金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

世界景気減速への警戒感とユーロドル動向への警戒感

更新日:2014年10月23日(木)

今朝発表された中国のHSBC製造業PMI(購買担当者指数)の10月速報値は50.4、予想を上回り9月の50.2からも上昇し、好不況の分かれ目となる50割れを回避しています。世界景気減速の一端を担う中国の景況感が悪化することなく、わずかながらも上昇したことが好感されたもようで、ドル円は上昇、日本株も上昇で反応しています。なお、金は特に反応なしの状況。

中国の数値が上昇したことで、本日夕方に発表されるユーロ圏のPMIへの注目度が一段と高まります。9月の製造業PMIは、中国の50.2に対してユーロ圏は50.3とわずかに上回っていましたが、中国の10月分がユーロ圏の9月分を上回ったことで、2013年5月以来1年5カ月ぶりに中国のPMIがユーロ圏を上回る可能性が高まってきました。ユーロ圏の製造業PMIは今年、一方的な下落基調にあり、牽引役のドイツは既に1年3カ月ぶりとなる節目の50割れ。世界景気減速を牽引してしまっているユーロ圏、とりわけドイツの景況感はマーケットへのインパクトも大。
ドイツの景況感悪化はユーロ売り材料となり、ECBの追加緩和やユーロ安誘導への思惑がそれを加速させることになります。
そのユーロの対ドルレートとの相関性が非常に高まっている金相場も下押し圧力が強まることになりそうです。

10月22日時点でのNY金相場とユーロドルとの90日間の相関係数は0.94403。過去2年余りの間で最も強い相関関係を示す数値となっています。
7月以降、NY金相場もユーロも対ドルでの売りが進行、そして10月初旬に金相場もユーロドルもいったん底値をつけで反発傾向に。そして足元ではユーロドルは反発傾向が弱まり、既に再反落の兆しを見せ始めています。
金相場は、まだ反発傾向一服、という状態に過ぎませんが、やや雲行きが怪しくなる可能性も高まります。

世界景気減速への警戒感が高まり、ドル安株安が進むようなら金相場のサポート材料に。しかし、ユーロ圏の景気減速への警戒感だけにとどまるならユーロ安要因。プラチナ安要因にも。
世界景気減速とユーロドル動向への警戒感が交錯する金相場は、微妙な局面を迎えることになります。

NY金・日足チャート 2014/9/23 - 10/2222日のNY金相場は0.5%の反落。米9月の消費者物価指数が予想を上回る前年同月比+1.7%となったことで米国の低インフレ懸念が後退、ドル買い進行に伴い金は1,240ドル台後半から1,240ドル付近まで急落。その後カナダの銃乱射事件で株価の下落、ドル買い円買いのリスクオフで1,240ドル台半ばまで買い戻しも引け後は軟調推移。短期上昇トレンド中の押し目の範囲内をキープし、1,270ドル台後半までの上昇余地を残しながら、1,230ドル台後半のサポートラインに支えられる状況。下抜けた場合には20ドル程度の下落リスク。

NYプラチナ・日足チャート 2014/9/23 - 10/22プラチナ相場は4日ぶりの反落で0.93%の大幅安。短期上昇トレンドの色合いを強め、加速するかに見えたタイミングでの大幅下落で保ち合い水準に逆戻り。最近のプラチナ相場の軟調地合いからは抜け切れていない状況を示すような流れ。それでも方向感は上向き、1,310ドル前後の上値目標水準を目指す展開へ望みをつなぎ、下方向には1,250ドルが警戒水準。

ドル円・日足チャート 2014/9/23 - 10/22ドル円は0.13%の小幅高で5日続伸。107円05銭-10銭のレジスタンスを突破できない状況が続いた後、CPIの好結果を受けて107円30銭台まで急騰。しかしこの流れも長続きはせず、107円10銭のレジスタンスライン付近に収束。わずかながらも上抜けたことにより、上値余地は107円60銭台辺りまで拡大。ただし、短期下落トレンドも継続中、サポートラインは105円90銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/22終値とチャート

23日の国内金価格は0.28%安で5日ぶりの反落。堅調推移し始めた短期上昇トレンド中の調整。4,600円前後の目標水準に向けての再トライの可能性は十分。4,600円を上抜けた場合には、さらに勢いを増して7月高値4,660円近辺を目指す流れへとつながる可能性も。

プラチナ価格は1.15%の大幅反落。相変わらずボラティリティの高い状況が続き、広めのレンジ内での三角保ち合い傾向が鮮明に。目先の節目は上方向には4,710円、下方向には4,570円台、モメンタムは上向きも大幅反発か2番底形成か、両極端のどちらかへ動き出す可能性が徐々に高まる。
※参考:金プラチナ国内価格10/23とチャート

2014年10月23日(木)時点の相場
国内金4,579 円 10/23(木) ▼13(0.28%)
国内プラチナ4,654 円 10/23(木) ▼54(1.15%)
NY金1,245.5 ドル 10/22(水) ▼6.2(0.50%)
NYプラチナ1,271.1 ドル 10/22(水) ▼11.9(0.93%)
ドル円107.14 円 10/22(水) ▲0.14(0.13%)

10/22(水)のその他主要マーケット指標

欧州景気減速への警戒感緩和も市場の不透明感は継続 10/24(金)

世界景気減速への警戒感とユーロドル動向への警戒感 10/23(木)

NY金相場とドル円の逆相関関係は過去2年間で最大に 10/22(水)

日米の為替認識ギャップとFRBの経済動向認識ギャップ 10/21(火)

ドル円は107円台、NY金相場は1,230ドル台で反転をかけた攻防 10/20(月)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ