金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

PCEを牽引するCPIはやや失速、PCE2%到達の条件

更新日:2016年5月18日(水)

米・コアCPIとコアPCEの推移 2016年4月米労働省が発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前月比では+0.4%となり、市場予想の+0.3%を上回り、2013年2月以来3年2カ月ぶりの高水準となりました。前年同月比でも予想どおりの+1.1%となり、3月の+0.9%から伸び率を拡大し、2月の+1.0%も上回り、3月の+1.4%に次ぐ水準となりました。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比で+2.1%。これも事前予想どおりながら、3月の+2.2%からは低下。2012年5月以来3年9カ月ぶりの高水準となった今年2月の+2.3%をピークに2カ月連続の低下でやや失速状態となっています。

FRBが物価目標とする個人消費関連の物価指数、PCEと合わせて推移を比較すると、コアCPIが先行し、コアPCEが追随する傾向があります。(※いずれも前年比)
前回、コアPCEが目標とする+2.0%に達していたのは2011年12月から2012年4月までの5カ月間。この間のコアCPIは+2.2%から+2.3%で推移していました。厳密には2011年11月に2.2%に到達し、2012年6月までの8カ月間2.2%以上を維持していました。

それから低インフレの時期を経て、再び目標水準に向けてインフレ上昇傾向が進み、先行するコアCPIは今年1月に2.2%に到達し、2月に2.3%、3月は2.2%と3カ月間2.2%以上を維持しましたが、4月にはこの2.2%を割り込んでしまいました。
しかも、最近は個人消費が以前に比べて低調なせいか、CPIとPCEの乖離幅が拡大した状態が続いています。

コアPCEが目標の2%に到達するか、そうなる確証を得るためには、コアCPIが再び2.2%以上へと上昇し、さらに2.5%から2.6%程度まで上昇し、数カ月間その水準を維持することが必要となりそうです。

NY金・日足チャート 2016/4/18 - 5/1717日のNY金相場は0.21%の小幅高で3日続伸。米4月の消費者物価指数(CPI)、住宅着工件数、鉱工業生産などいずれも予想を上回る好結果。利上げ観測を警戒して株価が下落したのに対し、金の売りは限定的、むしろ底堅く推移。株価の下落やドル買いが進行しなかったこと、SPDRゴールド・シェアの金ETF残高が855.89トンへと増加が止まらないように、金買い圧力自体が衰えないことも下支え要因に。足下では調整もそれほど進まず、フラッグ形状の保ち合いを形成しつつある状況に。1260ドルから1300ドルまでのレンジ内での値動きがもうしばらく継続し、いずれ上下どちらかへのブレイクでやや大きめの変動へ、という展開か。

NYプラチナ・日足チャート 2016/4/18 - 5/17NYプラチナ相場も0.09%の小幅続伸。やはり調整的な流れがそれほど強まることはなく、保ち合い状態が継続。同一水準で十字線に近い足型が3日続き、方向感が見出だせない状況。1040-1070ドルが当面の主要レンジとなり、上方向に抜け出せば1100ドル台へ、下方向なら1010ドル前後までが次の変動目安に。

ドル円・日足チャート 2016/4/18 - 5/17ドル円は0.11%の小幅続伸。東京市場終盤から株高・円安の流れが強まると109円60銭台まで上昇。しかし、4月末からの急落幅の61.8%戻しとなる109円台半ばが抵抗水準となった形。米4月CPIの好結果などに瞬間的には上振れも格好の戻り売りタイミングとなって再び109円付近まで押し戻される展開に。アトランタ連銀ロックハート総裁やサンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁の6月利上げへの言及もそれほど材料視されず、今朝も日本の1-3月期GDP速報値上振れにも瞬間的に円安に振れた後にはドル売り円買い圧力が強まり、109円割れへ。108円台半ばから109円台前半までの保ち合い状態から抜け出せない状況はもうしばらく継続か。上抜けなら110円後半、下抜けなら106円半ばへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/17終値とチャート

18日の国内金価格は0.13%の小幅高で3日続伸。NY金の調整局面が進行せず、円安サポート力も強まらない微妙なバランス状態に国内金価格はゆるやかな上昇基調を維持。昇順に並ぶ3本の移動平均線も上向きを維持するパーフェクトオーダーの堅調推移状態で目標水準4830円台を目指す展開。しかし、勢いに欠ける状態も続き、均衡状態が続くバランスが一度崩れると大きな巻戻しが発生することにも。

プラチナ価格は0.2%の小反落。バランス状態で高値圏維持も失速状態で調整局面入り寸前か、という状況に。しかしNYプラチナが上方ブレイクなら連れ高となって4000円の大台超えへ、無秩序に近い円高リスク再燃なら大幅調整局面入りで3800円台前半へ。ただし、目先は小康状態継続か。
※参考:金プラチナ国内価格5/18とチャート

2016年5月18日(水)時点の相場
国内金4,794 円 5/18(水) ▲6(0.13%)
国内プラチナ3,926 円 5/18(水) ▼8(0.20%)
NY金1,276.9 ドル 5/17(火) ▲2.7(0.21%)
NYプラチナ1,054.5 ドル 5/17(火) ▲1.0(0.09%)
ドル円109.14 円 5/17(火) ▲0.12(0.11%)

5/17(火)のその他主要マーケット指標

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PCEを牽引するCPIはやや失速、PCE2%到達の条件 5/18(水)

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