金プラチナ短期相場観
主要各社の米利上げ予想時期
更新日:2014年7月8日(火)
先週の米雇用統計の好結果を経て、利上げ時期予想の前倒しが相次いでいます。
米JPモルガンは2015年第10-12月期から7-9月期へと早め、雇用や物価上昇率のデータによっては4-6月期になる可能性もある、との見方。
英バークレイズは、2015年6月の予想を維持しながらも、失業率の低下ペースが継続的にFRBの予想を上回った場合や、コアインフレ率が目標を超えた場合には早まることもあるとの見解。
米ゴールドマン・サックスでは、2016年1-3月期から2015年7-9月期へと半年もの前倒し。
米バンク・オブ・アメリカでは、特定の指標だけでFRBが景気見通しを大幅に変える可能性は低いものの、利上げ時期がこれまでの予想より早まるリスクは上昇、との見方。
英HSBCは2015年10-12月期を維持。
米CMEグループのフェド・ウォッチによれば、2015年6月の利上げ予想確率は、雇用統計発表前の52%から55%へと上昇、とのこと。
その他、三菱東京UFJ銀行なども予想を前倒ししている模様です。
FOMC参加メンバーによるFF金利予想のドットチャートから予想する見通しとほぼ一致する2015年7-9月期が大勢となっています。
向こう1年間以上は利上げなしとの思惑が1年程度へと短縮された可能性をマイナス材料として株価は反落し、最低でも向こう1年間は低金利継続との思惑がドル円の上値を押さえ、向こう1年間の低金利継続を好感した金にはサポート材料、という現状のようです。
同じ事実でも視点が変われば、悪材料にも好材料にもなりますが、FOMCの予想自体も毎回微妙に変化しいる現状では、市場の予想も今後まだまだブレることも想定されそうです。
しかし、少なくともあと半年も経てば、低金利の猶予も残り半年程度、との思惑が台頭し、株も為替も金利も金も、大きく動き出す可能性は高まりそうです。
3連休明けの7日NY市場、米利上げ時期前倒し観測の台頭に伴い主要株価指数が最高値圏からの小幅反落となったのと同様に、金相場も0.27%の小幅安で2営業日続落。ただし、相変わらず1,310ドル台のサポートライン近辺では底堅さも見られる動きで下げ渋り。短期上昇トレンドの勢いはかなり減速したものの、1,350ドル近辺までの上値余地は継続。サポートライン割れなら1,290ドル付近まで下押しの可能性。
プラチナ相場は0.8%安で3営業日続落。南アでは、6月24日に終結したAMCUとは別の鉱山労組での違法ストが伝わるも上昇は限定的、金属労組のストも終結方向へ向かうなか、1,520ドルの目標水準到達後の小動きからようやくしっかりとした反落。昨年4月以降、1,500ドル超えの滞留時間が限定的となる動きは今回も繰り返され、終値ベースでの1,500ドル台キープは3日で終了。1,450ドル台から1,520ドルの間で新たな展開を模索。
ドル円は0.19%の小幅続落で再び101円台へ。今朝も軟調推移が続き、再び200日移動平均線(101.78)との攻防。3日の日に200日移動平均線を上抜けて90日移動平均線(102.18)にぶつかって反落、3日後に元の水準に戻って来た状態。3日の始値101円77銭を維持してNY終値を迎えることが出来れば反発の可能性が高まることに。101円30銭から102円20銭のレンジでの保ち合い状態が継続中。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/7終値とチャート
国内金価格は0.39%安で3営業日続落。買われ過ぎの過熱感をやや緩和し、4,570円から4,630円台の間で保ち合い状態を形成、再び上方向へと抜け出すことが出来れば最大4,720円近辺まで上値を伸ばす可能性、下方ブレイクなら4,500円付近まで下値余地が拡大。
プラチナは0.86%の反落。5,200円の目標水準を上抜けて行き過ぎの状態からようやくしっかりめの反落。5,240円台を上限とし、下方向への節目5,070円までの間で新たな展開へ。サポートライン候補としては5,150円、5,100円近辺。
※参考:金プラチナ国内価格7/8とチャート
- 2014年7月8日(火)時点の相場
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国内金 : 4,607 円 7/8(火) ▼18(0.39%) 国内プラチナ : 5,195 円 7/8(火) ▼45(0.86%) NY金 : 1,317.0 ドル 7/7(月) ▼3.6(0.27%) NYプラチナ : 1,495.6 ドル 7/7(月) ▼12.1(0.80%) ドル円 : 101.86 円 7/7(月) ▼0.20(0.19%)
主要各社の米利上げ予想時期 7/8(火)
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