金プラチナ短期相場観

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主要国の製造業PMIの推移で振り返る2016年

更新日:2016年12月2日(金)

世界の主要国製造業PMI 2016年推移2016年は、中国の人民元安に株安などを発端に、サウジアラビアのイランとの国交断絶など地政学的リスクなども重なり、世界同時株安のリスクオフでスタートしました。
この1月時点での各国の製造業PMIは、英国(52.9)、米国(52.4)、ユーロ圏(52.3)、日本(52.3)など主要先進国は好不況の分岐点50を上回り、好調を維持してのスタート。これに対してロシア(49.8)、中国(48.4)、ブラジル(47.4)と主要新興国は節目の50割れで景気減速状態でのスタート。

年前半は世界的にも景気減速傾向となり、株安円高の流れも加速して金は上昇。5月には五輪を前に景気後退が続くブラジルは世界金融危機時以来7年ぶり低水準41.6まで低下。これに次いで低迷が顕著だったのは日本、3年ぶり低水準となる47.7まで低下。いずれもこれが今年のボトムとなっています。この時期に比較的堅調を維持していたのはユーロ圏(51.5)と米国(50.7)、英国(50.4)。

6月の英EU離脱ショックによる先行き不透明感から7月に急速に景気が悪化した英国は3年ぶり低水準となる48.3へと急落。この時に好調を維持していたのは米国(52.9)、ユーロ圏(52.0)、中国も1年5カ月ぶりの50超となる50.6まで回復。日本は49.3と減速局面が続きました。

9月には英国はEU離脱ショックによる後退局面を抜け出し、ポンド安による追い風もあり55.4まで急加速。米国は大統領選前の不透明感もあり、51.5まで低下。日本は50.4へと9カ月ぶりに減速状態から脱出。この頃、ロシアも原油安による低迷期を抜け出し始め2カ月連続の50超となる51.1まで上昇。

11月には、ブラジル(46.2)が景気後退局面から抜け出せず46付近での横ばい推移が続いている以外は、全ての国が50を超える景気拡大傾向に。
中国(50.9)と日本(51.3)はゆるやかに好調を維持する状態。英EU離脱の影響を感じさせないほどに好調を維持する英国(53.4)、ユーロ圏(53.7)の間に割って入ったのはロシア(53.6)で5年ぶり高水準。OPEC総会での減産合意を見越していたかのような堅調推移が続いています。
そして頭一つ抜け出したのが米国(54.1)。トランプ次期政権への期待値がそのままPMIにも反映された形で13カ月ぶりの高水準。

年初よりも上昇したのは米、英、ユーロ圏、ロシア、中国。年初のレベルに達していないのは日本とブラジル。全体的にはゆるやかに上向き基調となってはいるようですが、年初と比較するとややバラツキも見られる状況となってきました。
そのなかで、世界経済を牽引する米国の製造業は年末になってようやく本領発揮?し始めた様子です。

NY金・日足チャート 2016/11/1 - 12/11日のNY金相場は0.33%安となって3日続落。終値でも安値でも2月5日以来、10カ月ぶりの安値水準。米11月ISM製造業景況指数が予想上振れで5カ月ぶりの高水準となったタイミングでは1160ドルまで下落し、下値目安1160ドルちょうどに到達。コンスタントに下値を切り下げる下落トレンドが継続中であることには変わりないものの、短期目標水準到達、RSIの逆行、ドル高失速の気配など、下げ止まりを示唆する材料も。米雇用統計も近年稀に見る注目度の低さとなり、目先は1190ドルの抵抗水準までの間でいったん保ち合い形成の動きも。

NYプラチナ・日足チャート 2016/11/1 - 12/1NYプラチナ相場は0.15%の小幅高となり、3日ぶりの反発。NY市場では一時900ドルをわずかに割れる場面もあり、890ドル近辺までの下落余地にはやや物足りない水準ながら、これを消化したことにして反発基調へ。今朝の時間外では910ドル台後半での推移となり、900ドルから920ドル半ばまでを主要レンジとする保ち合い推移へと既に移行し始めた可能性も。目先は再度890ドル程度までの下振れは入りやすく、上限付近はまだ堅めながらも突破できれば950ドル付近が目標水準に。

ドル円・日足チャート 2016/11/2 - 12/1ドル円は0.32%のドル安円高となって3日ぶりの小幅調整。前日の大幅上昇の勢いで東京市場朝につけた高値114円80銭台が抵抗水準となり、113円80銭台までの調整を経ての押し目買いでの上値再トライでも114円70銭台まで。目標水準114円台前半を達成済であること、金利上昇にも追随し切れずに失速したこと、ユーロドルは下げ渋りからの保ち合いを経てドル安ユーロ高方向へと動き出しの兆しも見られることなどから、ドル円も調整局面継続の可能性も。111円台後半までは比較的下げやすい水準か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/1終値とチャート

2日の国内金価格は0.35%の小幅反落。中期的には上値を切り下げる下落基調が続き、足下では90日移動平均線がその上値抵抗線となってきた状態。短期的には4580円台から4630円までの保ち合い状態を維持しながらも下値警戒感がわずかに上回るような状況に。上下双方向への大幅変動への可能性を抱きながらの保ち合い状態はもうしばし継続か。
週間ベースでは-28円(0.61%)で小幅反落。

プラチナ価格は0.17%の小幅続伸。短期保ち合い上限となりつつあった3600円ラインをわずかに上抜け、緩やかな上昇トレンド継続へと再び動き出しの兆し。当面の上値目標は11月高値4640円近辺。これを達成すると中期的な下落トレンドの流れが変わり始める可能性も。9-21日移動平均線の3570円台がサポートラインとなり、下抜けると流れが逆流しかねない分岐点となる節目は3550円。
週間ベースでは+17円(0.47%)で小幅続伸。
※参考:金プラチナ国内価格12/2とチャート

2016年12月2日(金)時点の相場
国内金4,599 円 12/2(金) ▼16(0.35%)
国内プラチナ3,604 円 12/2(金) ▲6(0.17%)
NY金1,166.9 ドル 12/1(木) ▼3.9(0.33%)
NYプラチナ911.3 ドル 12/1(木) ▲1.4(0.15%)
ドル円114.07 円 12/1(木) ▼0.39(0.34%)

12/1(木)のその他主要マーケット指標

米11月雇用統計、予想外の賃金低下でトランプ相場にブレーキ 12/3(土)

主要国の製造業PMIの推移で振り返る2016年 12/2(金)

OPEC減産合意でPCEも好調、インフレ加速期待でトランプ相場再開 12/1(木)

2016年、中国のプラチナ宝飾品需要は3年連続大幅減 11/30(水)

OPEC総会を前にダラス連銀製造業活動指数も2年ぶりプラス圏へ 11/29(火)


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