金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

イエレン・ダッシュボード2014年7月版

更新日:2014年7月9日(水)

米労働省が発表した米5月の雇用動態調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)によると、求人件数は463万5千件となり、市場予想の435万件を上回り、4月(修正分)の446万4千件からは17万1千件の増加。金融危機の2007年6月以来で最高水準に到達。
雇用者数全体と求人数の合計に占める求人数の割合を示す「求人率」に直すと3.2%。前月の3.1%から0.1ポイント上昇。
退職率は1.8%、入職率3.4%でいずれも前月から変わらず、解雇率は前月の1.2%から1.1%へと0.1ポイント低下。

これらを含むイエレン・ダッシュボードの最新状況は以下の通りとなります。
※リセッション前の数値と最悪の数値、最新の数値に、回復率(リセッション前の数字と最悪値との差分をどれだけ埋めているか、どれだけ回復しているかを百分率表示)を加えます。
1)非農業部門雇用者数増減(+16.2万人→-82.6万人→+28.8万人)※回復率:112.8%
2)失業率(5%→10%→6.1%)※回復率:78.0%
3)労働参加率(66.1%→62.8%→62.8%)※回復率:0%
4)長期失業者の割合(19.1%→45.3%→32.8%)※回復率:47.7%
5)広義の失業率(8.8%→17.2%→12.1%)※回復率:60.7%
6)求人率(3%→1.6%→3.2%)※回復率:114.3%
7)退職率(2.1%→1.3%→1.8%)※回復率:62.5%
8)解雇率(1.4%→2.0%→1.1%)※回復率:150.0%
9)入職率(3.8%→2.8%→3.4%)※回復率:60.0%
※→2014年6月版

回復率100%達成済みの指標が3つという状態は前月から変わらず。回復率100%未達で前月から改善した指標は失業率、長期失業者の割合、広義の失業率の3指標。
労働参加率は相変わらず最低水準から抜け出せず、退職率、入職率も横ばい推移が続きます。

これらの指標の状況を見ると、昨日も米ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁が「失業率の低下は労働市場の改善を誇張している」など、利上げ時期前倒し観測に対するけん制発言をした理由もわからないでもない、という気にさせられます。

NY金・日足チャート 2014/6/10 - 7/88日のNY市場、金相場はわずか0.5ドル安で3営業日続落。米株下落の流れが強まると同時に1,325ドルまで買われた直後に米5月分労働異動調査での好結果が伝わると1,310ドル台半ばへ急落。しかし1,310ドル台のサポートラインでの底堅さも継続。この近辺で踏みとどまり、レジスタンス化しつつある1,330ドル台を超えることが出来れば1,350ドル近辺を目指す流れ再開の可能性。踏みとどまれない場合には1,290ドル程度までの下落余地。

NYプラチナ・日足チャート 2014/6/10 - 7/8プラチナ相場は4営業日ぶりの反発もわずかに0.9ドル。1,500ドル台回復トライも押し戻される展開が継続。右肩上がりの角度を保つ9日移動平均線にサポートされて再トライ継続か。1,500ドル回復後のレジスタンスラインは1,520ドル、9日移動平均線を割れた場合のサポートラインは1,450ドル台。緩やかに上昇する90日移動平均線もこの水準に到達。

ドル円・日足チャート 2014/6/11 - 7/8ドル円は0.29%の円高で3日続落。3日の始値101円77銭では下げ止まらず、200日移動平均線(101.80)も大きく下抜けて今朝には一時101円40銭台まで下落。下方向への節目101円30銭台が目前に迫り、レンジ内での小動きが続く状態ながらも微妙にロウソク足の実体部が長くなりつつあるのが気になるところ。節目割れなら100円の大台割れの可能性が高まる状況。しかし、今年安値圏付近では買い圧力が高まることも予想され、これまでも何度も節目割れからの反発を繰り返してきた経緯から今回も多少の節目割れでは再び反発へと向かう可能性が大、とタカをくくった頃に・・・
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/8終値とチャート

国内金価格は0.13%の小幅安で4日続落。4,600円の大台ぎりぎりで踏みとどまり、当面の上方向最大目標4,720円近辺を目指す流れ再開への望みをつなぐ状況。下値サポートライン4,570円台を割れると4,500円前後までの下落リスク。

プラチナは0.17%の小幅反発。到達済の直近目標5,200円近辺での小動き状態。短期上昇トレンドの流れに乗って再び上値を追う展開か、もしくは高値圏での揉み合い状態形成か。
※参考:金プラチナ国内価格7/9とチャート

2014年7月9日(水)時点の相場
国内金4,601 円 7/9(水) ▼6(0.13%)
国内プラチナ5,204 円 7/9(水) ▲9(0.17%)
NY金1,316.5 ドル 7/8(火) ▼0.5(0.04%)
NYプラチナ1,496.5 ドル 7/8(火) ▲0.9(0.06%)
ドル円101.57 円 7/8(火) ▼0.29(0.29%)

7/8(火)のその他主要マーケット指標

テーパリング10月完了と低ボラティリティへの懸念が意味するもの 7/10(木)

イエレン・ダッシュボード2014年7月版 7/9(水)

主要各社の米利上げ予想時期 7/8(火)

去年の七夕と今年の七夕 7/7(月)

米雇用の回復が鮮明となった週、堅調推移の株価と底堅さを見せる金 7/5(土)


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