金プラチナ短期相場観
ギリシャvsドイツの延長戦
更新日:2015年2月20日(金)
ギリシャは19日、支援プログラムの6カ月延長をユーロ圏に正式要請。全ての債務を履行する意向を示し、合意済みの財政目標に違反する一方的な行動はとらない方針も示した、と伝えられています。また、融資延長期間にはインスティチューションズ(旧トロイカ:EU・ECB・IMF)の監視体制を拒否する姿勢もあらため、一転して受け入れることを表明。大きく歩み寄りを見せたかにも見えます。これを受けて欧州委員会は、域内の金融安定に向けた合意へ明るい兆候と歓迎。
しかし、ギリシャの提案内容はユーロ圏財務相会合との合意条件である、財政緊縮策の継続を満たしていないとして、ドイツがこれを拒否する意向を示します。支援策の条件となっていた、GDP比3%の財政黒字という今年の財政目標に対し、ギリシャ側がこれを1.5%に引き下げようとしている、ということのようです。
詳細は不明ですが、ギリシャ側としては、全般的には債権側との合意条件を満たすかのような内容で妥協姿勢をアピールしつつ、細部で債権側の妥協を引き出す作戦のようです。
巧みな作戦で迫るギリシャに対して、ユーロ側の最終ラインには強固なディフェンス力を誇るドイツが待ち構える構図です。
ユーロ側では、フィンランドも、ギリシャの構造改革継続の必要性を主張し、融資延長申請拒否の構えでドイツをサポート。
スタンドでは、協議決裂を懸念する米国のルー財務長官が、ユーロ側とギリシャ側双方関係者に対して歩み寄りを求め、決着がつかないことを危惧するサポーターとして、その動向を見守ります。
やや食傷気味ながら、ギリシャへの融資延長をかけて雌雄を決する戦いが、ユーロ圏財務相会合延長戦として、日本時間今夜キックオフされます。
19日のNY金相場は3日ぶりの反発となる0.62%上昇。ハト派寄りのFOMC議事要旨を受けた買い戻しの流れが継続したことにギリシャ情勢が加わり、欧州時間には一時1,220ドル台まで上昇。息切れにより反落に転じると、米新規失業保険申請件数の好結果を受けたドル買いの流れがこれを後押し。結局、反発値幅は限定的となり、下落トレンドに大きな変化はなし。上方向への節目1,230ドルを超えることができればトレンド転換へ。下方向には1,200ドルの大台ラインが重要なサポートライン。下抜けるとトレンド継続でさらに20ドル程度の下洛余地。
プラチナ相場も0.44%の反発。近年最安値更新後の買い戻しの流れも1,180ドル台どまり。当面のレジスタンスライン1,210ドルまで距離を残す水準にとどまり、上値の重い展開はまだしばらく継続しそうな状況。下値目標水準1,150ドル台を再度試す展開も予想される。その手前、1,160ドルがサポートラインとなるかどうか。
ドル円は0.13%の小反発。ギリシャ情勢を懸念するユーロ売りが加速した欧州時間にはドル買いの流れがドル円にも波及、失業保険申請件数が予想を下回る好結果となった時点では119円台を回復。しかしこの水準ではまだ上値も重く長続きせず。フィラデルフィア連銀製造業景気指数の下振れなどもあり119円ラインとの攻防へ。118円台半ばから119円台前半での揉み合い状態が継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/19終値とチャート
20日の国内金価格は前日比4円安と小幅下洛が続き、4日続落。国内金価格の急騰局面では、反落に転じると急騰開始時点の水準まで戻るケースが多く、今回も1月半ばからの急騰で5,298円まで上昇して反落。今朝の水準は1月15日の4,976円をやや下回り、1月6日以来の安値水準。急騰分の値幅を全て吐き出した形となり、いったんは足場固めとなる可能性も。
週間ベースでは-56円(-1.12%)で4週続落。
プラチナは前日比変わらず。今週下抜けた90日移動平均線は水平状態にあり、中期的には横ばい推移。短期的にはゆるやかな下落トレンドが続くものの、いずれは現在4,890円付近に位置する90日移動平均線に向かい始めることに。その水準まで戻した時点で90日移動平均線が下方向に傾斜していた場合には、中期的にも下落トレンドへと転換していることになるが。4,770円台までの水準が当面のサポート水準となる可能性も。
週間ベースでは-113円(-2.29%)の続落。
※参考:金プラチナ国内価格2/20とチャート
- 2015年2月20日(金)時点の相場
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国内金 : 4,961 円 2/20(金) ▼4(0.08%) 国内プラチナ : 4,812 円 2/20(金) +-0(0.00%) NY金 : 1,207.6 ドル 2/19(木) ▲7.4(0.62%) NYプラチナ : 1,172.3 ドル 2/19(木) ▲5.1(0.44%) ドル円 : 118.94 円 2/19(木) ▲0.15(0.13%)
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