金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

やや低調とも予想される雇用統計上振れの可能性

更新日:2015年3月6日(金)

昨日発表された、2月末までの週の新規失業保険申請件数は予想よりも大幅増となり、9カ月ぶりの悪化水準。最近の減少傾向の流れも明らかに鈍化しています。2月は寒波や、港湾スト、原油急落の影響なども懸念され、1月までのサプライズ的な好調の反動も予想されます。従って市場予想でも非農業部門雇用者数の伸びは23万人程度と、控えめな数字となっています。水曜日のADP雇用者数の結果も鈍化傾向となったこともあり、どちらかと言えば、今回はやや低調な結果を予想する向きが優勢のようです。

しかし、そのなかで予想を上回る可能性もあるのではないか、と思われる材料もあります。
失業保険申請件数の月末時点の4週移動平均を比較すると、
2月末30.48、1月末29.3、12月末29.08、11月末29.9。過去4カ月間では最も多く(悪く)なってはいますが、
雇用統計の調査対象週となる、12日を含む週の数値を比較すると、
2月28.2、1月30.9、12月28.9、11月29.2。過去4カ月間では最も少ない(良い)結果となっています。

また、過去の雇用統計発表内容を見ると、前回の2月(1月分)まで3カ月連続で市場予想を上回っています。
その前、11月(10月分)から8月(7月分)までは4カ月連続で市場予想を下回り、さらにその前は3カ月連続で予想より上振れ、過去1年間では7勝5敗で上振れ優勢。
3月の発表(2月分の数値)に限定すると、過去2年連続で予想を上回っています。
季節的にも寒波などの悪影響が予想されやすい割にはそれほどでもなかったというケースも想定されます。

過去3カ月分の数値が良過ぎただけに、今回の結果が多少低調となったとしても、ネガティブな反応はそれほど大きくはならないのではないか、と予想されます。
しかし、今回はやや低調との予想が優勢となるなかで、予想外の好結果となった場合のポジティブ反応には要警戒、かもしれません。

NY金・日足チャート 2015/2/3 - 3/55日のNY金相場は0.39%安となり4日続落。米新規失業保険申請件数や製造業新規受注の下振れを受けたドル安に伴う買い局面も、前日高値1,208ドル付近で頭打ち。安値では3日連続での1,200ドル割れ、終値ベースでも1,200ドルを割れ、年初1月2日以来2カ月ぶりの安値水準へ。1,190ドル台半ばのサポートラインでなんとか支えられる状態も下方リスクが高まる状況。雇用統計がポジティブな結果となれば、サポートライン割れとなり下値余地は1,170ドル割れ水準も。ネガティブ反応なら1,210ドル台半ばが抵抗線、抜けると1,250ドル付近を目指す流れも。

NYプラチナ・日足チャート 2015/2/3 - 3/5プラチナ相場は0.14%の小幅安で3日続落。短期上昇トレンド中の調整の範囲内で、金よりも地合いは堅調気味。しかし、重要イベント通過で大きく流れも変わりやすく、上方向へは、1,190ドルの抵抗線超えなら1,210ドル付近までの上昇余地。下方向には1,160ドルが重要なサポートライン。下抜けた場合の目標水準は1,130ドル近辺。

ドル円・日足チャート 2015/2/4 - 3/5ドル円は3日ぶりの反発で0.39%上昇。欧州時間からドル買い優勢となり、再び120円40銭まで上昇すると、米経済指標の下振れで反落。ドラギECB総裁会見を経てユーロの戻り売りが加速したことによるドル買い傾向とでやや乱高下気味に。結果的には最近の鬼門となる120円台を維持して終了。円安けん制により120円割れへの反落も再び懸念されるところ。しかし本日は雇用統計次第で上振れなら121円台を目指す流れが加速。下振れなら119円台半ばがサポートライン、ここを抜けると118円台半ばへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/5終値とチャート

6日の国内金価格は4日ぶりの反発で0.1%の小幅高。ほぼ水平状態の9日移動平均線との並走状態が継続。上下を走る21日移動平均線と90日移動平均線との距離も一段と縮小し、イベント前にレンジブレイクへの準備状態も進行中。ドル円よりも変動率が高いNY金の動きに追随しやすくなるものの、低インパクトな結果なら上下の節目4,930円台から5,020円台までで流れは止まりやすい状況。
週間ベースでは-10円(-0.2%)の小幅反落。

プラチナは0.16%の小幅反発。そこそこのネガティブ・サプライズで金が急反発した場合、円高の流れはある程度限定的となる可能性もあり、プラチナは金に追随して上昇。そんな流れなら強めの抵抗線4,900円を上抜けする可能性も。その場合、目先の上値余地は4,960円程度まで拡大。
週間ベースでは+36円(+0.74%)で続伸。
※参考:金プラチナ国内価格3/6とチャート

2015年3月6日(金)時点の相場
国内金4,966 円 3/6(金) ▲5(0.10%)
国内プラチナ4,879 円 3/6(金) ▲8(0.16%)
NY金1,196.2 ドル 3/5(木) ▼4.7(0.39%)
NYプラチナ1,180.1 ドル 3/5(木) ▼1.6(0.14%)
ドル円120.13 円 3/5(木) ▲0.47(0.39%)

3/5(木)のその他主要マーケット指標

雇用統計上振れに警戒された過剰反応、賃金上昇率低迷は継続 3/7(土)

やや低調とも予想される雇用統計上振れの可能性 3/6(金)

強まるADPとNFPとの相関関係が示す極めて良好な米雇用情勢 3/5(木)

金価格とプラチナ価格の逆転現象解消へのきっかけ 3/4(水)

金融政策の方向性を裏付ける各国の製造業PMI 3/3(火)


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