金プラチナ短期相場観

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見方分かれる雇用統計、賃金上昇の兆しでインフレ押し上げも

更新日:2015年9月5日(土)

米・賃金上昇率 2015年8月強弱入り交じる内容で見方も分かれる内容となった8月の米雇用統計。フィッシャーFRB副議長他、複数のFRB要人が言及していたインフレ上昇への確信を裏付けるように、賃金上昇率は上向きの兆しも見られ、インフレ押し上げへの好材料となりつつあるようです。

平均時給の前月比では0.32%上昇となり、今年1月以来7カ月ぶりの高水準。より重視される前年同月比では2.20%の上昇。7月の2.21%からはほぼ変わらず、5月の2.25%にも及びませんが、6カ月連続で2%台を維持し、6カ月平均では今年2月時点の2.03%から6カ月連続上昇で2.17%に達しています。
長期的に見れは2%台前半での推移が続き、2009年以前の3%前後には遠く及びませんが、2%前後の水準に切り下がった2010年以降の推移では、2%を割り込む頻度はかなり減少し、足下ではゆるやかに上昇傾向を示しています。・・・○

その他主な指標では、非農業部門雇用者数は前月比17.3万人増と予想の22万人を大きく下回りましたが、過去2カ月分の上方修正により今年の年間平均では前月時点での+21.1万人から+21.2万人へと微増。・・・○or△
失業率5.1%は2008年3月以来7年5カ月ぶりの低水準となり、6月FOMCでの2015年末見通し中央値5.2-5.3%の水準を下回りました。・・・○
労働参加率の62.6%は相変わらずのりセッション後の最低水準。・・・×
長期失業者の割合27.7%は2カ月連続の増加(悪化)で3カ月ぶりの水準に後退。・・・×
U6失業率10.3%は3カ月連続の低下で2008年7月以来、7年1カ月ぶりの低水準に改善。・・・○

これで2週間後のFOMCで利上げの可能性は後退した、との見方と可能性は残った、と分かれますが、何もなければ後者優勢となりそうなところです。
しかし、CMEのFedウォッチでも、9月利上げの確率は1日時点の32.14%から、4日には18.86%まで低下しています。
決めてはやはり、株式市場の動向次第、ということになりそうです。

NY金・日足チャート 2015/8/6 - 9/44日のNY金相場は0.28%の小幅安で3日続落、半月ぶりの水準へ。株安円高の流れに対して1120ドル台半ばで動意なしの状態が続き、雇用統計には1131ドルまで急騰直後に1115ドルまで急反落。その後はゆっくりと値を戻す流れで終了、三角保ち合い下限を割り込んだ後、微妙に戻し切れずに時間切れとなった形で、下値トライへと向かう確率が高まる状況。円高ドル安の流れに伴い、1120ドル台半ば以上へと持ち直す可能性も十分に想定されるものの、短期的な流れは下向きつつあり、1120ドルを割り込むようなら下値トライ濃厚で1100ドル割れへ、目標水準は1090ドル台。
週間ベースでは-12.6ドル(1.11%)の小幅続落。

NYプラチナ・日足チャート 2015/8/6 - 9/4プラチナ相場は1.75%の大幅続落。株安の流れに連動するように軟調推移となると、雇用統計への乱高下の反応後にも軟調推移継続。やはり1000ドルの大台ラインでのサポート力はほとんどなく、1週間ぶりの990ドル付近へ。短期上昇トレンドも失速状態となり、軟調気味の金と不安定な株の動きに振り回される状態に。当面のサポートラインは970ドル台半ば。しばらくは1020ドル台の上限との間でのレンジ状態継続か。
週間ベースでは-29.3ドル(2.87%)で続落。

ドル円・日足チャート 2015/8/6 - 9/4ドル円は0.88%の続落で8月25日以来のドル安円高水準へ。株安の流れに伴うコンスタントな円高基調は東京時間から継続。雇用統計前には既に前日から1円の円高となる119円前後の水準へ。強弱の見方が分かれる結果となった雇用統計に118円50銭台から119円60銭台までの乱高下をはさんだ後は、元の軟調推移に。119円台前半のサポートラインを割り込んだことで円高基調は継続見込み。日米欧の株価と同様に2番底をつけに行く流れとなり、当面の目標水準は117円80銭台前後へ。
週間ベースでは-2.34円(1.93%)の大幅安となり、3週続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/4終値とチャート

2015年9月5日(土)時点の相場
国内金4,653 円 9/4(金) ▼49(1.04%)
国内プラチナ4,171 円 9/4(金) ▼41(0.97%)
NY金1,121.4 ドル 9/4(金) ▼3.1(0.28%)
NYプラチナ992.4 ドル 9/4(金) ▼17.7(1.75%)
ドル円119.00 円 9/4(金) ▼1.06(0.88%)

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