金プラチナ短期相場観
ギリシャ問題軽視の市場ムードから推測されるドルの先高感
更新日:2015年2月17日(火)
ユーロ圏財務相会合でのギリシャ支援を巡る協議は物別れに。緊縮策維持を求める債権側と財政再建目標緩和を主張するギリシャ側との歩み寄りは見られないまま、既存の救済プログラムが失効する2月末が迫ります。平行線状態が続けば3月にもギリシャの資金が枯渇する可能性が高まり、ギリシャの新政権にとっては選挙公約破棄という土壇場に追い込まれることになります。
残されたチャンスは、20日までにギリシャ側から現行プログラムの延長申請があれば協議再開の可能性。
怪しい雲行きにユーロが売られてドルが買われ、円も買われました。しかし、NY市場休場の影響もあってか安全資産買いの流れも限定的。リスク回避というほどの流れにはならず、いずれユーロ圏とギリシャとの妥協が見られるハズ、とタカをくくったような市場の楽観ムードも感じられます。
足元ではやや円高リスクも高まりつつあるドル円も、長い目で見れば、それも一時的なもので、いずれはドル高円安傾向が再び進むハズ、と見る向きが多いのではないかと推測されます。
年後半以降には米国の利上げフェーズがスタートするハズ、というドルの先高感が、ギリシャの債務危機リスクによる円の先高感を上回る状態と言えます。
年足チャートで見る今年の値幅は現時点で4円88銭。過去3年間の平均変動率と同程度の値動きが今年もあると仮定した場合の値幅は22.29円。
これを現在の値幅に上下均等に振り分けると、今年のドル円の値幅は107円から129円。
ドルの先高感が円の先高感を上回ることを考慮すると、安値でも110円を割れるようなケースは想像し難く、高値で130円近辺に達する可能性は十分想定されるのではないかと予想されます。
しばらくは比較的小動きが続いた後、ドルの先高感がより高まるであろう年後半にかけて、ドル高円安が加速する可能性が高まりそうです。
16日のNY市場はプレジデンツ・デーで休場。時間外の金は先週末からわずかに水準を切り上げて1,230ドル台前半を中心に小動き。
ドル円は0.22%の小幅ドル安円高で3営業日続落。ユーロ圏財務相会合でのギリシャ支援協議物別れでユーロ売りが急速に進むと、ドル円ではやや円高方向へ。1週間前につけた118円60銭台の節目をわずかに下回って引けたことにより、円高方向へのリスクが拡大。117円台半ばが当面の目標水準に。
17日の国内金価格は0.18%の小幅反落。為替がやや円高方向へと傾斜したことで上値の重い状態が継続。節目の5,000円手前でサポートされる状態も継続、この水準で耐えきることができれば下落トレンドも収束方向へ。
プラチナは0.71%の反落。NYプラチナが下げ止まりの兆しを見せ始めているものの反発力も弱く、為替動向次第の状況に。円高リスク拡大に伴う下落基調継続で目標水準4,890円近辺で下げ止まるかどうかの懸念も。ただし上値抵抗4,950円を超えると5,000円台へと反発の可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格2/17とチャート
- 2015年2月17日(火)時点の相場
-
国内金 : 5,020 円 2/17(火) ▼9(0.18%) 国内プラチナ : 4,914 円 2/17(火) ▼35(0.71%) NY金 : 1,227.1 ドル 2/16(月) +-0.0(0.00%) NYプラチナ : 1,207.5 ドル 2/16(月) +-0.0(0.00%) ドル円 : 118.47 円 2/16(月) ▼0.24(0.20%)
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