金プラチナ短期相場観

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米2月貿易収支は1年10カ月ぶりの大幅赤字から縮小

更新日:2017年4月5日(水)

米貿易収支・輸出入額 2017年2月米商務省が発表した2月の貿易収支は435.6億ドルの赤字。1月の赤字額が484.9億ドルから481.7億ドルへと修正されたことで前月比では9.6%の赤字額減少。結果的に1月の赤字額は前月比8.8%の増加で2015年3月(481.9億ドル)以来、1年10カ月ぶりの大幅赤字となり、2月には4カ月ぶりの水準へと減少。1月に急拡大した貿易赤字は、2月にはそれ以上の急縮小となっています。

輸入額が2014年12月(2412.1億ドル)以来2年1カ月ぶりの高水準となった1月の2406.9億ドルから2月には2364.3億ドルへと1.8%減少したのに対し、輸出額は1月の1925.1億ドルから2月には1928.7億ドルへと0.2%増加し、2014年12月(1974.6億ドル)以来2年2カ月ぶりの高水準となっています。

過去の長期推移を見ると、米国の貿易赤字額が最大となったのはサブプライム・ショック前の2006年8月で678.2億ドル。赤字額は2017年2月には35.8%も縮小したことになります。
輸入額の過去最大は2014年4月で2414.8億ドル、2月の数字はこれを2.1%下回る水準。輸出額の過去最大は2014年10月の2002.4億ドル、2月の数字は3.7%下回る水準。輸出入額での2-3%の変動は2-3カ月程度で十分埋められる幅で、1カ月でもあり得る水準。
輸出入額はいずれも、2016年前半に若干落ち込みましたが、2017年にはほぼ過去最大水準に回復した状況です。

今後は、貿易赤字縮小よりも、輸出入額の過去最大更新が注目されるべきところです。
なお、対中国、対日本の赤字額はともに前月比で減少しています。6-7日にフロリダで予定される米中首脳会談に向けてのマイナス材料も、わずかに緩和された状況です。

NY金・日足チャート 2017/3/1 - 4/44日のNY金相場は0.35%上昇し3日続伸。リスク回避的な流れはNY市場朝まで続き、2月27日につけた今年最高値1264.9ドルに迫る1263ドル台まで上昇。200日移動平均線(1261.3)を超えるのもこの日以来、今年2度め。しかし、足下のレンジ上限でもある1260ドル超えでの滞空時間は限定的。米2月の貿易赤字が予想以上に縮小したことをきっかけに金利上昇とドル買い戻しの流れへと反転すると、金は1250ドル台半ばへと水準を切り下げての推移に。1240-60ドルの小幅レンジ内での堅調推移は続くものの、週末の雇用統計や米中首脳会談などを控え、慎重な値動き。レンジ上限突破にはそれなりのネガティブ材料、指標結果などが必要か。突破すると1280ドル台が目先の目安となり、加速度合いによっては1300ドルも視野に。

NYプラチナ・日足チャート 2017/3/1 - 4/4NYプラチナ相場は0.66%の続伸。NY朝の高値ピークは968ドルまで、やはりレンジ上限970ドルラインが超えられない。ズマ南ア大統領とギガバ新財務相もゴーダン前財務相の政策を引き継ぐことを公言し、ムーディーズが週末の南ア格付け見直し結果発表を延期したことなどもあり、南アランドの急落はいったん落ち着きを取り戻した様子。ただし堅調推移が続いた南アランド高の流れが完全に腰折れとなると、中期的なプラチナのサポート材料の一つが弱まることにも。週末にかけては940-970ドルのレンジ推移継続へ、ただし90日までの移動平均線が960ドル付近に集中し、動き出しを待つ状態。上方向なら1000ドルの大台超え、下方向なら900ドル近辺までが当面の目安水準に。

ドル円・日足チャート 2017/3/1 - 4/4ドル円は0.15%のドル安円高となり、小幅に3日続落。欧州時間までのリスク回避の流れでは1週間ぶりに110円20銭台まで円高が進行。しかしこの水準では底堅く、NY市場にかけて110円台後半へと反発。結果的に現状レンジ110円半ばから112円を維持する形となり、週末にかけてのイベント待ちへ。なお、日足レベルではダブルボトム形成への可能性もあり、ネックラインとなる112円前半を超えると2円程度の上昇も見込まれ、114円台も視野に。ただし110円を割り込むようなら目先109円、3月後半の円高基調再開となった場合には107円台も想定可能に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/4終値とチャート

5日の国内金価格は0.15%の小幅続伸。4760円から4790円までの小幅保ち合いを上抜けて上値目標4850円近辺を目指す流れは遅々として進行しない状況だが、この流れはゆるやかに継続中と見る。21日移動平均線をゴールデンクロスした9日移動平均線にサポートされる形でのゆるやかな上昇基調も継続。ただ、週末までのイベント通過までは現状の流れが大きく変わる可能性は低く、その後に急騰か、もしくはここまでの流れが巻き戻されるような展開も。

プラチナ価格もわずかに0.05%の小幅続伸。3660-3680円台の小幅保ち合い継続で方向感はほぼニュートラル。やはり週末まではレンジを抜け出したとしても一時的なブレ、NYプラチナの大幅変動も予想される状況となり、動き出した方向へと付いていく展開に。上方向なら3740円台、下方向なら3610円台辺りまでが目安水準に。
※参考:金プラチナ国内価格4/5とチャート

2017年4月5日(水)時点の相場
国内金4,797 円 4/5(水) ▲7(0.15%)
国内プラチナ3,676 円 4/5(水) ▲2(0.05%)
NY金1,258.4 ドル 4/4(火) ▲4.4(0.35%)
NYプラチナ964.5 ドル 4/4(火) ▲6.3(0.66%)
ドル円110.73 円 4/4(火) ▼0.16(0.15%)

4/4(火)のその他主要マーケット指標

ISM非製造業も失速、雇用と価格で明暗分かれる製造業と非製造業 4/6(木)

米2月貿易収支は1年10カ月ぶりの大幅赤字から縮小 4/5(水)

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政局不安で格下げ懸念高まる南アフリカ情勢がプラチナ価格の重石 4/3(月)

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