金プラチナ短期相場観
雇用統計のネガティブ・サプライズを示唆していた?2月のLMCI
更新日:2015年4月6日(月)
欧米市場が休場の日に発表された雇用統計が予想外にネガティブな結果となったことを受け、週明けの市場動向が注目されます。
唯一、休場ではなかった為替市場でも、ある程度の変動余地が残されるものと思われましたが、先週末のドル売りの流れは今のところ小康状態となっています。
今朝の東京市場でのドル円相場は、先週終値を下回ってスタートしたものの、金曜日の発表直後につけた安値118円70銭台を下回ることはなく、逆にドル高円安方向へと切り返す動きも見せ始め、119円台を回復。雇用統計の結果をほぼ織り込んできたような状況に。
日経平均も200円近くの下落で寄り付き後はマイナス幅を縮小中。ただし、影響を受けやすい米国株市場の金曜日がクローズだったことを考慮すると、日本株への織り込み度合いはまだ不十分の可能性も。
その米国株は、NYダウの時間外では木曜終値から150ドル程度切り下げてスタートし、わずかに上昇中。利上げ先送り観測を重視すれば株高、景気減速懸念重視なら株安、と考えると現時点では後者の流れが優勢となりつつあるようですが、本格的な動きが始まる今夜半からの動向も注目されます。
その、今夜半にはFRBによる労働市場情勢指数「LMCI」の発表もあります。
この、LMCIの数値の前回発表分を見ると、今回の雇用統計の結果を示唆していた?可能性もありそうです。
前回分(2月分)では、昨年後半にかけて上昇傾向となっていたLMCIの数値は、12月の7.1をピークに、今年1月には4.8、2月には4.0と急落していました。今年冬場の天候状態などの影響も受け、労働市場は悪くはないけれど、やや鈍化傾向、という状態を示してたことになります。
上振れし過ぎていた?雇用者数の1月、2月分が下方修正されたのも辻褄が合いそうです。
そう考えると、今夜発表の3月分LMCIも、それほど好結果は望めない可能性も高そうです。そうなった場合には、今夜のNY株式市場にも若干のマイナス材料として作用するかもしれません。織り込み途上の雇用統計の結果を含め、株安・ドル安傾向となる可能性も高まります。
今朝時点で急騰しているNY金・プラチナ市場は堅調推移が継続しそうな状況となってきました。
6日の国内金価格は34円、0.69%の反発。今朝時点で、連休明けのNY金相場は時間外で1,210ドル台半ばへと急騰、ドル円の円高は限定的となっていることにより押し上げられた形。1カ月ぶりに90日移動平均線を上抜けて堅調推移状態が継続、当面の上値目標5,010円台へと接近中。
プラチナは前週末比+67円、1.41%の大幅反発。サプライズがなければゆっくりとした上昇トレンドを見込んで上値目標4,820円台へと向かう、という予想に対してネガティブ方向へのサプライズとなったことにより、NYプラチナも金に追随して1,170ドル台へと急騰。結果的にいきなり目標水準へと到達。堅調な勢いが加速し、さらに上値を伸ばす可能性も浮上。次の目標水準は、水平状態の90日移動平均線も位置する4,900円付近。
※参考:金プラチナ国内価格4/6とチャート
- 2015年4月6日(月)時点の相場
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国内金 : 4,990 円 4/6(月) ▲34(0.69%) 国内プラチナ : 4,825 円 4/6(月) ▲67(1.41%) NY金 : 1,200.9 ドル 4/3(金) +-0.0(0.00%) NYプラチナ : 1,153.8 ドル 4/3(金) +-0.0(0.00%) ドル円 : 118.99 円 4/3(金) ▼0.71(0.59%)
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