金プラチナ短期相場観

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米10月雇用統計、賃金上昇率は7年ぶり、U6失業率は8年ぶりの水準

更新日:2016年11月5日(土)

米・平均時給と賃金上昇率 2016年10月米10月の雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)の増加数は市場予想を下回り、9月の数値も下回りました。しかし、過去2カ月の数値は合計4.4万人上方修正されています。3カ月平均では+17.6万人となり、9月の+20.6万人から低下、6月(14.6)以来4カ月ぶりの低水準へと鈍化しましたが、今年の年間平均では前月時点の+17.8万人から+18.1万人へと増加しました。
NFPの伸びとしては、インパクトこそないものの概ねボーダーライン、といったところ。
失業率は前月の5.0%から4.9%に低下。5月には4.7%まで低下しましたが、今年は概ね4.9%付近での横ばい推移。2008年以来8年ぶりの低水準での安定推移が続く状態です。

賃金上昇率は前月比+0.39%となり、今年1月(+0.48%)以来9カ月ぶりの高水準、前年比では+2.82%となり、2009年6月(2.88%)以来、7年4カ月ぶりの高水準となりました。アトランタ連銀の賃金上昇トラッカーの上昇基調に追随するように、賃金上昇率は加速し始めた様子です。

労働参加率は半年ぶり高水準となっていた9月の62.9%から62.8%へと低下、長期失業者の割り合いも7年半ぶりの高水準となっていた9月の24.9%からは25.2%へと後退。
広義の失業率、U6失業率は9.5%へと前月から0.2%の低下。2008年4月(9.2)以来8年6カ月ぶりの低水準へと改善した状況です。回復目安となる2007年12月の8.8%までもう一息。

概ね好結果と言える10月の雇用統計に関し、アトランタ連銀ロックハート総裁も「10月雇用統計はかなり申し分がない」との見解を示しました。また、ダラス連銀のカプラン総裁も「利上げの根拠は強まっている」との見解。

12月利上げに向けては好材料となり、とりわけ賃金上昇率加速の兆しは、今後のインフレ見通し、そして来年の利上げ見通しへの支援材料となりそうです。
今回の好材料は、次週の重要イベントを無事通過できた場合に限り、その後、徐々に市場に織り込まれて行くことになるものと思われます。

NY金・日足チャート 2016/10/6 - 11/44日のNY金相場は前日比わずかに1.2ドル、0.09%の小反発。雇用統計発表直後には1295ドル付近から1308ドル付近までの乱高下。比較的好結果と言える内容にも米大統領選前の不透明感が続く状況下では下値も堅く、1300ドル台前半での保ち合いに終始。短期トレンドは上向き状態継続で1300ドルラインが徐々に堅くなりつつある様子、と同時に1310ドルの抵抗水準もしっかり。目先、上限突破なら1320ドル台後半が上値目安となり、極端な流れに発展するような事態が起きれば1340ドル台辺りまでの急騰も。無事にイベント通過なら急反落で1280ドル台か、それ以下も。
週間ベースでは+27.7ドル(2.17%)となり、4週続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2016/10/6 - 11/4NYプラチナ相場は1.02%の反発で10月3日(1009.1)以来、1カ月ぶりの高値水準に。雇用統計直後に990ドル台半ばから1006ドル台まで急騰し、主要レンジを1000ドル台へと切り上げようかという動き。大台ラインをしっかり超えたことでもう一段の上値トライへの可能性も浮上、目先の上値目安としては1020ドル前後。極端な流れとなった場合には、9月後半高値で10月までの下落幅の半値戻しとなる1060ドル台も視野に。ただし、相変わらずの不安定さも残り、時間外では1000ドル割れの兆し。下方向には990ドルが目先のサポート水準となり、下抜けると970ドル前後まで。
週間ベースでは+23.1ドル(2.35%)の続伸。

ドル円・日足チャート 2016/10/6 - 11/4ドル円は0.07%のドル高円安となって4日ぶりの小反発。雇用統計には103円割れ水準から103円30銭付近まで急騰の反応も一時的、1時間後には102円80銭台まで反落し、結局103円をはさんで上下わずか50銭強の小幅揉み合い状態に終始。重要イベントを控えての様子見状態が続く状況も、短期トレンドは円高方向継続で当面の下値目安は101円近辺まで。
週間ベースでは-1.70円(1.62%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/4終値とチャート

2016年11月5日(土)時点の相場
国内金4,624 円 11/4(金) ▲14(0.30%)
国内プラチナ3,554 円 11/4(金) +-0(0.00%)
NY金1,304.5 ドル 11/4(金) ▲1.2(0.09%)
NYプラチナ1,004.5 ドル 11/4(金) ▲10.1(1.02%)
ドル円103.06 円 11/4(金) ▲0.08(0.07%)

11/4(金)のその他主要マーケット指標

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米10月雇用統計、賃金上昇率は7年ぶり、U6失業率は8年ぶりの水準 11/5(土)

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