金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米1月貿易赤字はリーマン後最大、対中国赤字も拡大、2位は日本

更新日:2018年3月8日(木)

米貿易収支 2018年1月米商務省が発表した1月の貿易収支は566億ドルの赤字。赤字幅は市場予想の550億ドル程度を大きく上回り、(-531億ドルから下方修正された)12月の-539億ドルから赤字幅は5%拡大。5カ月連続で拡大した貿易赤字は2008年10月(-602億ドル)以来9年3カ月ぶりの水準。リーマンショック後の最大水準を更新しています。
輸出は2009億ドルとなり、2カ月連続で過去最大となっていた12月の2036億ドルからは1.3%減少。輸入は2575億ドルで、3カ月連続で過去最大となった12月からはほぼ横ばい推移(微減)。

米国の貿易赤字削減のために打ち出した鉄鋼・アルミへの関税による悪影響が世界各地で懸念されるなか、皮肉にも米国の貿易赤字拡大は止まらず、貿易額の最大更新はストップする形となりました。

米貿易収支 国別 2018年1月国別の貿易収支では、対中国が-359.5億ドルとなって2015年9月(-362.9億ドル)以来、2年4カ月ぶりの赤字幅へと拡大し、赤字額の63.5%を占めます。日本は-56.5億ドルとなり、12月の2位ドイツ(-53.9億ドル)をわずかにかわして1月は2位、赤字シェアは10%。NAFTA再交渉の状況次第ではトランプ関税の適用除外も予想されるメキシコは-41.4億ドルと赤字幅は急減、4位となっています。

この日、米アトランタ連銀のボスティック総裁や、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事などが口をそろえて「貿易戦争は勝者を生まない」と牽制しています。
しかし、米国の貿易赤字拡大により、貿易戦争への懸念も拡大しそうな状況です。

NY金・日足チャート 2018/1/31 - 3/77日のNY金相場は0.57%の反落。コーンNEC委員長辞任を受けて東京朝の時間帯に1340ドル台前半まで急騰した後は、ドル安と長期金利低下も限定的にとどまり、軟調推移の展開に。米株もナスダックは4日続伸、ダウも下げ幅を縮小する動きとなったNY市場では1320ドル台前半まで下落。1340ドルが目先の抵抗水準となって上値を押さえられたものの、4日連続で上値も下値も切り上げる形にもなっており、反発への可能性も示す状態。前日安値1320ドルを下回るようだと1300ドル付近までは下げやすく、再度1340ドル超へと上値を伸ばすことができれば一段高の展開となって今年高値更新トライへも。いずれの場合も週末の雇用統計待ちか。

NYプラチナ・日足チャート 2018/1/31 - 3/7NYプラチナ相場は1.79%の大幅反落。鉄鋼関税による自動車メーカーの懸念を反映し、自動車触媒需要減を連想する形でパラジウムとともに軟調推移。1月2日(947.8)以来2カ月ぶりの安値水準となり、3月1日の安値も下回って下値警戒感も高まる状況に。90日移動平均(956.7)をわずかに下抜けて200日移動平均(951)に支えられ、下げ止まりへの可能性と一段安への可能性との攻防状態に。950ドルを割り込めば930ドル前後までの一段安が見込まれ、反発方向には970ドルが当面の抵抗水準。超えると1000ドルの大台再トライの展開へも。

ドル円・日足チャート 2018/2/1 - 3/7ドル円は0.05%のドル安円高で小幅に続落。東京市場朝の急落でつけた105円40銭台がこの日の安値となって下げ渋り、NY市場ではADP雇用者数が好結果となったことなどもあり、米長期金利と株価の反発基調にも歩調を合わせて106円台を回復。鉄鋼関税への警戒感とコーン氏辞任後の不安感も残るものの、冷静に人事を待ち、目先は雇用統計の結果を見極める状況に。短期トレンドとしては3月2日安値105円20銭台で底打ち、反転方向への流れが徐々に強まりそうな状態も、107円台半ばまでの水準では戻り売り圧力が強まることが予想され、これを突破するためにはかなりのポジティブ・サプライズが必要か。突破できれば109円台、安値更新なら104円台へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/7終値とチャート

8日の国内金価格は0.51%安となって3日ぶりの反落。1月以降の抵抗線となってきた右肩下がりの9日移動平均線(4862)上抜けには今回も失敗。下落トレンド中の戻り局面を終えて元の下落基調回帰への動きに。と同時に雇用統計を前に今年安値圏での小幅保ち合いの形にもなり、流れが変わるきっかけにも。目先、4870円台の抵抗水準を上抜けることができれば短期トレンド好転へ、4930円近辺までが短期上値目標水準に。4820円割れへと安値更新の場合には4780円前後までが下値目標に。

プラチナ価格は1.11%の大幅続落。やや一本調子の下落基調が続き、12月18日(3481)以来ほぼ3カ月ぶりの安値水準。今年高値となった1月22日の3843円から2月14日には3629円まで214円下落し、2月20日には3706円まで反発。ここから再度214円下落した場合の水準は3492円。これを若干下回ってきたことから、下げ止まるにも都合の良い水準。しかし、12月安値3421円も意識され、2番底をつけに行く展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格3/8とチャート

2018年3月8日(木)時点の相場
国内金4,846 円 3/8(木) ▼25(0.51%)
国内プラチナ3,488 円 3/8(木) ▼39(1.11%)
NY金1,327.6 ドル 3/7(水) ▼7.6(0.57%)
NYプラチナ953.2 ドル 3/7(水) ▼17.4(1.79%)
ドル円106.07 円 3/7(水) ▼0.06(0.05%)

3/7(水)のその他主要マーケット指標

2018年プラチナ需給見通し、自動車触媒需要減を宝飾需要がカバー 3/9(金)

米1月貿易赤字はリーマン後最大、対中国赤字も拡大、2位は日本 3/8(木)

朝鮮半島リスク緩和の動きもコーン氏辞任で貿易戦争リスクは拡大 3/7(水)

米2月ISM非製造業景況指数もピーク水準維持 3/6(火)

RSI逆行が示唆する国内金価格の反発 3/5(月)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ