金プラチナ短期相場観

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シカゴ連銀全米活動指数は堅調維持も長期金利と共に減速傾向

更新日:2019年1月29日(火)

シカゴ連銀全米活動指数 2018年12月シカゴ連銀全米活動指数は12月に+0.27となり、2カ月連続の上昇で4カ月ぶりの高水準。過去の平均を上回る成長を示すプラス圏推移は7カ月連続となり、米国経済の堅調推移を示します。
構成4指数のうち、生産・所得は4カ月ぶり高水準、雇用・労働時間は2カ月ぶり高水準となった一方、売上・受注・在庫は2カ月ぶり低水準で過去平均となる0.00ポイントに、個人消費・住宅指数は3カ月ぶり低水準で-0.06。過去平均以下を示すマイナス圏推移は7カ月連続となっています。

月々の変動が激しいシカゴ連銀全米活動指数を3カ月平均で見ると、プラス圏推移は15カ月連続となり、2003年9月から2005年8月まで(24カ月連続)以来、13年4カ月ぶりの長期プラス圏推移、成長拡大期を形成しています。
ピークは2018年4月の0.51で、2010年5月(0.53)以来7年11カ月ぶりの高水準となっていました。その後は7月に0.03まで低下、一度は反発も足下では0.1ポイント台へと減速傾向となっています。

物価や財政見通しに金融政策動向、さらには将来の景気動向などの影響も受けるとされる米10年債利回りの推移は、このシカゴ連銀全米活動指数の3カ月平均との連動性が高くなっています。
米10年債利回りは2018年11月8日には3.23%台まで上昇し、7年半ぶり高水準となった後、年初の1月3日には2.55%台まで低下し、1年ぶり低水準となりました。
こちらも近年の平均的水準2.4%を上回る高水準での推移が続きますが、足下では減速傾向となっています。

米中貿易摩擦や中国の景気減速懸念、欧州景気の減速などにより世界的景気減速懸念も指摘されますが、現状では米国への波及はそれほど警戒レベルにはなっていない状態とも言えそうです。
ただし、足下では2.7%台で下げ渋っている米10年債利回りが、今後2.4%を大きく下回るようなことがあれば、シカゴ連銀全米活動指数のマイナス圏入りも警戒され、米国の景気減速懸念も本格化することにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2018/12/20 - 1/2828日のNY金相場は+5.0ドル、0.39%の続伸。6月14日(1308.3)以来、7カ月ぶりの高値水準。先週末の大幅上昇後は1300ドルをはさんでの小幅保ち合いでの高止まり。NY朝には一時1290ドル台半ばまで下押し後、1300ドル台前半での小康状態に。FOMCや米中通商協議、月末月初の重要指標などを控えて静かな週明けとなり、政府機関の一部閉鎖解除に伴うリスク後退で対ユーロなどを中心に若干のドル安傾向となったこともサポート材料に。ただし変動値幅は7ドル程度と限定的にとどまり、今年2番めの小動き。イベント動向や指標結果に振られる展開も予想されるものの、基本は上値トライ継続中で1330ドル台を目指す流れ。

NYプラチナ・日足チャート 2018/12/20 - 1/28NYプラチナ相場は-3.8ドル、0.46%安となって4日ぶりの反落。時間外には820ドル維持をかけた攻防状態から失速、NY朝にかけては810ドル台前半へと軟調推移。それでも3日間で30ドル弱の大幅反発からの小幅調整にとどまり、上昇し始めた20日移動平均線(809.3)にサポートされれば今年最高値836.5ドル更新トライに向けた流れも継続へ。

ドル円・日足チャート 2018/12/24 - 1/28ドル円は20銭ほどのドル安円高となって続落。日経平均の下落に連れて東京市場朝には109円20銭台まで軟調推移もこの水準では底堅く、欧州時間には109円50銭台まで反発。NY時間には米10年債利回り低下と株安の流れにも連れて109円10銭台まで下落。重要イベントを控えての様子見状態ともなり、上下40銭にも満たない変動幅は今年2番めの小動き。109円台半ばでの小幅保ち合いが続くものの、短期的にはヘッドアンドショルダーを形成し、下値警戒感も高まる状況にも。FOMCではドル安圧力が強まりやすく、109円割れへと向かえば108円近辺までが下値目安に。株高の反応で円安サポートが入って下げ渋り、雇用統計の好結果に110円トライに向かえば111円台を試す展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/28終値とチャート

29日の国内金価格は+5円、0.1%の小幅続伸。昨年6月15日(4957)以来、7カ月半ぶり高値水準での上値トライ継続で短期上値目安4900円前後まで、もう少しの上昇余地も。FOMC後にはドル安でNY金の一段高、円安でドル円の下値も限定的となる可能性もあり、行き過ぎの展開となれば6月高値4957円近辺を試すような流れにも。

プラチナ価格は-15円、0.49%安で4日ぶりの反落。3日間合計95円、3%超の大幅反発も、1月8日につけた今年高値3087円超えに失敗。上値トライに向けた流れはこの3080円が抵抗水準となっていったん頭打ちとなる可能性も。あらためて今年高値更新へと切り返すことができれば次の上値目安は3120円台辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格1/29とチャート

2019年1月29日(火)時点の相場
国内金4,891 円 1/29(火) ▲5(0.10%)
国内プラチナ3,062 円 1/29(火) ▼15(0.49%)
NY金1,303.1 ドル 1/28(月) ▲5.0(0.39%)
NYプラチナ814.5 ドル 1/28(月) ▼3.8(0.46%)
ドル円109.32 円 1/28(月) ▼0.22(0.20%)

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