金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

夏枯れ相場の今こそ警戒感を

更新日:2014年7月24日(木)

米株はNYダウこそ前日比わずかにマイナスとなったものの、S&Pが終値で過去最高値を更新し、サマーラリーとも揶揄される状況に。しかし、実際には米株も全般的に高値圏に位置するだけで値動きは縮小し、小動きが継続。相変わらず小動きが続く為替市場のドル円や、年初来約6%安となる15,000円台前半での揉み合いが続く日経平均同様、夏枯れ相場の様相を呈してきました。

今朝、財務省から発表された日本の6月分貿易統計では、8,222億円の赤字に。前月の-9,108億円から赤字幅は縮小したものの、市場予想の-6,429億円を上回る赤字幅となり、24ヶ月連続での貿易赤字。しかも輸出も2%減。1-6月の半期ベースでの赤字幅は過去最大に。貿易赤字は円安材料と言われたのが、過去の話となりつつあります。
また、一時景気鈍化が懸念された中国のHSBC製造業PMIが発表され、予想を上回る好調さを維持。中国が重要な貿易相手国となる豪州の通貨だけは相変わらず敏感に反応を示し、対円、対ドルともに豪ドルは急上昇。しかし、ドル円は一瞬ピクリとした程度で日経平均とともに反応薄。年明け間もない頃には、この指標の低下を悪材料とみなして円高株安が進んだことも過去の話としてしまった様子です。

豪ドルと同様、中国の需要が大きなウェートを占める金相場は、中国のHSBC製造業PMI発表前から1,300ドル割れへと急落。この指標の悪化を見込んだのか、仕掛け的な売りの匂いも感じさせるような動きの直後、指標発表とともに1,300ドル台へと急反発。しかし、戻りが限定的と見るや再び1,300ドル割れへと反落の動きとなっています。
夏枯れ相場の今こそ、突然の相場急変への警戒感を強める必要もありそうです。

NY金・日足チャート 2014/6/25 - 7/2323日のNY市場、金相場は0.12%の小幅安で続落。ウクライナ軍の戦闘機2機が反政府武装組織によって撃墜されるなどウクライナ東部の情勢不安は続くも市場には一服感、上下8.3ドルの値幅にとどまる小動きに。この日も1,300ドルの大台ラインに下値を支えられる形にはなったものの、コンスタントに上値が切り下がり、1,280ドル近辺の下値目標水準への警戒感も高まりつつある状況。上値抵抗線は1,320ドル。

NYプラチナ・日足チャート 2014/6/25 - 7/23プラチナ相場も0.11%の小幅続落。金に連れての小動きとなり、上下の値幅も10.4ドル、上は長期レンジ上限1,500ドルに届かず、下値も1,480ドル台でサポートされる状況が継続。短期的には1,500ドル台をレジスタンスとして1,470ドル近辺までの下落リスクを抱える下向きの流れ。

ドル円・日足チャート 2014/6/26 - 7/23ドル円は前日比わずか2銭の上昇で4日続伸。上下の値幅20銭台という小動きが3日続き、またもフリーズ状態に。短期的には100円台半ばまでの円高リスクが徐々に後退、しかし上値も101円70銭台の節目を試すような勢いもなく、どっちつかずの状態へ。ただし、中長期的には終値ベースの今年安値100円97銭を記録した2月3日以降、5ヶ月間サポートラインを形成していた101円30銭台を7月17日に下抜けて101円17銭を記録し、大幅な円高リスクも抱える状況。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/23終値とチャート

24日の国内金価格は0.2%安で3日続落。4,600円の大台ラインをレジスタンスとして反落の流れが継続、90日移動平均線付近まで下げてきたことで、いったんはサポートされる可能性も。しかし流れは4,500円近辺を目指す下落基調。

プラチナも0.39%安の3日続落。6月までの年初来高値であり、7月安値でもあった5,180円の重要な節目に21日移動平均線も重なり、サポートされる可能性も高まっていたにもかかわらず、しっかりと下抜け。下値目標水準5,100円へと向かう可能性が一段高。
※参考:金プラチナ国内価格7/24とチャート

2014年7月24日(木)時点の相場
国内金4,559 円 7/24(木) ▼9(0.20%)
国内プラチナ5,162 円 7/24(木) ▼20(0.39%)
NY金1,304.7 ドル 7/23(水) ▼1.6(0.12%)
NYプラチナ1,486.7 ドル 7/23(水) ▼1.6(0.11%)
ドル円101.48 円 7/23(水) ▲0.02(0.02%)

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