金プラチナ短期相場観

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OPEC総会を前にダラス連銀製造業活動指数も2年ぶりプラス圏へ

更新日:2016年11月29日(火)

地区連銀製造業PMIとISM製造業景況指数 2016年11月OPEC総会を30日に控え、減産合意を織り込む形で市場は楽観視。原油価格の上昇でインフレ支援への思惑も、ここまでのトランプラリーの支援材料の一つとなってきました。
同様に、米国内では石油製品などエネルギー産業の割合が高く、原油価格動向の影響を最も受けやすいダラス連銀管轄地区の景況感も大幅回復しています。
11月のダラス連銀製造業活動指数は+10.2。市場予想の+2.0を大きく上回り、2014年12月(+2.9)以来1年11カ月ぶりのプラス圏を回復し、2014年7月(+11.4)以来、2年4カ月ぶりの高水準。
新規受注は-1.4と3カ月連続のマイナス圏からの脱出にはもう一歩という状況ながら、雇用指数は+4.5で11カ月ぶりの高水準、今後の見通しは+31.6となって2011年1月以来、5年10カ月ぶりの高水準へと大幅上昇。今後に向けての期待値の高さがうかがえます。

その他主要地区連銀の製造業景況指数でも、11月はNY連銀が+1.5、フィラデルフィア連銀は+7.6、リッチモンド連銀は+4.0など全てプラス圏となり、回復基調も鮮明となっています。11月のISM製造業景況感指数もそれなりの好結果が見込めそうな状況です。
なお、主要4地区連銀のなかでもほぼ常に最低水準レベルでの推移が続いてきたダラス連銀製造業活動指数が、この11月には最高水準へと急騰しています。
他地区連銀の指数と比較しても、今回のダラス連銀の見通し指数の高さが際立っていることが影響しているようにも見えます。

OPEC総会では、8年ぶりの減産合意を目指しての事前協議も進行するなか、イラクとイランが難色を示してOPEC内部での対立も解消できず、不透明感も漂う状況とも伝えられています。
それなりの成果が示されない結果となった場合には、ダラス連銀の12月の景況感も見通しも、急反落することになりそうです。
その前に、楽観視し過ぎた市場のラリーが一段と、急速に巻き戻される展開も待ち受けます。

NY金・日足チャート 2016/10/27 - 11/28週明け28日のNY金相場は1.05%高となり3営業日ぶりの反発。時間外に1197ドルまで上昇したのがこの日の高値となり、NY市場朝にかけては1180ドル付近まで反落、引けにかけては再度1190ドル台へと小反発。金曜日に昨年12月安値から今年7月高値の61.8%戻し付近となる1170ドルまで下げたことによる達成感からの反発の流れでようやく下げ止まり感。ただし、上値は1200ドルの大台ラインを超えられず、目先は1170ドル台から1200ドルまでのレンジでいったんは落ち着きそうな状況に。トランプラリーの調整局面継続なら上値は1210ドル辺りまでの反発も、再加速なら下値は1160ドル程度まで下値切り下げの展開も。

NYプラチナ・日足チャート 2016/10/27 - 11/28NYプラチナ相場も1.65%の大幅高で3営業日ぶりの反発。下値目安890ドルまでもう一段の下げ余地を残した状態での大幅反発では、抵抗水準候補920ドルラインをしっかり上抜け。こちらも今年の上昇幅に対する76.4%戻しとなる903ドル付近まで下げたことによる達成感のほうが勝った形。900ドル割れへの可能性をわずかに残しながらも920ドル以上の水準を維持できれば、当面の抵抗水準950ドルまでの間でレンジ形成への動きも。

ドル円・日足チャート 2016/10/28 - 11/28ドル円は1.02%の大幅続落。金利低下に株安ドル安とトランプ相場の調整局面を形成、東京市場午前につけた111円30銭台が安値となり、この水準では押し目買いの勢いも強く、欧州時間には112円80銭付近まで反発。今朝にかけては再び112円割れ、重要イベントを控えてようやくそれなりの調整局面を形成した格好で、113円台前半が当面の抵抗水準となる可能性もあり、簡単に突破するようなら114円も超えてラリー再開へ。ドル安方向にはトランプラリー第1波の23.6%戻し110円90銭までは下げやすく、リスクオフでの調整拡大なら38.2%戻しとなる109円ちょうど付近まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/28終値とチャート

29日の国内金価格は0.28%の続落。4600円から4630円の小幅保ち合いを形成していた状態からわずかながら下方ブレイク。一時的にとどまってレンジ回帰への動きも想定されるものの、9-21日移動平均線をまとめてデッドクロスしており、地合いも軟調方向へ。ドル高円安の調整局面拡大、あるいは下げ渋りでNY金の反落、で両者のバランスが崩れた場合には国内金価格の下落局面が加速する可能性も想定される。最大では10月安値付近となる4480円近辺を目指すような流れへと発展する可能性も。

プラチナ価格は0.93%高となって3営業日ぶりの反発。NYプラチナの大幅反発を支えに堅調推移を維持。金とは対照的に右肩上がりの9-21日移動平均線にもサポートされ、短期上値目安3630円近辺トライに向けて息を吹き返した形。下値サポートラインを3550円に切り上げ、ここを下回ると再失速の展開で3500円割れも。
※参考:金プラチナ国内価格11/29とチャート

2016年11月29日(火)時点の相場
国内金4,597 円 11/29(火) ▼13(0.28%)
国内プラチナ3,583 円 11/29(火) ▲33(0.93%)
NY金1,190.8 ドル 11/28(月) ▲12.4(1.05%)
NYプラチナ923.3 ドル 11/28(月) ▲15.0(1.65%)
ドル円111.93 円 11/28(月) ▼1.15(1.02%)

11/28(月)のその他主要マーケット指標

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OPEC総会を前にダラス連銀製造業活動指数も2年ぶりプラス圏へ 11/29(火)

米10年債利回り2.35%でドル高失速、NY金は1170ドルで反発 11/28(月)

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世界金融危機以来の激動の年となってきた2016年為替市場 11/25(金)


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