金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏製造業PMIは1月にやや減速、「弱いドル」は加速

更新日:2018年1月25日(木)

ユーロ圏製造業PMI速報値 2018年1月ユーロ圏製造業PMIの1月速報値は、過去最高となった12月の60.6から59.6に低下。生産指数がやや低下したこともあり、市場予想の60.3程度も下回ってやや減速、という状態となりました。
ただし、サービス業PMIが57.6へと上昇して2007年8月以来10年5カ月ぶりの高水準となったことにより、総合PMIは58.6へと上昇。2006年6月以来、11年7カ月ぶりの高水準に。
製造業の若干の減速をサービス業がカバーする形でユーロ圏の景況感は依然高水準の状態が続きます。
なお、サービス業の雇用者数は2007年10月以来の高水準となり、工場関係の雇用者数は過去最高を記録。価格指数も7年ぶり高水準となってインフレ圧力拡大の兆しも。
また、生産見通し指数は過去最高となり、製造業PMIの減速も一時的の可能性もありそうです。

ユーロ圏の好調ぶりを示す連日の指標結果にこの日もユーロ高の流れは続き、ユーロドルは2014年12月以来3年1カ月ぶりの高値となる1.24ドル台へと上昇しています。
ただ、この日ユーロを押し上げた要因は好調を示す経済指標だけでなく、ドル安基調の加速もありました。

スイスのダボスで開かれている世界経済フォーラムに出席しているムニューシン米財務長官が、「弱いドルは貿易にとっては良いこと」とドル安を容認するような発言をしたこともあり、ドル全面安の流れが強まりました。
ドルインデックスも2014年12月以来、3年1カ月ぶりの安値水準を更に更新しています。節目の90ポイントを割り込んでいるドルインデックスは、このまま行けば80ポイント台前半まではサポート水準も見当たらず、そう簡単にはドル安の流れは止まらないのではないか、とも思われるような状況となってきました。

米国の通商政策に不透明感も増すなかでトランプ米大統領がダボス会議に参加していることも、さらなるドル安への警戒感を高める要因の一つともなりそうです。
ユーロ圏の製造業PMIは1月にやや減速しましたが、「弱いドル」は1月に加速しています。

NY金・日足チャート 2017/12/18 - 1/2424日のNY金相場は1.47%の大幅続伸。ユーロ圏PMIの好結果やムニューシン米財務長官のドル安容認発言を受けて欧州時間からのドル安加速とともに金は上値トライへ。NY午後には高値保ち合い上抜けに伴う目標水準1360ドル近辺に到達。上昇率としては昨年5月17日(+1.8%)以来8カ月ぶりの大幅上昇となり、2016年8月18日(1357.2)以来、1年5カ月ぶりの高値水準に到達。ただし高値では一時1360ドル超えも昨年最高値9月8日の1362.4ドルにはわずかに届かず。短期的には目標水準到達に伴う一服感、当面のサポート水準はここまでの上昇幅の23.6%戻しと直近安値圏となる1320ドル台まで。

NYプラチナ・日足チャート 2017/12/18 - 1/24NYプラチナ相場は0.79%の続伸。ロンドン市場から一段高となってNY市場では一時1028ドルまで上昇し、3月1日(1030.2)以来ほぼ11カ月ぶりの高値水準にワンタッチ。しかし1020ドル台を維持できず、990ドル台から1020ドルまでの高値保ち合い圏内で落ち着いた状態に。大幅調整局面入りへのリスクは緩和されたものの、NY金の上昇一服が予想される状況からはプラチナの上値トライ再開への可能性もそれほど高くはない?か。1020ドルを安定的に超えることができれば昨年高値圏1040ドルが次の目標水準に、990ドル割れなら970ドル程度までが調整目安に。

ドル円・日足チャート 2017/12/20 - 1/24ドル円は0.98%、1円超のドル安円高となって大幅続落。9月8日(107.80)以来、4カ月半ぶりのドル安円高水準に。ドル安の流れが続いていたなか欧州時間にはムニューシン・ショックとなって下値目安109円台半ばに到達すると、NY市場にかけてもドル安の流れは止まらず一時109円割れ。短期的にはやや行き過ぎの感もあり、今朝の東京市場では109円半ばまで戻す場面も。目先はECB理事会を控えてのユーロ高一服、ユーロ高牽制発言なども警戒されてドル安基調一服も。短期的にはユーロ高の調整に連れて戻りを試す可能性もあり、ここまでの23.6%戻しとなる110円30銭辺りまでは比較的戻しやすい水準か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/24終値とチャート

25日の国内金価格は0.2%の反発。ドル安円高急進をNY金の大幅上昇が下支え、しかしそのバランスが崩れなかったことで上値も限定的となり、三角保ち合い上抜けトライに向けてはややパワー不足。短期的には一服状態となりやすく、高値圏での保ち合い状態はしばし継続か。引き続き5110円超えなら保ち合い上方ブレイクで今年高値更新と5180円台辺りまでが上値目標に、5070円台割れなら4980円台辺りまでの大幅調整局面入りも。

プラチナ価格は0.03%の小幅安で3日続落、もほぼ同水準での横ばい推移状態。9日移動平均線(3794)をデッドクロスし、強気相場終了に向けての第1段階の兆しも。上値トライ再開に向けての勢いはさらに後退も、短期的には調整が進行した場合でも3710円程度までではサポートされそうな状況か。
※参考:金プラチナ国内価格1/25とチャート

2018年1月25日(木)時点の相場
国内金5,103 円 1/25(木) ▲10(0.20%)
国内プラチナ3,790 円 1/25(木) ▼1(0.03%)
NY金1,356.3 ドル 1/24(水) ▲19.6(1.47%)
NYプラチナ1,015.8 ドル 1/24(水) ▲8.0(0.79%)
ドル円109.22 円 1/24(水) ▼1.09(0.98%)

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