金プラチナ短期相場観
ADP雇用者数上振れの2日後に雇用統計NFPも予想を上回る確率
更新日:2015年6月4日(木)
ADP雇用リポートの5月雇用者数は市場予想の前月比+20万人をわずかに上回る+20.1万人となりました。昨年12月から今年4月まで5カ月連続で低下していた数値がようやく上昇に転じ、3カ月ぶりの20万人台にも達したことで、雇用者数の増加に関しては以前の好調時の水準へと回復の兆しが見え始めたことになります。
FRBのベージュブックでも4月から5月にかけて「景気は拡大し、雇用水準も全地区にわたって若干上昇」と表現されたこととの整合性もとれます。
金曜日の雇用統計でも好結果が期待されるところですが、過去のADP社と労働省の非農業部門雇用者数(NFP)、それぞれの発表値(速報値)と市場予想との関係を調べてみました。
ADP雇用者数が市場予想を上回った場合に、該当月の雇用統計のNFPでも市場予想を上回る確率は・・・54.5%。
ほぼ半々。決して高くはないようです。
2013年から2015年4月分までの全28回のうち、NFPが予想を上回った回数は14回。ちょうど50%。妥当な数字とも言えそうです。これに対してADP雇用が予想を上回った回数は11回(39.3%)しかありません。今回の5月分を入れても41.4%。やや予想が高過ぎる傾向にあったか、予想外に雇用状況が低迷したケースがやや多かったか、のどちらかです。特に今年は5月分が初の予想上振れです。
ADPの結果を見てNFPの予想値が若干変動し、結果的にNFPの上振れ率は50%に収束している状態です。
また、後日大幅修正されることも多い速報値の段階では、ブレやすいということもありそうです。
今回のNFPが市場予想の+22.5万人を上回る可能性も、五分五分です。
3日のNY金相場は0.8%の反落。ADP雇用リポートでの雇用回復状況が示されたことやギリシャ問題進展期待などを背景に売りが強まると3週間ぶりの安値圏へ。保ち合いレンジを1180ドルから1200ドルまでに縮小・下方シフトの状態となり、下限割れリスクも高まる状況に。1180ドルを割れた場合の下値メドは今年安値圏となる1150ドル台。1200ドルを超える反発となった場合には1220ドル台までの上昇も。
プラチナ相場は0.78%の反落で前日反発分を帳消し、再び1100ドルの節目トライの様相に。節目割れの場合には、今年安値1086.7ドルを更新する可能性も高まり、1000ドル台半ば付近までが警戒水準に。反発となって1120ドルを超えることができると上値余地は1140ドル付近まで拡大。
ドル円は0.12%の小幅反発。雇用の改善、ISM非製造業景況指数の下振れなどに上下に振れる場面もあったものの概ね124円台前半での推移。足場固めの後に再びドル高進行か、高値圏での保ち合い後の反落か。金曜夜までは123円台半ばから124円90銭までの範囲での推移が続き、動き出した場合の下値目安は122円台後半、上値目安は127円台後半へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/3終値とチャート
4日の国内金価格は6日ぶりの反落で0.53%安。5100円台の目標到達後の反落となり、新たな展開に向けての準備状態。4月末からの上昇トレンドは1カ月を超えており、そろそろ短期トレンド転換への警戒感も高まる頃。5030円のサポートライン割れの場合、5000円の大台付近まで、さらには4970円台辺りまでが当面の目安に。上昇トレンド継続で5110円超えなら5150円付近を目指す可能性も。
プラチナは0.79%の反落。下落基調の9日移動平均線に頭を押さえられて、ゆるやかに上昇する21日移動平均線割れ。4710円付近を目指す下落トレンドが継続。切り下がった抵抗線4790円を超えると5月高値4840円台付近までの反発余地も。
※参考:金プラチナ国内価格6/4とチャート
- 2015年6月4日(木)時点の相場
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国内金 : 5,074 円 6/4(木) ▼27(0.53%) 国内プラチナ : 4,746 円 6/4(木) ▼38(0.79%) NY金 : 1,184.9 ドル 6/3(水) ▼9.5(0.80%) NYプラチナ : 1,104.1 ドル 6/3(水) ▼8.7(0.78%) ドル円 : 124.24 円 6/3(水) ▲0.15(0.12%)
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