金プラチナ短期相場観
PCEインフレ低迷継続、7月FOMCは「適切に行動」へ
更新日:2019年6月29日(土)
米商務省が発表した5月の個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)は前年比+1.52%。4月の+1.56%からは小幅に低下。食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+1.60%。市場予想の+1.5%を上回り、4月の+1.62%からはほぼ横ばい推移。
昨年夏以降の減速基調には歯止めがかかった可能性を示す状態ながら、依然として2%を大きく下回る水準で「一時的低インフレ」状態は継続しています。
変動の激しい品目を除いたトリム平均PCEでは、4月の前年比+2.02%から、5月は+1.99%と目標付近での横ばい推移。
ただし、これを含めて近年の推移を見ても、シンメトリックな目標2%に対して上方向にブレることはほぼなく、下方向にばかり、それも相当程度ブレやすい状態が続いています。
強いて言えば、コアPCEは前年比+1.6%に対してシンメトリックな推移となっています。トリム平均PCEですら、+1.8%に対してシンメトリックな推移となっています。
予防的措置という面も踏まえれば、7月末のFOMCで「適切に行動」することは正当化されそうです。
28日のNY金相場は+1.7ドル、0.12%の小幅高で3日ぶりの反発。1400ドルの大台を超えて丸一週間、一瞬たりとも大台を割れることなく、ほぼ1410ドル台での横ばい推移。米中首脳会談での暫定合意への期待感などから調整安となった前日安値1401.4ドルからの反発基調は時間外、東京朝の時間帯まで継続。期待感剥落とドル安のサポートを受けて一時1420ドル台後半まで上昇。しかし、イベントを前にしてその勢いも続かず、再度調整安の展開となり、NY朝には一時1410ドル割れ。この水準では底堅さも見られたものの、長めの上ヒゲを残して週末へ。1400ドルから1420ドルまでが主要レンジとなり、上方向に抜け出せば1440ドル付近へと今年最高値再トライも。下方向には5月安値からの上げ幅の38.2%戻し、1370ドル台までが当面の下振れ目安に。
週間ベースでは+13.6ドル、0.97%の続伸。月間では+102.6ドル、7.83%の大幅続伸。月間上昇幅では2016年6月(+103.1ドル、8.47%)以来、3年ぶりの大幅高。
NYプラチナは+22.9ドル、2.82%の大幅反発。週末を前に安値圏での保ち合い上方ブレイクに伴う上値トライの流れが加速。抵抗水準となる可能性もあった820ドルをNY朝に超えると加速度が増して830ドル台後半まで一段高。5月前半安値850ドルまで、もう一段の上昇余地も。
週間では+24.5ドル、3.02%の続伸。月間では+41.3ドル、5.2%の反発。
ドル円は10銭ほどのドル高円安となって小幅に3日続伸。週末の米中首脳会談を控えて値動きは限定的に。東京時間につけた安値107円50銭台から、下ヒゲを残す形でNY時間には107円90銭近辺まで上昇。トランプ米大統領はG20終了後にソウルを訪れ、30日には「南北の非武装地帯(DNZ)に行って北朝鮮の金委員長に会うだろう」と予定をツイートしていることから、中国との首脳会談ではそれほどネガティブな結果にはならないことも予想されそう。少なくとも追加関税見送りとなればリスク後退ムードが強まることも予想され、週明けには円安進行の展開にも。2カ月間抵抗線となってきた20日移動平均線(108.05)を上抜け、108円半ばの抵抗水準も超えることになれば109円半ばまでが次の上値目標にも。
週間では+0.58円、0.54%の反発。月間では-0.39円、0.36%の小幅続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/28終値とチャート
- 2019年6月29日(土)時点の相場
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国内金 : 5,229 円 6/28(金) ▲14(0.27%) 国内プラチナ : 3,039 円 6/28(金) ▲10(0.33%) NY金 : 1,413.7 ドル 6/28(金) ▲1.7(0.12%) NYプラチナ : 835.5 ドル 6/28(金) ▲22.9(2.82%) ドル円 : 107.89 円 6/28(金) ▲0.11(0.10%)
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