金プラチナ短期相場観

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2018年プラチナ需給見通し、自動車触媒需要減を宝飾需要がカバー

更新日:2018年3月9日(金)

世界のプラチナ需給・2017年鉱山産出量と2018年見通しWPIC(World Platinum Investment Council)が発表したプラチナ需給レポートによると、2017年世界全体でのプラチ総供給量は249.3トンとなり、前年比+1.2%と小幅増。うち鉱山産出量が190トン(前年比+0.7%)、リサイクルが59.3トン(+2.7%)。
2018年見通しでは、鉱山産出量が182トン(-4.3%)、リサイクル61.1トン(+3.1%)で合計243.1トン(-2.5%)となっています。
南アフリカの鉱山産出量が一部の鉱山閉鎖による影響で2017年の135.9トンから2018年には129.9トンへと減少予想。

世界のプラチナ需給・2017年目的別需要と2018年見通し世界全体の2017年プラチナ需要は241.5トン(前年比-6.7%)。自動車触媒需要が105.6トン(前年比-2.7%)、宝飾需要76.5トン(-1.8%)、工業関連51.3トン(-7.8%)、投資需要が8.1トン(-51.4%)など全般に減少しました。
2018年見通しとしては、全体で242.3トン(+0.3%)。自動車触媒需要は-3.2%と引き続き減少予想、宝飾は+1.8%、工業関連は+6.1%と増加予想となっています。

世界のプラチナ需給・2017年地域別自動車触媒需要と2018年見通し地域別に見た自動車触媒需要の推移では、主力市場である西欧は2017年に48.5トン。2016年の52.9トンをピークに減少に転じた形となっています。その他エリアでは大きな落ち込みは見られず、中国では増加傾向を維持しているようです。

世界のプラチナ需給・2017年地域別宝飾需要と2018年見通し地域別の宝飾需要では、最大市場の中国が2017年には41.7トンと減少傾向が続きます。ただし、宝飾需要全体では2017年第4四半期に1年ぶりの水準へと増加しています。また、2017年までの3年間の宝飾品需要合計に反映されているインドの宝飾品サプライチェーンの主要参加者からの情報を基にしたWPICの予想では、2018年インドのプラチナジュエリーの需要は引き続き増加するとの予想。日本の安定需要と欧米でのゆるやかな拡大傾向も考慮すると、中国での需要減に歯止めがかかれば、2018年の宝飾需要増加見通しの確度は上がることになりそうです。

トータル的には、2018年には、産業需要回復と宝飾品需要の増加が自動車や投資需要の減少を上回るため、世界全体のプラチナ需要は2018年に増加予想、これに対して供給量は小幅減少予想。
需給バランスでは2016年までの供給不足から2017年には7.8トンの供給過剰へと転換していますが、2018年見通しとしては0.8トンの小幅供給過剰へとその差は縮小見込みとなっています。

NY金・日足チャート 2018/2/1 - 3/88日のNY金相場は0.44%安で続落。時間外では1330ドルで上値を押さえられ、NY市場朝には一時1320ドル割れ。ECB理事会の声明文では「必要であれば資産買い入れを継続」するとしながら「必要に応じQEの規模拡大」はもう行わないことを示してユーロ買い。しかし、インフレ見通し下方修正やドラギ総裁会見ではタカ派寄りとは見られずユーロ売りドル買い。この流れに呼応する形でNY金も売られた格好。また、トランプ関税ではメキシコとカナダを除外、同盟国にも例外措置に交渉の余地を残すことを表明して株高ドル高となったことも金の重石に。ただし変動値幅は6日間で最低水準となる10.2ドルまで縮小しており、雇用統計をきっかけにボラティリティが拡大する可能性も。1300ドルから1340ドルまでのレンジ上下限のどちらかを試しに行くことになり、上方ブレイクなら今年高値更新、下方ブレイクなら1270ドル台が次の下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2018/2/1 - 3/8NYプラチナ相場は0.09%の小幅続落。ECB理事会でのユーロ急騰・急反落に連動する形で960ドルまで急騰後に940ドル台半ばまで急反落、その後は落ち着きを取り戻す形で950ドル台半ばへと収束。200日移動平均(951.2)と950ドル割れは一時的にとどまり、十字線に近い足型を残して反発への可能性も示唆。ただし、流れは下方向へと傾斜中、雇用統計でそこそこの好結果が確認されで金が軟調推移となれば追随する展開が予想され、あらためて950ドル割れなら下値目安930ドル前後を目指す流れへ。反発方向へは970ドルが当面の抵抗水準に。

ドル円・日足チャート 2018/2/2 - 3/8ドル円は0.13%のドル高円安となって3日ぶりの小反発。鉄鋼関税正式署名にも、除外に向けての余地を残したことが好感され、106円台を維持して底堅く推移。今朝の東京市場では米朝首脳会談への進展が伝えられたことで円安急進。米雇用統計前に上方向への節目107円台半ば付近まで水準を切り上げる可能性もあり、賃金上昇率がたとえ反落でも前年比+2.7%程度までにとどまれば一段高の展開にも。11月高値から3月安値までの23.6%戻し107円40銭台を突破できれば、38.2%戻し108円80銭台を超えて109円台が次の上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/8終値とチャート

9日の国内金価格は0.06%の小幅続落。1月以降の抵抗線、9日移動平均線(4855)上抜け失敗後の流れ継続も値動きは限定的に。今朝伝えられた米朝首脳会談報道により、リスク回避巻き戻しへと円安が進行。価格への織り込み不十分と見られ、この流れがある程度進行し、米雇用統計がネガティブな結果とならなければ抵抗線上抜けの可能性も。4870円台の節目も突破できれば4930円近辺までが上値目標に。
週間ベースでは+17円(0.35%)となり、6週間ぶりの反発。

プラチナ価格は0.23%の小幅高で3日ぶりの反発。下げ止まるにも都合の良い水準に達したことによる反発も、その勢いはまだ限定的。NYプラチナの下落基調が予想より進行しないようなら今朝の円安を受けてもう一段の反発も。その為には雇用統計が極端な結果とならないことが重要に。9日移動平均線(3563)から今年高値から安値までの23.6%戻し(3572)辺りまでが地合い回復への目安水準に。
週間ベースでは-51円(1.44%)で続落。
※参考:金プラチナ国内価格3/9とチャート

2018年3月9日(金)時点の相場
国内金4,843 円 3/9(金) ▼3(0.06%)
国内プラチナ3,496 円 3/9(金) ▲8(0.23%)
NY金1,321.7 ドル 3/8(木) ▼5.9(0.44%)
NYプラチナ952.3 ドル 3/8(木) ▼0.9(0.09%)
ドル円106.20 円 3/8(木) ▲0.14(0.13%)

3/8(木)のその他主要マーケット指標

米2月賃金上昇率は予想下回るも適度な加速基調維持で波乱回避 3/10(土)

2018年プラチナ需給見通し、自動車触媒需要減を宝飾需要がカバー 3/9(金)

米1月貿易赤字はリーマン後最大、対中国赤字も拡大、2位は日本 3/8(木)

朝鮮半島リスク緩和の動きもコーン氏辞任で貿易戦争リスクは拡大 3/7(水)

米2月ISM非製造業景況指数もピーク水準維持 3/6(火)


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