金プラチナ短期相場観

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住宅着工件数下振れも許可件数増加で一安心、は本当か?

更新日:2016年10月20日(木)

米住宅着工件数と許可件数 2016年9月米商務省が19日発表した9月の住宅着工件数は104.7万件となり、市場予想の117.5万件程度を大きく下回り、2015年3月(96.4万件)以来1年半ぶりの水準へと急低下しました。
2015年6月と2016年2月の121.3万件、そして7月の121.8万件が近年のピークとなり、高水準での保ち合い状態下限となる110万件前後を下抜け、2011年以降続いてきた増加基調にも変化が見られようとしています。

しかし、先行指標となる住宅着工許可件数は8月の115.2万件から9月は122.5万件と急増し、2015年11月(128.6)以来10カ月ぶりの高水準となっています。
許可件数が増加したことにより、着工件数の大幅減少は一時的であり、問題なし、との見方もあるようですが、過去の推移などを見る限り、一概にそうとも言い切れない状況とも言えそうです。

許可件数も2011年以降、順調に増加基調が続きましたが、急騰した2015年6月の133.4万件がピークとなり、次のピークは2015年11月の128.6万件、そして今回9月の122.5万件が3回めの、右肩下がりのピークとなる可能性も残されます。

景気動向に敏感とされる住宅着工件数は、先行指標である許可件数とともに、低金利と景気回復を背景に順調にその数値を伸ばしてきた状態から、足元ではピーク水準に達しての失速状態に陥り始めた可能性もありそうです。
住宅販売件数でも、新築も中古も8月時点では頭打ちの状態となっていました。
好調が続き、過熱感も高まり始めている米住宅市場の動向も、今後数カ月の状況次第では、流れが大きく変わる可能性も否定できません。

NY金・日足チャート 2016/9/20 - 10/1919日のNY金相場は0.55%上昇。1カ月ぶりの3日続伸で4日の急落以降の半月間での最高値水準となり、7営業日ぶりに200日移動平均線も上抜け。ドル買い失速の流れに伴い、NY原油も2015年7月14日以来1年3カ月ぶり高値水準となる51.60ドルまで上昇するなど相対的な商品高。保ち合い上方ブレイクにより水準を切り上げた金は一時1270ドル台半ばまで上昇。ただし勢いはそれほど強くもなく、短期的な上値目安は1280ドル台程度まで。

NYプラチナ・日足チャート 2016/9/20 - 10/19NYプラチナ相場は0.32%の小幅反落。2日連続950ドル台前半で上値を押さえられ、金の上昇にも追随し切れず、前日の大幅上昇からの反動安となった形で安値圏からの反発の流れも続かず。金との価格差は6月28日(339)以来3カ月半ぶりの水準となる326.4ドルまで拡大。目先は930ドルを下限に950ドル台近辺までのレンジで保ち合い形成の動きに。

ドル円・日足チャート 2016/9/20 - 10/19ドル円は前日から0.41%のドル安円高となって3日続落、10月7日(102.96)以来のドル安円高水準に。特段の買い材料もなかったことから失速状態が続き、NY市場では一時103円10銭台まで下落。NY終値時点では保ち合い下限となる103円台半ばを下抜けた形となり、ドル安円高の流れが加速しやすい状況に。当面の下値目安としては102円前後。ただし、今朝の東京市場では日経平均の上昇に連動する形で103円台後半へと反発しており、保ち合い下抜けは一時的だった可能性も。大統領選3回目のテレビ討論会もスタートしており、波乱の展開も警戒することに。104円台前半の保ち合い上限突破の場合には流れが逆転し、106円台前半を目指すような展開となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/19終値とチャート

20日の国内金価格は0.18%の小幅続伸となり、10月6日(4530)以来2週間ぶりの水準を回復。スローペースながらも、安値圏での保ち合い上抜けに伴う短期上昇局面が進み始めた模様。目安として4600円付近まで水準を切り上げる可能性はあり、それを支えるのはNY金の反発局面か、円高リスク再燃の兆しもあるドル円の下げ渋り状態か。いずれにしても強めのトレンドが発生してい状態でもなく、月末に向けて足場固めの状況が続く可能性も。

プラチナ価格は0.32%の小反落。一方的な下落トレンドは収束した状態も、反発への流れの起点となりうる3400円のラインが抵抗水準化しつつあり、3350円台までの小幅レンジでの揉み合い状態継続の様相に。上下どちらへもブレイクの可能性はあり、抜け出した方向へ50円前後の変動も見込まれる状況での保ち合い継続へ。
※参考:金プラチナ国内価格10/20とチャート

2016年10月20日(木)時点の相場
国内金4,526 円 10/20(木) ▲8(0.18%)
国内プラチナ3,381 円 10/20(木) ▼11(0.32%)
NY金1,269.9 ドル 10/19(水) ▲7.0(0.55%)
NYプラチナ943.5 ドル 10/19(水) ▼3.0(0.32%)
ドル円103.44 円 10/19(水) ▼0.43(0.41%)

10/19(水)のその他主要マーケット指標

米製造業復活を牽引するフィラデルフィア連銀製造業景況指数 10/21(金)

住宅着工件数下振れも許可件数増加で一安心、は本当か? 10/20(木)

コアPCEを牽引しきれないコアCPI、インフレの高圧経済続かず 10/19(水)

低迷期を脱しきれないNY連銀製造業景況指数 10/18(火)

国内プラチナ価格は2番底、金との価格差は三尊天井 10/17(月)


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