金プラチナ短期相場観
イエレン・ダッシュボード2014年9月版
更新日:2014年9月10日(水)
米労働省から7月の雇用動態調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)が発表され、イエレン・ダッシュボードの9月版指標が出揃いました。
求人数は市場予想の470万件を下回る467.3万件となったものの、2001年以来の高水準となった前月(467.5)とほぼ同水準を維持しています。
求人率、退職率、解雇率、入職率(採用率)はいずれも前月から変わらずとなっていますが、採用者の実数、退職者の実数はいずれも増加しており、労働市場が活況を取り戻しつつあることを示しています。
9月時点の最新状況は以下のとおり。
※リセッション前の数値→最悪の数値→最新の数値+回復率
1)非農業部門雇用者数(+16.2万人→-82.6万人→+20.7万人※3カ月平均)回復率:104.6%↓
2)失業率(5%→10%→6.1%)回復率:78.0%↑
3)労働参加率(66.1%→62.8%→62.8%)回復率:0%↓
4)長期失業者の割合(19.1%→45.3%→31.2%)回復率:53.8%↑
5)広義の失業率(U6失業率)(8.8%→17.2%→12.0%)回復率:61.9%↑
6)求人率(3%→1.6%→3.3%)回復率:121.4%→
7)退職率(2.1%→1.3%→1.8%)回復率:62.5%→
8)解雇率(1.4%→2.0%→1.2%)回復率:133.3%→
9)入職率(3.8%→2.8%→3.5%)回復率:70.0%→
※前月の状況→2014年8月版
回復率100%達成済みの指標が3つという状況は前月から変わらず。前月から改善した指標は失業率、長期失業者の割合、広義の失業率の3指標。後退は非農業部門雇用者数、労働参加率の2指標、求人率、退職率、解雇率、入職率の4指標が横ばい。
回復率が低迷している指標の動向とともに、これらの状況に対するイエレン議長の見解の変化なども今後の注目点となりそうです。
9日のNY市場、金相場は0.46%の続落で6月4日以来の安値水準へ。NY時間にドル買い圧力が高まると、ドル円が一時106円台半ばまで上昇したことに呼応して1,250ドル割れへと下落。しかし引け後には1,250ドル台半ばへと反発しており、この水準での底堅さも。1,240ドル台近辺は6月と1月末のサポートラインにもなっており、意識されやすい水準。
プラチナ相場も0.84%の続落で2月10日以来、7ヶ月ぶりの安値水準。売られ過ぎ状態を無視しての行き過ぎ継続。短期的には金への連動性が非常に強まっており、金がしっかりと下げ止まらない限り、プラチナ単独での下げ止まりが難しい状況か。その金はドル円との逆相関関係を強めており、プラチナ相場もドル主導の状況に。次に意識されやすい安値水準としては2月安値の1,370ドル台。
そのドル円は0.16%の小幅続伸。一時2008年10月1日以来となる106円47銭まで上昇し、ドル高円安トレンドの強さを示す状況。短期的には106円のターゲットに到達したことによる調整も入りやすそうなところ。しかし、買いそびれた向きの飛び乗りと利益確定売りとの交錯でやや乱高下気味に。次週のFOMCを控えて多少落ち着きを見せるかどうか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/9終値とチャート
10日の国内金価格は前日に続く3円安で小幅続落。4,570円から4,620円台までのレンジ下限付近での小康状態に。下限割れなら4,500円割れの可能性を抱えつつも円安に支えられる状況が継続。やや下方バイアス優勢の状況も継続。
プラチナは0.67%の反落。上方向への流れは大きく後退、5,150円近辺の目標水準もいったん消滅し、逆に下方向へのリスクが高まる状況に。5,060円から5,100円台のレンジを明確に下抜けると5,000円割れを目指す流れとなる可能性。
※参考:金プラチナ国内価格9/10とチャート
- 2014年9月10日(水)時点の相場
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国内金 : 4,581 円 9/10(水) ▼3(0.07%) 国内プラチナ : 5,062 円 9/10(水) ▼34(0.67%) NY金 : 1,248.5 ドル 9/9(火) ▼5.8(0.46%) NYプラチナ : 1,385.8 ドル 9/9(火) ▼11.7(0.84%) ドル円 : 106.20 円 9/9(火) ▲0.17(0.16%)
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