことで減速。南ア鉱山ストへの警戒感を抱えつつ、週末にかけての金や株価動向にも大きく影響されて流れが変わる可能性も。
ドル円は0.12%のドル高で3日続伸。米10年債利回りが4日続伸で2.6%付近まで戻してきたこともドル高材料に。米4月の製造業新規受注が3ヶ月連続増となったことを受けて、1ヶ月ぶりに102円50銭の壁を突破。終値ベースでの102円50銭超えは4月29日以来のこと。目先の上値目標水準103円台前半への可能性は高まり、週末のイベント動向次第では一気に104円台への可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/3終値とチャート
国内金価格は0.2%の小幅高で続伸。NY金の下落傾向の減速感と円安傾向が強まりつつある状態により、国内金価格の下押し圧力も緩和傾向に。長期的な節目4,400円付近がサポートラインとなって反発の動きに。通常なら、4,350円の下値メドに対して若干の下げ余地を残しつつも反発傾向へと転換する可能性が高まることも考えられるものの、今週末から週明けにかけては乱高下の可能性も。
プラチナは0.18%小幅下落で3日続落。こちらも下値目標水準4,980円に対して少し距離を残した状態での足踏み状態に。下押し圧力はまだ強い状態ながらも、やはり週末のイベント動向次第という状況に。
※参考:金プラチナ国内価格6/4とチャート
- 2014年6月4日(水)時点の相場
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国内金 : 4,405 円 6/4(水) ▲9(0.20%) 国内プラチナ : 5,026 円 6/4(水) ▼9(0.18%) NY金 : 1,244.5 ドル 6/3(火) ▲0.5(0.04%) NYプラチナ : 1,433.5 ドル 6/3(火) ▼3.2(0.22%) ドル円 : 102.50 円 6/3(火) ▲0.13(0.12%)
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