更新日：2020年1月27日(月)
新型コロナウイルスの感染は拡大し、中国本土での死者は27日朝時点で80名、感染者数は2700件超え。国外でも東アジア、東南アジア、豪州、欧米まで感染は拡大。威信をかけて拡大抑止に躍起の中国政府は湖北省武漢市などの封鎖に加え、春節の連休延長も決定。米国に次いで日本政府も武漢市周辺の自国民脱出用チャーター便手配に動き始めました。
週を跨いで市場での警戒感も拡大しているようです。
週明け東京早朝の時間帯にはイラクの首都バグダッドにある米大使館に向けてロケット弾が5発発射され、うち1発が大使館を直撃との報道もあり、リスク回避の流れが増幅。
為替は円全面高とドル高、ドル円は先週末の109円20銭台から30銭程度水準を切り下げて109円割れでのスタート、一時108円70銭台まで水準を切り下げる場面も。
逆に水準を押し上げられた時間外のNY金は先週末の1570ドル付近から1580ドルまで、10ドルほどの窓開けスタート後、一時1590ドル手前まで上昇。
27日の国内金価格は+39円、0.65％の反発。近年最高値1月8日（6061）以来、20日ぶりで今年2番めの高値。5900円の大台ライン前後までを下値目標に調整局面拡大の可能性もあった状態は新型肺炎リスクによって巻き戻され、逆に小幅保ち合いを上抜ける形にも。方向感は定まり難い状況ながら、可能性としては上値再トライへと向かう展開も想定され、今年高値更新、最大6100円近辺までが短期上値目標にも。5980円が当面の下値サポート、これを割り込むような展開となれば調整再開で一段安の展開にも、下値目安は12月安値から1月高値までの38.2％戻し（5872）となる5870円近辺まで。
国内金価格は2019年末に5790円の高値をつけ、2020年は5927円へと一段高でスタートしており、今だにこの1月6日の5927円が2020年の安値。5800円台を素通りし、窓を開ける形となり、その後も高値圏での推移が続きます。8日につけた高値6061円はイランの報復攻撃直後で、NY金が一時的に1610ドル台まで吹け上がったタイミングでの価格。リスク緩和に伴い、「比較的早期に窓埋めへと向かうだろう」との思惑は裏切られた状態で3週間が経過しようとしています。
新型肺炎リスクという新たなリスクにもサポートされ、空白の5800円台窓埋めの展開も先送りの様相にもなってきました。
ただし、中期的な水準で見ると2019年5月安値4821円からこの1月高値6061円までの23.6％戻しでも5768円。週足一目均衡表の転換線も現状5813円。
2018年8月安値を起点とした場合の23.6％戻しなら5683円。週足一目均衡表の基準線も現状5670円。
水準的には、そう遠くない時期に空白の5800円台の窓埋めへと動いたとしても、何ら不思議はありません。
一足先に調整局面入りも、という様相にもなってきた国内プラチナ価格は、2018年から2019年にかけてトリプルボトムを形成し、概ね3000円から3500円までの値幅500円分さらに水準を切り上げると4000円。これにはまだ少し届いてはいませんが、いったん調整となれば2019年6月安値から今月高値までの23.6％戻し（3697）付近となる3700円前後までの下押しも十分想定できそうです。なお、週足一目均衡表の転換線でも3654円。基準線は3497円。トリプルボトムのネックラインとなった3500円近辺は、中期的な強めのサポートとして作用する可能性もありそうです。
27日のプラチナ価格は-32円、0.84％の続落。時間外のNYプラチナは金に連れて上振れスタート後に急反落、1010ドル台後半から先週末水準1010ドルを素通りすると一時1000ドルの大台ライン割れを試すなどリスク回避の株安の流れに追随する展開。高値保ち合いレンジ下限付近に位置していた国内プラチナ価格は保ち合い下放れを余儀なくされ、短期的な流れはほぼ調整局面入りの状態にも。金とは必ずしも方向感は一致しないものの、複数リスクにも振り回され、高値圏で不安定な状態に陥る状況は同様。目先の調整目安としては3730円台辺りまで。
※参考：金プラチナ国内価格1/27とチャート
2020年1月27日(月)時点の相場
国内金：6,021 円 1/27(月) ▲39(0.65％)
国内プラチナ：3,800 円 1/27(月) ▼32(0.84％)
NY金：1,571.9 ﾄﾞﾙ 1/24(金) ▲6.5(0.42％)
NYプラチナ：1,010.6 ﾄﾞﾙ 1/24(金) ▲3.3(0.33％)
ドル円：109.29 円 1/24(金) ▼0.20(0.18％)