金プラチナ短期相場観
利上げ休止と資産縮小早期終了観測で金もじわり上昇の兆し
更新日:2019年1月28日(月)
年初のリスク回避局面からは落ち着きを取り戻した市場は、今年のFF金利据え置きを市場コンセンサスとする状態で今年1回目のFOMCを迎えます。
CMEフェドウォッチの今年12月FOMCでのFF金利予想の推移では、12月初旬には40%弱まで織り込みが進んでいた2019年1回の利上げは、1月3日には0%へと急落しましたが、月末になって25%程度まで回復してきました。逆に今年1回の利下げ観測は1月3日には36%まで跳ね上がりましたが、現時点では5%前後の水準で落ち着き始めています。
最大シェアの据え置き予想は65%超を維持する状態が続きます。
少なくとも年前半はFF金利据え置きの可能性が高いと見る市場予想に加え、先週末にはFRBの保有資産縮小ペースの見直し観測も台頭。
資産縮小の早期終了も視野に調整に入っているのでないか、さらには最終的なバランスシートの規模も当初の想定を上回る水準となるのでは、との推測報道により株高基調とともに金価格も押し上げられる形となっています。
今年から毎回のFOMCで記者会見をすることになり、早速パウエルFRB議長への質問もこのバランスシート縮小の行方に集中することにもなりそうです。
株高金高の流れがさらに進行するか否か、まずは2019年序盤の分岐点となるかもしれません。
20日移動平均線との揉み合い状態でサポートされた国内金価格は急上昇で1月最終週をスタート。水平状態からわずかに上昇の兆しともなってきた20日移動平均線から2%上方乖離の水準は現時点で4926円。上昇局面がもう一段進行することになれば、+2%ラインも押し上げられることにもなりますが、短期的な上限としては4930円前後までにとどまる確率は高そうです。
28日の国内金価格は+50円、1.03%の大幅反発。NY金は週末の大幅高から週明け時間外も1300ドルの大台維持をかけた攻防状態にあり、東京市場朝の円高スタートをカバー。6月15日(4957)以来、7カ月半ぶりの高値水準となって今年高値を大幅更新したことで一段高への可能性も拡大。ただし目先の上値目標は4900円前後までとさらなる上昇余地は限定的にも。しかし、週後半にはFOMCと雇用統計もあり、ボラティリティ拡大も予想され、FRBの資産縮小の早期打ち止め観測が強まるようなら上振れも。
3129円で下げ止まりの兆しとなってきた20日移動平均線を上抜けた国内プラチナ価格の上昇局面の限界水準は20日移動平均+3%、現時点では3129円。到達できれば、いったん頭打ちとなっても保ち合い状態で20日線自体の上昇を待って上値切り上げへ、というシナリオもあり得るかもしれません。いずれ、水平状態の90日移動平均線(3166)上抜けトライも視野に入ってくる可能性もありそうです。
プラチナ価格は+37円、1.22%の大幅高で3日続伸。時間外のNYプラチナも820ドル維持をかけた攻防状態でのスタートとなり、国内価格をサポート。約3週間ぶり高値となって短期トレンドの転換点となってきた21日移動平均線(3040)も大きく上抜け。21日線自体もほぼ下げ止まりつつあり、徐々に上向くことになれば、上昇トレンドのサポートラインにも。当面の上値目標としては3130円台から12月高値3140円台まで。
※参考:金プラチナ国内価格1/28とチャート
- 2019年1月28日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,886 円 1/28(月) ▲50(1.03%) 国内プラチナ : 3,077 円 1/28(月) ▲37(1.22%) NY金 : 1,298.1 ドル 1/25(金) ▲18.3(1.43%) NYプラチナ : 818.3 ドル 1/25(金) ▲13.3(1.65%) ドル円 : 109.54 円 1/25(金) ▼0.09(0.08%)
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