金プラチナ短期相場観
協議妥結に向かう?ギリシャとユーロ圏の製造業PMI推移
更新日:2015年6月3日(水)
ギリシャ支援を巡る協議で妥結への期待が高まっているとの報道もあり、急速に買い戻しが進んだユーロ。しかし、反緊縮を貫くチプラス政権と債権者側との交渉では、これまでにも何度も歩み寄り、決裂、平行線を繰り返し、ギリシャが6月期限合計16億ユーロをIMFへ返済できるかどうかは未だ不明の状況です。
そんなギリシャを含むユーロ圏の景気動向を見ると、やはり2極化は鮮明となっています。
1年間の製造業PMIの推移をユーロ圏全体の数値と各国の数値で比較すると、ユーロ圏最大の経済大国ドイツのPMI推移はユーロ圏のPMIとほぼ同じ水準、方向性での推移が続きます。ユーロ圏の景気回復をけん引しているのは、スペインとオランダ。コンスタントにユーロ圏の数値を上回る高水準での推移が続き、スペインでは好不況の境目50を上回る状態が18カ月連続で、5月には8年ぶりの高水準に達しています。これを追いかけるようにオランダも17カ月ぶりの高水準となっています。これらの国はECBの量的緩和に関係なく、好調が続いていたようです。
さらにイタリアも今年に入って急上昇。ECBの量的緩和の恩恵が最も表れた形で4年ぶりの高水準に。
コンスタントにユーロ圏の数値を下回り、牽引される側の代表国は、景気低迷が続くフランス。節目の50を下回る状態は13カ月連続。そのフランスと同水準から最近下抜けたのがギリシャ。4月の数値は約2年ぶりの低水準、支援協議難航の影響も見られ始めている様子です。
ギリシャ支援が妥結したとしても、この数値が回復しないことには、また同じことが繰り返されることになりそうです。
2日のNY金相場は0.48%の反発。急速に進んだドル買いの流れがようやく大きく巻き戻されたことにより、その直前、5月22日以来6日ぶりに1190ドル台を回復。ギリシャ協議進展期待の高まりによるユーロ買いドル売りが急速に進行したこともサポート材料に。ただし1200ドルの大台ラインでの抵抗感はまだ強く、週末までは1180ドルのサポートラインとの間でのレンジ推移が予想される状況。雇用統計の結果がネガティブなら1230ドルトライ、ポジティブなら今年安値圏1150ドル近辺が視野に。
プラチナ相場は8日ぶりの反発で0.78%の上昇。1100ドルの節目がサポートラインとなって反発した形となり、今年安値とで2番底を形成する可能性も浮上。ネックライン1180ドルを超えると2番底完成。しかし目先は下値警戒感のほうがまだ強く、1100ドルを割れることがあれば今年安値更新トライへと向かう可能性も。
ドル円は0.54%の大幅調整で8日ぶりの反落。12年半ぶり高値圏での推移から午前中に125円台にタッチしたことによる達成感から調整局面入り。ユーロの買い戻しや米4月の製造業新規受注がマイナスとなったことなどもドル売り材料に。今回の急騰局面の起点となった5月14日安値118円80銭台から2日高値125円05銭までの23.6%ライン123円60銭までの間でレンジを形成しやすい状況。週末に再び大きく動き出した場合、下方向には38.2%ラインの122円70銭付近がメドに。上方向なら、1990年高値から2011年史上最安値までの61.8%ライン、128円付近がターゲットに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/2終値とチャート
3日の国内金価格は前日から変わらず。短期上値目標5100円台到達による一服感。週明けにかけての急変動への警戒感が高まる局面。下方向は5030円から5000円の大台までがサポート水準としての厚みを増した状況。上方向には今年高値から安値の61.8%ライン、5114円から5150円までが当面の抵抗水準となりやすいところ。
プラチナは3日ぶりの反発で25円の上昇。ゆるやかに上昇する21日移動平均線にサポートされて反発したところを下落基調の9日移動平均線に押さえられた形。さらにすぐ上にも下落基調の90日移動平均線が4811円付近に位置し、上方向への反発が続いた場合でも4800円から4830円までの水準は厚めの抵抗に。4710円付近をメドとする下落基調はまだゆっくりと継続中。
※参考:金プラチナ国内価格6/3とチャート
- 2015年6月3日(水)時点の相場
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国内金 : 5,101 円 6/3(水) +-0(0.00%) 国内プラチナ : 4,784 円 6/3(水) ▲25(0.53%) NY金 : 1,194.4 ドル 6/2(火) ▲5.7(0.48%) NYプラチナ : 1,112.8 ドル 6/2(火) ▲8.6(0.78%) ドル円 : 124.09 円 6/2(火) ▼0.68(0.54%)
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