金プラチナ短期相場観

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ドイツ企業の先行き見通しは急低下、6年ぶり低水準に

更新日:2019年1月26日(土)

ドイツIFO企業景況感指数 2019年1月マークイット発表のドイツ製造業PMIの節目50割れに続き、IFO経済研究所が発表するドイツ企業の景況感指数もこの1月に節目となる100を割り込みました。
2015年平均を100とした指数で表される、IFOドイツ景況感指数は12月の101.0から1月は99.1へと急低下。景況感指数としては5カ月連続の低下で2016年2月(99.0)以来、2年11カ月ぶり低水準。節目の100を割り込むのは2年8カ月ぶり。

現況指数は4カ月連続の低下で104.3。1年10カ月ぶり低水準ながら、水準としては依然として高水準。しかし、期待指数は5カ月連続低下で12月の97.3から1月は94.2と3.1ポイントの急低下。ドイツ企業の先行き見通しは悪化が止まらず、2012年11月(93.1)以来、6年2カ月ぶり低水準となっています。

期待指数のピークアウトで間もなく現況指数もピークアウトし、景況感指数と合わせて減速局面を形成する流れは、昨年夏場に反発したものの一時的にとどまり、再反落で一段と低下。減速局面としては2010年末から2012年末までの欧州債務危機以来の長期低迷期となりつつあります。

なお、業種別では製造業が2年4カ月ぶり低水準、サービス業は3年9カ月ぶり低水準も水準的には製造業の倍以上の高水準にとどまります。
貿易関連は製造業を下回って3年11カ月ぶり低水準。卸売は4カ月ぶりへと反発も小売は4年1カ月ぶり低水準。
特筆すべきは建設業で、2018年には唯一好調が続き10月に過去最高を更新、しかしその後は3カ月連続の低下で前月からの低下幅は業種別で最大の急低下で7カ月ぶり低水準となっています。
ほとんどの業種が減速局面入り、という状況となってきました。

ドイツ政府は今年の経済成長率見通しを1.8%から1.0%に下方修正したことも伝えられています。昨年の成長率は1.5%で5年ぶり低水準となっていました。
世界経済成長の鈍化や、英国のEU離脱を巡る不透明な状況が背景としています。
IFOでも現在の低迷状態はあと数カ月は続くとの見通しを示し、回復に向けてはブレグジットと米中貿易摩擦の緩和動向次第、と見ているようです。

ZEWと比較するとIFOでの見通しは悲観的過ぎるとの見方もできるかもしれませんが、そうでなければ、高止まりしている現況指数もいずれ、節目の100割れへとさらに悪化することも予想されそうです。

NY金・日足チャート 2018/12/19 - 1/2525日のNY金相場は+18.3ドル、1.43%の大幅反発。前日のユーロ安ドル高の流れが巻き戻されてドル全面安、1280ドル付近で下げ渋っていた金もNY朝からの急反発で1300ドル手前まで上昇、NY終値では6月14日(1308.3)以来、7カ月ぶりの高値水準に。背景にはFRBの保有資産縮小ペース見直し報道などによる金融引き締め観測後退があり、トランプ大統領の元顧問ロジャー・ストーン氏がロシア疑惑関連などで起訴されたこともドル売りにつながった模様。1280ドルの節目割れに伴う大幅調整の動きは一時的な行き過ぎにとどまり、NY引け後には1300ドル台へと水準を切り上げて逆に高値保ち合い上抜け、一段高へと向かう可能性もやや高まる状態に。ドル安地合いが続けば当面の上値目標は昨年4月までの保ち合い水準1330ドル台辺りまで。
週間ベースでは+15.5ドル(1.21%)の反発。

NYプラチナ・日足チャート 2018/12/19 - 1/25NYプラチナ相場は+13.3ドル、1.65%の大幅高で3日続伸となって2週間ぶり高値水準に。金に追随する展開でNY朝には20日移動平均線(808.4)をあっさり上抜けると直近高値810ドル台も超えて820ドル台前半まで上昇。今週前半の失速状態から切り返す形となって反発基調がもう一段強まる可能性も。目先の上値目標としては今年最高値836.5ドル更新トライへ。
週間ベースでは+16.2ドル(2.02%)で3週ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2018/12/21 - 1/25ドル円は10銭ほどのドル安円高となって3日ぶりの小反落も、水準としては109円台半ばでの横ばい推移が継続。欧州時間まではドル安でも円安の勢いがやや勝り、109円90銭台まで上昇。しかし、110円ラインでは上値が重く失速、NY時間にはFRBの債券ポートフォリオ維持検討報道などを受けてのドル安円高で109円50銭台へと急反落。政府機関閉鎖の一時解除を好感して109円90銭台まで再反発も一時的にとどまり、109円台半ばに収束。ここ2週間ほどのドル高基調から、この日は大幅にドル安方向へと巻き戻しの展開となったものの、米10年債利回りが2.7%台で保ち合いの様相となっていることなどもドル円の方向感が定まらない要因の一つに。目先、110円ラインを突破できれば110円台後半までは上昇余地も。109円を割れるようなら108円近辺までの円高余地も。
週間ベースでは-0.24円(0.22%)で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/25終値とチャート

2019年1月26日(土)時点の相場
国内金4,836 円 1/25(金) ▼1(0.02%)
国内プラチナ3,040 円 1/25(金) ▲34(1.13%)
NY金1,298.1 ドル 1/25(金) ▲18.3(1.43%)
NYプラチナ818.3 ドル 1/25(金) ▲13.3(1.65%)
ドル円109.54 円 1/25(金) ▼0.09(0.08%)

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