金プラチナ短期相場観
金とプラチナと為替の20カ月移動平均線との攻防
更新日:2017年5月30日(火)
長期トレンドの目安となる20カ月移動平均線との攻防が、特にプラチナとドル円で緊迫した状況となっています。
NY金の20カ月移動平均は26日時点で1225ドル。2013年からほぼ3年間の下落基調が続いた20カ月移動平均線は、2016年前半からゆるやかな上昇基調に転じ、金価格も2016年3月にこれを上抜け。2016年末には一時下抜けましたが、2017年には再度上抜け。ただし2月以降は4月を除いて毎月安値では20カ月移動平均を下回る場面もあり、長期上昇トレンドにはそれほどの勢いも見られない状況です。逆に言えば、買われ過ぎの状態でもなく、比較的安定した上昇基調へと向かいつつある状況かもしれません。
NYプラチナの20カ月移動平均は974.5ドル。4月の971.7ドルからわずかに2.8ドル上昇し、2014年4月以降2年11カ月続いた下落基調からこの5月に反発しようとしています。2016年1月に大底をつけた可能性もあるNYプラチナは2016年半ばから1年間、20カ月移動平均と絡み合う形での攻防が続いています。長めの下ヒゲを残す形となりそうな5月に移動平均線自体も反発し、6月に向けてはようやく本格的な長期下落トレンドからの脱却をかけて、20カ月移動平均との攻防に挑む形となります。
ドル円の20カ月移動平均は29日時点で111.67円。4月の112.10円から40銭ほど円高となり、2016年6月から丸1年間連続の低下がほぼ確実な状況に。ドル円は昨年の円高基調から年末に急反発し、20カ月移動平均線をいったんは上抜けましたが、2017年は抜きつ抜かれつの攻防が続き、月末ベースでは5カ月連続の下方乖離状態となるかどうか、という状況。111円台後半へと反発して5月を終えるか、長い上ヒゲを残してこのまま5月を終えるかでは大きく局面が変わりそうな状況です。前者なら5カ月ぶりの20カ月移動平均上抜けで円高基調から抜け出すきっかけに、後者なら2016年以降の長期円高トレンド継続へ。
29日はロンドン、NYの休場で為替も動意なし。ドル円は111円前半でわずか30銭、今年の平均1.03円の3分の1以下の値動きに終始、2015年12月30日以来1年5カ月ぶりの小動き。週明け時間外のNY金は1260ドル台半ばでの小動き、プラチナは960ドル台から950ドル半ばへと軟調推移。
30日の国内金価格は0.16%の小反落。上値目標4880円近辺を目指す短期上昇トレンドはスローペースで進行中。
20カ月移動平均は現在4684円。4月の4674円を10円上回り、3カ月連続上昇はほぼ確実で5カ月ぶりの水準に。乖離率は+3.4%で4月から変わらずで上方乖離は5カ月連続。2013年以降は横ばい推移傾向となっている20カ月移動平均線をはさんでの上下動が続き、現在はゆるやかな上昇基調が続く状態。
なお、5298円の高値をつけた2015年1月の20カ月移動平均上方乖離率は+13.6%。
プラチナ価格は0.68%安となって7営業日ぶりの反落。NYプラチナの上昇一服に伴い、ようやく短期上昇トレンド中の適度な調整局面を形成。再加速に向けてはNYプラチナが保ち合い移行後に再度上方向へ向うなど、新たな展開が必要となる可能性も想定されるところだが、今朝の東京市場では株安・円高の流れがやや加速しており、金の上昇に連れる形で徐々に上値を切り上げるような展開も。3780円の上値目標は継続。
20カ月移動平均は3718円。4月の3725円から7円低下し、2015年3月から2年2カ月連続低下中。乖離率は-1.4%で4月の-2.4%からは縮小。今年1月と2月を除くと2015年2月以降は下方乖離の状態が継続。
2016年1月に大底をつけ、2016年10月に2番底をつけて反発へと向かいつつあるようにも見える国内プラチナ価格は、長期的には下落トレンドを抜け切れてはいません。まずは20カ月移動平均との攻防からの上抜けが目先の関門となっています。
※参考:金プラチナ国内価格5/30とチャート
- 2017年5月30日(火)時点の相場
-
国内金 : 4,842 円 5/30(火) ▼8(0.16%) 国内プラチナ : 3,665 円 5/30(火) ▼25(0.68%) NY金 : 1,268.1 ドル 5/29(月) +-0.0(0.00%) NYプラチナ : 962.9 ドル 5/29(月) +-0.0(0.00%) ドル円 : 111.26 円 5/29(月) ▼0.03(0.03%)
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