金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

住宅着工件数は34年ぶり、失業保険申請件数は43年ぶり

更新日:2016年11月18日(金)

米住宅着工件数と許可件数 2016年10月米商務省が17日発表した10月の住宅着工件数は132.3万件となり、市場予想の115.6万件を大幅に上回り、2007年8月(133.0)以来9年2カ月ぶりの高水準となりました。1年半ぶりの水準へと急低下していた9月の105.4万件からも大幅増で、前月比+25.52%。1982年7月(+29.27%)以来、34年3カ月ぶりの急増です。
先行指標となる許可件数も9月の122.5万件から10月は122.9万件へと増加しており、先月時点で懸念されていた2015年6月の133.4万件をピークとした頭打ち状態解消への可能性も示した状況です。

同時刻に発表された12日までの週の週間新規失業保険申請件数も、1973年11月24日までの週(23.3万人)以来43年ぶりの低水準となる23.5万件へと急減。
11日がベテランズデーの祝日だったことによる影響を差し引く必要はありそうですが、12日を含む週は雇用統計の調査対象週でもあり、11月雇用統計への好影響も予想されます。

さらに、10月の消費者物価指数(CPI)も発表されており、コアCPIは前年比+2.1%と6カ月ぶりの水準へと鈍化したものの、CPIは前年比+1.6%へと上昇し、2014年10月(+1.7%)以来2年ぶりの高水準となっています。

雇用指標の好調持続と住宅市場も好調、さらにはインフレ加速の兆しも見られ、米国経済の回復基調も一段と加速しそうな状況となってきました。
トランプ相場とともに、ドル高材料となってこの日のドルインデックスは一時100.60ポイント台まで上昇し、こちらも2003年4月以来、13年7カ月ぶりの高水準。

金利上昇とともにドル高懸念が、この状況にブレーキをかける状態が、いずれ訪れることになりそうです。

NY金・日足チャート 2016/10/19 - 11/1717日のNY金相場は0.57%の続落。この日も高値は時間外での1231ドル、4日連続同水準で上値を押さえられ、米住宅・雇用指標の好結果に1220ドル前半へ、イエレンFRB議長の12月利上げ示唆発言後には一時1210ドルまで下落。その後は僅かに値を戻す展開となり、短期的には14日安値1211ドルと合わせてダブルボトム形成への可能性も示し、ネックライン1230ドルを超えると1250ドル程度までの反発、というシナリオも一応想定可能。しかし、株高・債券安・金利上昇のドル高地合いは続き、2月以降のサポート水準1210ドル割れをかけた攻防も継続。ここを抜けると1170ドル付近が意識される。

NYプラチナ・日足チャート 2016/10/19 - 11/17NYプラチナ相場は3日ぶりの反落で0.15%の小幅安。しかし、今朝の時間外にかけては金の軟調推移に遅れて追随、またも930ドルの重要なサポートライン割れを試すような展開に。一時的には何度か下抜けても、その都度反発を繰り返してきたこの強めのサポートラインを完全に割れた場合、控えめに見て910ドル程度、もしくは今年安値から高値までの76.4%戻しとなる903ドル近辺まで。さらには、確率は低めながらも11月高値からの急落局面をN計算値に当てはめると870ドル近辺も。

ドル円・日足チャート 2016/10/19 - 11/17ドル円は1円超の反発で5月31日(110.71)以来の110円台。東京市場での108円50銭台までの調整は日銀の指値オペで日米金利差拡大への思惑から反発、欧州市場での108円80銭台までの調整後には米経済指標の上振れで反発し、イエレン議長発言でさらに加速。調整反落の気配もあった米株も持ち直し、減速気味ながらも上昇基調が続く米10年債利回りと2月以来9カ月ぶりのプラス圏へと上昇していた日本10年債利回りとの差も再拡大、急反落への警戒感も高まるトランプ相場を支援する材料も後を絶たず、押し目待ちに押し目なしの状態が継続。5月末高値111円40銭台、2015年高値からの下落幅の半値戻しとなる112円台前半までも視野に入ってきた様子。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/17終値とチャート

18日の国内金価格は前日から変わらず。90日までの移動平均線は50円程のレンジ内に収束、RSIは50%近辺で横ばい傾向となり、方向感のない状態が継続。と同時にもうしばらくこの状態が続けば、変動率急拡大局面は否が応でも訪れることに。トランプ相場の急失速、90%超織り込み済みの12月利上げを否定するような米指標結果、さらには不測の事態などきっかけはいくらでもあり、その時は突然。
週間ベースでは-37円(0.8%)となり、5週間ぶりの反落。

プラチナ価格は0.59%の続落。NYプラチナの失速傾向の動きが反映され、わずかに上向き優勢の流れもほぼ失速状態へ。3550円台が目先の抵抗線となり、突破できれば11月高値付近、3600円台前半に向けての再トライの可能性。3490円のサポートライン割れの場合には3430円近辺までの下落も。
週間では-79円(2.19%)、4週間ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/18とチャート

2016年11月18日(金)時点の相場
国内金4,597 円 11/18(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ3,531 円 11/18(金) ▼21(0.59%)
NY金1,216.9 ドル 11/17(木) ▼7.0(0.57%)
NYプラチナ945.1 ドル 11/17(木) ▼1.4(0.15%)
ドル円110.15 円 11/17(木) ▲1.08(0.99%)

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