金プラチナ短期相場観
3月に突如動き出した世界の政局、市場の流れも変化の兆し?
更新日:2018年3月12日(月)
国内では森友問題が急転直下の様相となり、北朝鮮問題は初の米朝首脳会談に向けて風雲急を告げ、ドイツの政治的空白は終息へと向かい、ロシアではプーチン大統領の2024年までの長期政権が確実視され、中国では国家主席の任期撤廃で習近平独裁への懸念も高まるなど、世界各地で政局が大きく動き始めた3月。
金融市場ではNASDAQが先陣を切って1月末以来となる最高値更新を再開し、2月の株価急落局面から復活。為替ではドル安基調が続いた流れも徐々に反発方向への兆しも見られ始め、その行方を左右する米10年債利回りは2.9%まで上昇した後は1カ月間の横ばい推移が続き、上昇基調再開か急進か、それとも伸び悩み継続か、という状態に。そしてこれらの今後の動向を決める節目となり得るFOMCを次週に控えます。さらに、その参加メンバの思惑を左右する2月の消費者物価指数が今週発表されます。
国内金価格もこの3月にトレンド転換をかけた分岐点を迎えています。
年明け早々に5127円の高値をつけた国内金価格は、その後下落基調が続き、3月5日には4822円の安値を記録。しかし、20カ月移動平均線にサポートされて下げ止まり、反発へと向かい始めた可能性も示す状況となっています。
このまま反発基調が続いて短期下落トレンドを終え、長期上昇トレンドに回帰していくのか、それとも失速して20カ月移動平均線を割り込み、長期的な上昇トレンド終焉へと向うのか、重要な攻防局面となっています。
その20カ月移動平均線は現時点で4817円。13カ月連続上昇し、過去最高水準を更新し続けています。3月末時点でもこの状態が続き、20カ月移動平均以上の水準を維持できれば、2016年10月以降の上昇チャネルの軌道は外れたとしても、2013年6月から続くゆるやかな長期上昇トレンドは継続することになります。
しかし、価格水準が20カ月移動平均線を割り込み、20カ月移動平均自体も2月の4813円以下へと水準を切り下げるようだと、大きな流れが変わり始めるサインということにもなります。
過去4年連続で下落月となっている3月、今年はここまで前月比-10円で0.2%安。5年ぶりの上昇をかけた攻防の真っ最中でもあります。
12日の国内金価格は0.54%高となって3日ぶりの反発。1月以降抵抗線となってきた9日移動平均線(4850)をようやく上抜けて地合い好転、しかし直近高値7日の4871円は超えられず。下限を4840円台に切り上げる形で4870円台までのレンジに縮小し、動き出しを待つ状態に。好転方向への流れが続いてレンジ上抜けできれば次の上値目標は4930円台まで。流れが巻き戻されて下方ブレイクしてしまうと下落基調再開で今年安値更新へ、当面の下値目標は4770円前後まで。
プラチナ価格も1月に高値をつけて急反落、足下ではやや反発の動きとなっています。
長期的には、年初時点で2015年1月高値を起点として急降下する抵抗線を上抜けましたが、2015年10月から緩やかに低下する抵抗線には上値を押さえられた形となって反落しています。
そしてゆるやかな下落基調が続く20カ月移動平均線(3654)を下回る水準となっていますが、昨年半ばからはこの20カ月移動平均線も下げ止まりの兆しを見せ始め、価格水準はこれをはさんで上下動を繰り返す保ち合い状態にもなっています。
当面は3400円台前半から3800円近辺までのレンジ内推移も予想される状況ですが、プラチナにとっても3月は過去7年間で2勝5敗と分が悪い月。現時点で前月比-84円(-2.31%)と今年も非常に厳しい状況。さしあたり、20カ月移動平均の水準を回復し、保ち合い継続を維持することが3月の目標、ということにもなりそうです。
12日のプラチナ価格は1.74%の大幅続伸となって3月1日(3609)以来の水準を回復。半月ぶりに9日移動平均線(3548)も上抜けも、地合い好転に向けては今年高値から安値までの23.6%戻し(3572)辺りまで、もう一段の上昇が待たれる状況。確率的にはかなり後退したと思われるものの、今年安値更新の場合には少なくとも3440円台辺りまでの一段安、さらには昨年安値3421円も視野に。
※参考:金プラチナ国内価格3/12とチャート
- 2018年3月12日(月)時点の相場
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国内金 : 4,869 円 3/12(月) ▲26(0.54%) 国内プラチナ : 3,557 円 3/12(月) ▲61(1.74%) NY金 : 1,324.0 ドル 3/9(金) ▲2.3(0.17%) NYプラチナ : 964.2 ドル 3/9(金) ▲11.9(1.25%) ドル円 : 106.81 円 3/9(金) ▲0.61(0.57%)
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