金プラチナ短期相場観
国内プラチナ価格の年間平均は数年来の過去最高値圏
更新日:2014年7月23日(水)
本日時点での国内プラチナ価格の年間平均価格は5,010円。4,800円台でスタートした今年のプラチナ価格は、1月20日に5,000円台に到達し、2月に4,600円台へと急落した後、3月上旬に再び5,000円台へ、その後は5,000円を挟んでの上下動を繰り返しながら、徐々に下値を切り上げる展開となり、5月13日に5,000円台へと上昇して以降、一度も5,000円台を割れることなく現在へ至ります。
年間平均価格が5,000円台となるのは、2008年以来のことで、過去には2007年、1980年と数えるほどしかなく、1990年代には1,000円台、2000年代に入って2,000円から3,000円台と推移し、2010年代には4,000円台となっています。
そして、2012年の平均価格4,154円、2013年には4,850円と右肩上がりの推移が続きます。
今朝の価格5,182円は、今年の平均価格を大きく上回り、年初来高値5,246円も意識される水準となり、やや上がり過ぎ?との懸念も生じます。
一度5,100円程度まで下落したとしても全く不思議はなく、むしろ下げ足りないくらい、とも言えそうです。
なお、最近3年間の金や為替の年間平均価格は以下のとおり。
国内金 2012年:4,540円 2013年:4,593円 2014年:4,507円
NY金 2012年:1,670ドル 2013年:1,408ドル 2014年:1,294ドル
NYプラチナ 2012年:1,554ドル 2013年:1,486ドル 2014年:1,446ドル
為替(ドル円)2012年:79.86円 2013年:97.66円 2014年:102.36円
国内プラチナ価格の年間平均が右肩上がりとなっているのは、為替の円安が大きく作用しています。
22日のNY市場、金相場は0.58%反落。米国の早期利上げ観測台頭やウクライナのリスク懸念緩和に軟調推移。安値は1,300ドルの大台で支えられ、米6月のCPIコア指数が予想を下回る0.1%にとどまると1,316ドルまで急騰。しかしこの勢いも長続きはせず、レジスタンスを形成しつつある1,320ドルを超えられず、1,300ドル台半ばへ。徐々に下方バイアスが強まり、90日移動平均線が位置する1,300ドルライン、さらに下値目標水準1,280ドル近辺が意識される。
プラチナ相場は0.34%の反落。この日の高値は長期レンジの上限1,500ドルの手前、1,494.7ドルまで上昇して反落。1,500ドル近辺のレジスタンスの固さを痛感する日々が継続。下値も1,480ドル台で支えられる状態が継続中ながら、1,470ドル近辺までの下押し余地も継続。
ドル円はわずか0.07%の上昇。CPIコア指数低下に急落後は、7月のリッチモンド連銀製造業指数の上昇、6月の中古住宅販売件数が予想より好結果となったことなどを好感して反発。それでも上下27銭の小動きが継続。小幅に3日続伸となったものの4日前の大陰線の上値101円60銭台には全く及ばず、下げ三法で反落を示唆する足型に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/22終値とチャート
23日の国内金価格は0.28%続落。4,600円ちょうどのラインがレジスタンスとなって反落しており、下値目標水準4,500円前後を目指す短期下落トレンドが継続。ほぼ水平状態の90日移動平均線4,550円付近でいったんサポートされるかどうか。
プラチナは前日比わずか1円の下落。9日移動平均線にぶつかって反落、21日移動平均線で下げ止まり、という状況で今年最高値圏付近での揉み合い状態が継続中ながらも、下値は5,100円近辺までの下落リスク。
※参考:金プラチナ国内価格7/23とチャート
- 2014年7月23日(水)時点の相場
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国内金 : 4,568 円 7/23(水) ▼13(0.28%) 国内プラチナ : 5,182 円 7/23(水) ▼1(0.02%) NY金 : 1,306.3 ドル 7/22(火) ▼7.6(0.58%) NYプラチナ : 1,488.3 ドル 7/22(火) ▼5.1(0.34%) ドル円 : 101.46 円 7/22(火) ▲0.07(0.07%)
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