金プラチナ短期相場観
FRBインフレ目標2%に対してPCEコアデフレーターは1.2%に低下
更新日:2015年6月2日(火)
FRBのインフレ目標2%の目安となる指標、個人消費支出(Personal Consumption Expenditures)のデフレーター、PCEデフレーターは、上昇傾向に転じるものと予想されていた4月に鈍化。
個人消費関連のインフレ圧力は4月もまだまだ弱かったことが判明しました。
PCEデフレーターは前年同月比+0.1%となり、急落した1月の+0.2%、2-3月の+0.3%をさらに下回り、2009年10月以来の低水準となっています。昨年12月から今年1月にかけて急落した原油相場に同期するように急落したPCEデフレーターは、3月から4月にかけて上昇した原油相場には4月時点ではサポートされなかったようです。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレーターの指数も前年同月比で、3月までの+1.3%から4月は+1.2%に鈍化。昨年2月以来、14カ月ぶりの低水準となりました。
2週間後のFOMCで公表されるインフレ見通しのFRB予想値では、PCEコア指数は3月時点の内容から変わりようがない状態となっています。
(3月のPCEコア予想:2015年末1.3-1.4%、2016年末1.5-1.9%、2017年末1.8-2.0%)
PCEの予想値は3月時点の「2015年末0.6-0.8%」すら、下げざるをえない状況となりそうです。
インフレ目標2%への合理的確信が得られない現状では、6月利上げは100%あり得ないことになり、9月でも厳しそうな状況です。
1日のNY金相場はわずかに0.7ドルの下落。米4月の個人消費支出・PCEコアデフレーターの予想外の低下に1200ドル台へと急騰。しかし、その1時間半後に発表された5月ISM製造業景況指数が予想を上回ったことを受け、ドル買い加速で急反落。サポートライン1180ドル台での底堅さと、きっかけさえあれば買い圧力も高まりやすいことが確認され、1200ドル超えではきっかけ次第で売り圧力も高まりやすい状況に。
プラチナ相場は0.66%下げて7日続落。3月18日以来の安値圏でさらに水準を切り下げて今年最安値1086.7ドルも意識される状況に。7日続落となるのは今年3月上旬、最安値を記録する前の8日続落以来。1100ドルのきりの良い節目がサポート水準となるかどうか。
ドル円は0.52%のドル高円安で7日続伸。PCEコアデフレーター下振れに30銭ほどの急落で123円80銭台まで下げた後、ISM製造業景況指数が少しだけ回復したことを材料に1円近くもの大幅上昇で2002年12月6日以来、12年半ぶりの高値水準となる124円90銭台まで上昇。材料を問わずドル買い円売りの勢いはまだ収まらない様子。7日続伸は昨年8月以来で、その時は7日間で1.68%の上昇率、今回の7日間での上昇率は3.09%とおよそ2倍の急騰ぶり。さすがに過熱感も高まるものの、しばらくは経済指標の結果次第で、よければ結果以上にドル買い、悪ければ結果未満の円買いか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/1終値とチャート
2日の国内金価格は4日続伸となって14円高。4カ月ぶり高値水準でのジリ高状態が継続し、短期上値目標5100円台に到達。予想を上回る円安サポートによる上昇となり、NY金の1180ドルのサポートライン割れには要警戒。ただし、過熱感も高過ぎるほどではなく、今年高値から安値の61.8%ライン、5114円が当面の上値目安に。
プラチナはわずかに2円の続落。ゆるやかな軟調推移が続き、ゆるやかに上昇する21日移動平均線にぶつかった状態となり、短期的にサポートされるか、もしくは下落基調がやや加速するか。当面の下値目標4710円台付近までの下押し余地は継続。
※参考:金プラチナ国内価格6/2とチャート
- 2015年6月2日(火)時点の相場
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国内金 : 5,101 円 6/2(火) ▲14(0.28%) 国内プラチナ : 4,759 円 6/2(火) ▼2(0.04%) NY金 : 1,188.7 ドル 6/1(月) ▼0.7(0.06%) NYプラチナ : 1,104.2 ドル 6/1(月) ▼7.3(0.66%) ドル円 : 124.77 円 6/1(月) ▲0.65(0.52%)
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