金プラチナ短期相場観
労働市場情勢指数「LMCI」も大幅鈍化を示す米雇用市場の回復
更新日:2015年4月7日(火)
米FRBが6日公表したLMCI(労働市場情勢指数)の3月分は2年9カ月ぶりのマイナス圏。
ADP社の雇用報告、労働省による雇用統計と低調な数値が続いた3月の米雇用指標は、FRBによる分析結果ではさらに大きく後退。
4.8から3.8へと下方修正された1月、4から2へと大幅下方修正された2月に続き、3月は遂に-0.3へと急落。
過去分の修正もあり、2012年以降の平均値は前月時点の4.2から4.1へと低下。6カ月移動平均の推移を見ると、昨年以降、5.0前後の高水準での推移が続いていた状態から足元で急落し、3月は4.25。
2014年以降の数値は以下のとおり(括弧内は6カ月移動平均)。
1月:2.9(4.18)
2月:3.3(4.15)
3月:5.8(4.55)
4月:7.8(5.15)
5月:6.9(5.13)
6月:5.5(5.37)
7月:3.4(5.45)
8月:3.0(5.40)
9月:4.7(5.22)
10月:5.9(4.90)
11月:7.0(4.92)
12月:7.1(5.18)
2015年
1月:3.8(5.25)
2月:2.0(5.08)
3月:-0.3(4.25)
LMCIも雇用統計の結果を裏付けるような結果となったことで、少なくとも寒波などの季節的要因もあり、第1四半期の雇用市場はかなり低調となっていたことが明確になりました。
さらに、原油安やドル高などの影響も懸念される状態が継続中の現在、雇用市場が今後、飛躍的に回復していくような見通しは立ち難い状況となっています。
早期利上げ観測後退に伴う米株の持ち直しと同様、金相場も大きく押し上げられる形となっています。
6日、3連休明けのNY金相場は1.47%の大幅上昇。雇用統計ショック明けの月曜時間外から1,210ドル台半ばへと水準を切り上げ、NY時間には一時1,220ドル台半ばまで買われる展開。しかし、急落していた株価の大幅反発とドルの買い戻し進行とともに上値が重くなり、再び1,210ドル台半ばへ。それでも利上げ先送り観測台頭にもサポートされる短期上昇トレンドは加速中。2月13日以来、1カ月半ぶりに90日移動平均線も上抜け、1,250ドル台の目標水準を目指す展開へ。
プラチナ相場は26.6ドル、2.31%の大幅反発。短期上値目標となっていた1,180ドルにも到達し、1カ月ぶりの水準を回復。当面の底値をつけての反発局面が加速した形となり、さらに上値を伸ばす可能性も。次の目標は1,200ドル。サポートラインも1,150ドルへ、主要レンジ自体も切り上げ。
ドル円相場は4日ぶりの反発で0.44%のドル高円安。結局、雇用統計発表直後の急落でつけた118円70銭台を下回ることはなく119円近辺での揉み合い状態から、株価の急反発とともに上昇すると、雇用統計発表前の水準となる119円70銭近辺までドル買いが進行。雇用統計ショックを引きずらなかった形でドル円の底堅さを確認。118円台前半までの下値リスクに対しては118円70銭までで切り返し、再び119円台での揉み合い状態へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/2終値とチャート
7日の国内金価格は0.14%の小幅続伸。3月3日以来1カ月ぶりの高値水準を回復し、5,000円の大台も目前。5,000円前後の水準は、昨年末以降何度も揉み合いを形成してきた水準で、今回もやや足踏み状態に。当面の目標水準5,010円台を目指す流れは継続中。
プラチナは前日比-2円の小幅安。上値目標4,820円台に到達したことによる一服感。NYプラチナの地合い好転に伴い、多少の調整をはさみながらも上昇トレンド継続見込み。4,900円近辺が当面の目標水準、サポートラインは4,750円。
※参考:金プラチナ国内価格4/7とチャート
- 2015年4月7日(火)時点の相場
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国内金 : 4,997 円 4/7(火) ▲7(0.14%) 国内プラチナ : 4,823 円 4/7(火) ▼2(0.04%) NY金 : 1,218.6 ドル 4/6(月) ▲17.7(1.47%) NYプラチナ : 1,180.4 ドル 4/6(月) ▲26.6(2.31%) ドル円 : 119.52 円 4/6(月) ▲0.52(0.44%)
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