金プラチナ短期相場観

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ISM非製造業も失速、雇用と価格で明暗分かれる製造業と非製造業

更新日:2017年4月6日(木)

ISM非製造と製造業の雇用・価格指数 2017年3月米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した3月のISM非製造業景況指数は55.2。2015年10月(58.3)以来1年4カ月ぶりの高水準となった2月の57.6から大幅に低下し、昨年10月(54.6)以来5カ月ぶりの水準へと減速しています。

先日のISM製造業景況指数でも2年4カ月ぶり高水準となった2月の57.7から3月は57.2へと小幅に低下していましたが、それを上回る失速状態を示した形です。なお、非製造業の景況指数が製造業の景況指数を上回る状態は2014年11月から2017年1月まで2年3カ月間続いていましたが、2月にほぼ同水準となり、3月に完全に逆転した格好となりました。

そのなかでも明暗が分かれたのが雇用指数と価格指数。
製造業の雇用指数は3月に58.9となり、2011年6月(61.3)以来5年9カ月ぶりの高水準、価格指数は70.5となって2011年5月(76.5)以来5年10カ月ぶりの高水準へと上昇していました。
しかし、非製造業では、3月の雇用指数は51.6と昨年8月(50.7)以来7カ月ぶりの水準へと低下し、価格指数も53.5と2カ月連続の低下でやはり昨年8月(51.8)以来7カ月ぶりの低水準となっています。

いずれも好不況の節目50を超える水準を維持しており、拡大傾向は続いているものの、製造業の雇用と価格はさらなる加速基調となり、非製造業では雇用と価格の失速傾向が総合指数の大幅低下につながったようです。

FRBのデュアル・マンデート、雇用の最大化と物価安定に向けて、雇用は既に完全雇用と言われ始める状態となるなかでもトランプ効果もまだ続き、製造業の雇用好調を下支え、その結果がADP雇用者数の3カ月連続のポジティブ・サプライズにつながっているのかもしれません。

ただし、物価安定に向けては、もう一段のインフレ上昇が必要となるなかで、GDPや雇用シェアでは圧倒的多数を占める非製造業の価格指数の失速傾向は、インフレ急騰リスクはそれほどない、ということを示しているようです。

NY金・日足チャート 2017/3/2 - 4/55日のNY金相場は0.79%安となって4日ぶりの反落。ADP雇用のポジティブ・サプライズを受けて1250ドル後半から1240ドル半ばへと急落、引け後のFOMC議事要旨では年内にもバランスシート縮小に向けた再投資政策見直しが示唆されたことでやや乱高下の反応、しかし株高への懸念も示されたことで株安、金利低下、ドル売りの流れが強まり、金は1250ドル台後半へ。結果的に下方向への行って来いとなって1240-60ドルのレンジ内推移が継続。保ち合い長期化に伴いブレイク後の変動幅も拡大傾向へ、11月7日以来5カ月ぶりとなる200日移動平均線超えとともに上方ブレイクできれば上値目標は1300ドル前後へ、下方ブレイクなら1200ドル近辺。

NYプラチナ・日足チャート 2017/3/2 - 4/5NYプラチナ相場は3日ぶりの反落で0.51%安。時間外には一時970ドル超えを試すもこれがピークとなって反落、下値は950ドル台半ばまでと限定的も引け後の反発局面でも960ドル台前半までとこれも限定的。水平状態の90日移動平均線を挟んで940ドル台から970ドルまでのレンジを縮小気味に保ち合い継続。上限ブレイクなら1000ドル超えへと向う可能性は高まり、下限ブレイクなら900ドル近辺までの下落も警戒される状況。

ドル円・日足チャート 2017/3/2 - 4/5ドル円は円安方向への行って来いとなって終値では前日からほぼ変わらずの110円後半。ADP雇用レポート後には111円手前から111円半ばまで急上昇も、FOMC議事要旨を経て111円割れへと急落。前日の下ヒゲ陰線の後、上ヒゲの長い十字線を形成し、今朝の東京市場では110円台前半へと一段安、保ち合いのなかでも今度は円高方向へと警戒感が高まる状況に。FOMC議事要旨はタカ派傾向と受け止められるものの、株安の流れや金利低下の流れとともに、北朝鮮対応動向を含む米中首脳会談への警戒感やバノン首席戦略官を国家安全保障会議メンバーから外すなど、相変わらずのトランプ政権の不安定感なども市場の不安感を増幅している様子も。110円10銭台の安値更新なら、まずは109円近辺までの一段安が警戒される。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/5終値とチャート

6日の国内金価格は0.25%の小幅安で3日ぶりの反落。4760円から4790円までの小幅保ち合いを上抜けては小反落を繰り返す形となり、上方向へのエネルギーを小出しに吐き出してしまうような状態に。かろうじて下値切り上げ傾向を維持し、上値目標4850円近辺への見通しも維持。ただしNY金が反落方向へと抜け出した場合には、国内価格の流れも反転する可能性が高まることに、4760円割れなら4700円割れへ。

プラチナ価格も0.38%の反落。NYプラチナの方向感が乏しく、為替はやや円高圧力が強まる状況から今年安値圏へと値を下げ、下値警戒感も高まらざるを得ない状況に。3660円割れなら目先は3610円台辺りまで、週末にかけてNYプラチナが下方向へと大きく動き出した場合には3600円割れも警戒される。
※参考:金プラチナ国内価格4/6とチャート

2017年4月6日(木)時点の相場
国内金4,785 円 4/6(木) ▼12(0.25%)
国内プラチナ3,662 円 4/6(木) ▼14(0.38%)
NY金1,248.5 ドル 4/5(水) ▼9.9(0.79%)
NYプラチナ959.6 ドル 4/5(水) ▼4.9(0.51%)
ドル円110.70 円 4/5(水) ▼0.04(0.03%)

4/5(水)のその他主要マーケット指標

米10年債利回り2.3%と金1260ドルはトランプ相場終焉デッドライン 4/7(金)

ISM非製造業も失速、雇用と価格で明暗分かれる製造業と非製造業 4/6(木)

米2月貿易収支は1年10カ月ぶりの大幅赤字から縮小 4/5(水)

3月製造業PMI、米国は失速、新興国は加速、回復基調が鮮明に 4/4(火)

政局不安で格下げ懸念高まる南アフリカ情勢がプラチナ価格の重石 4/3(月)


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