金プラチナ短期相場観

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足並み乱れるFRBコンセンサス、指標低迷で市場コンセンサスは後ずれ

更新日:2015年10月15日(木)

年内利上げ予想を支持するのは、イエレン議長にフィッシャー副議長、NY連銀ダドリー総裁のFRB中核メンバーに加え、アトランタ連銀ロックハート総裁。9月FOMCで据え置きに唯一反対したリッチモンド連銀ラッカー総裁も、低調な小売売上の結果を受けても基本的な見通しは変わらないと強気姿勢を維持。
片や、年内利上げを支持しないことを表明したタルーロ理事、様子見姿勢を支持するブレイナード理事に2016年半ばを支持するシカゴ連銀エバンズ総裁。投票権のないメンバーでは利下げを主張するミネアポリス連銀コチャラコタ総裁など、FOMCメンバーの見方は真っ向対立、というより十人十色。FRB理事のなかでも統一されないコンセンサスは各地区連銀総裁を含めると、もはや混乱要因に。

それならと、唯一コンセンサスがとれている「経済指標次第」に注視すると、頼みの綱だった労働市場に減速感が見られる状況から、14日には9月小売売上高が下振れ。8月分も下方修正され、自動車を除いた数値も2カ月連続での前月比マイナス圏と低調ぶり。米国GDPの7割を占めるとも言われる消費にも黄色信号が。同時に発表された9月の卸売物価指数(PPI)も前月比-0.5%と8カ月ぶりの大幅低下。原油安の影響は続き、前年比でも-1.1%と下振れ、低迷状態。コア指数の前年比でも+1.2%予想に対して+0.8%と低迷。ネックとなっているインフレ動向の低迷状態はより深刻に。

さらに、消費減速を後押しするように、小売最大手ウォルマートの売上見通し下方修正、ウォルマート株は10%の急落に。
加えて8月中旬から10月初旬の地区連銀経済報告(ベージュブック)では、製造業でのドル高の影響を指摘。低迷が続く製造業の景況指数(PMI)を裏付ける内容となり、ドル高の影響が製造業にとっての逆風であることを強調する形に。

マイナス材料続出により金融市場にも逆風が吹き荒れる形となり、アトランタ連銀のGDPNowでは第3四半期GDP予想が1.0を割り込み0.9へ。CMEのFedWatcによる年内利上げ予想も32.6%と低迷。
市場コンセンサスは着実に利上げ時期の後ずれ、年内見送りを織り込み始めています。

株安ドル安の流れを受けて、ドル円相場にも逆風が吹き始めた様子です。今後、日銀への風当たりも強まりそうです。

NY金・日足チャート 2015/9/15 - 10/1414日のNY金相場は1.24%の大幅高で4日続伸。6月22日以来ほぼ4カ月ぶりの水準を回復し、短期上値目標1180ドル台にもしっかり到達。米小売売上高やPPI下振れで消費・物価ともに低調となり、年内利上げ観測は一段と後退し、株安ドル安の進行とともに堅調推移。引け後のベージュブックでのドル高影響懸念の言及で1180ドル台へと一段高。なお、21日移動平均線が90日移動平均線をゴールデンクロスしたことで1月20日以来9カ月ぶりの上向きパーフェクトオーダーが完成、中期的な堅調地合いがいっそう強まった形。しかし、9カ月前もパーフェクトオーダー完成が短期上昇トレンドのピークとなり、その後下落トレンドへと転換。

NYプラチナ・日足チャート 2015/9/15 - 10/14NYプラチナは0.28%の小幅反発。金に連れ高の展開もパワー不足。これまでの急反発局面でエネルギー切れ。1000ドルの大台ラインと90日移動平均線が抵抗水準としての存在感を増す状況。9日移動平均線が21日移動平均線をようやくゴールデンクロスし、上昇トレンドのサポートへ。

ドル円・日足チャート 2015/9/15 - 10/14為替はドル安進行。ドル円は0.76%の円高ドル安で3日続落となり、8月25日以来の円高水準に。サポート水準だった119円70銭から50銭近辺までの水準での揉み合い状態から、米9月の小売売上高の低迷を受けて119円20銭台へと急落。株安や10年債利回り低下に連れての軟調推移のなか、ベージュブックを経て119円割れへ。保ち合い下方ブレイクでドル安円高方向への短期目標水準は117円台前半。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/14終値とチャート

15日の国内金価格は0.92%の大幅高となって3日続伸、8月24日以来の高値水準へ。円高分を補うNY金の大幅高にサポートされて短期上値目標4850円近辺に到達。3カ月半ぶりに上抜けたばかりの90日移動平均線はまだ下落基調にあり、円高リスクも高まる状況から、一本調子での上昇基調は望み薄か。

プラチナ価格は0.32%の小幅反発。4100円の節目トライに円高圧力が重くのしかかり始めた様子も。NYプラチナも失速状態にあり、もう一段の調整フェーズも見込まれるところ。現状、8月高値からの下落幅に対する半値戻しの水準にあり、ここから38.2%ラインに相当する4000円近辺まではサポートされやすい水準。
※参考:金プラチナ国内価格10/15とチャート

2015年10月15日(木)時点の相場
国内金4,845 円 10/15(木) ▲44(0.92%)
国内プラチナ4,084 円 10/15(木) ▲13(0.32%)
NY金1,179.8 ドル 10/14(水) ▲14.4(1.24%)
NYプラチナ995.4 ドル 10/14(水) ▲2.8(0.28%)
ドル円118.83 円 10/14(水) ▼0.91(0.76%)

10/14(水)のその他主要マーケット指標

CPI上昇もドル高懸念の製造業景況指数は低迷続く 10/16(金)

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相変わらず方向感定まらないFRBとドル円 10/13(火)

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