更新日：2014年7月25日(金)
昨日発表された米新規失業保険申請件数は2006年2月以来の低水準となり、イエレンFRB議長が懸念する雇用市場の回復が順調に進行していることを示しました。来週末の雇用統計に向けて、好結果への期待も高まるところとなっています。
しかし、今回発表された数値の対象は7月19日までの週。雇用統計の調査対象週は毎月12日を含む週、ということなので次回の雇用統計には反映されない数値。今回同時に発表された、失業保険継続受給者数は1週間遅れの発表なので、7月12日までの週が集計対象。結果は、250万人と市場予想を下回り、前週からは8千人の減少。
新規申請件数の4週移動平均と継続受給者数の雇用統計調査対象週の数値をピックアップして見ると、
3月 新規（4週移動平均）：32.95万件 継続受給：281.4万人
4月 新規（4MA）：31.20万件（-1.75）継続受給：267.4万人（-14.0）
5月 新規（4MA）：32.28万件（+1.08）継続受給：262.3万人（-5.1）
6月 新規（4MA）：31.23万件（-1.05）継続受給：256.8万人（-5.5）
7月 新規（4MA）：30.93万件（-0.30）継続受給：250.0万人（-6.8）
なお、継続受給者数が前月比-14万人と大幅減となった4月には、失業率も6.7％から6.3％へと急低下し、その後2ヶ月連続でコンスタントに減少した6月にも失業率は6.1％へと低下しました。今回、7月の継続受給者数も前月比-6.8万人となり、減少幅も加速傾向を示します。
新規の申請件数もコンスタントに低下してはいますが、それでも毎週30万件程度以上の新規申請が続いているということになります。
30万件全てが継続受給者数に組み込まれる訳ではないと思われますが、新規申請が続くのに対して、継続受給者数が減少し続けているということは、イエレン・ダッシュボードでも注視される、長期失業者の割合が、確実に減少傾向となっていることを裏付け、7月もその流れが続いていることを示します。
24日のNY市場、金相場は1.07％の大幅安で3日続落。朝方の乱高下から夕方、欧州時間にはアルジェリア航空機消息不明（後に墜落）報道にも影響されたのか一度は1,300ドルに戻したものの、米新規失業保険申請件数が8年ぶり水準へと大幅改善を示したことをきっかけに徐々に売り圧力が高まった様子。終値1,290.8ドル、安値1,287.5ドルはいずれも6月18日以来の水準となり、下値目標水準1,280ドル近辺へとほぼ到達。
プラチナ相場も0.87％下げて3日続落。金に連れて売り圧力が強まる流れで約1ヶ月ぶりの1,470ドル台、一時1,466.7ドルまで下げて10日前からの下落メド1,470ドル近辺に到達。今回も昨年後半以降のレンジ上限1,500ドル近辺に跳ね返されて反落となった形。それでも年初から続く上昇トレンドで下値を切り上げる流れは継続中。
ドル円は0.33％の大幅上昇で5日続伸。米長期金利上昇とともにドル高傾向が強まり、新規失業保険申請件数の好結果を受けて加速すると7月7日以来の101円80銭台へ。101円70銭の抵抗線を上抜けたことで、通常なら、目先102円台半ばまでのドル高円安進行の可能性が高まる状況。しかし、ここまでの膠着相場が続くなら、単なる行き過ぎで終わり、反落へと向かう可能性が極めて高い、とも。
次週、月末月初の重要イベント・ウィークを経て、上方向へと加速するようなら、さらに大きく動き出す可能性も。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場7/24終値とチャート
25日の国内金価格は0.72％安となり4日続落。4,546円付近の90日移動平均線では下げ止まらずにあっさりと下抜け、下値目標水準4,500円近辺を目指して加速。上方向へのレジスタンスは4,600円。円安の兆しが本物ならサポート要因に。
週間ベースでは-71円（-1.54％）の続落。
プラチナも0.31％の小幅安で4日続落。90日移動平均線と21日移動平均線は右肩上がりを維持し、中長期的な上昇基調も継続。しかし、5,180円近辺の重要な節目を下抜けたことでもう一段の調整余地。下値メド5,100円近辺まで調整局面継続の可能性高まる。上方向への節目は5,220円。
週間では-72円（-1.38％）と続落。
※参考：金プラチナ国内価格7/25とチャート
2014年7月25日(金)時点の相場
国内金：4,526 円 7/25(金) ▼33(0.72％)
国内プラチナ：5,146 円 7/25(金) ▼16(0.31％)
NY金：1,290.8 ﾄﾞﾙ 7/24(木) ▼13.9(1.07％)
NYプラチナ：1,473.7 ﾄﾞﾙ 7/24(木) ▼13.0(0.87％)
ドル円：101.81 円 7/24(木) ▲0.33(0.33％)