金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ユーロ圏総合PMIは伸び悩みで2020年スタート

更新日:2020年1月25日(土)

ユーロ圏・独・仏・米製造業PMI 2020年1月速報マークイット発表のユーロ圏製造業PMIの1月速報値は市場予想の46.8を1ポイント上回る47.8。節目50割れの景気縮小状態はこれで12ヵ月連続となったものの、12月からは1.5ポイントの急上昇で昨年4月(47.9)以来、9カ月ぶりの高水準へと上昇。回復基調が進行している状態を示す結果となりました。
フランスもドイツも市場予想を上回り、フランスは6ヵ月連続の節目50超、ドイツは45.2で13ヵ月連続50割れも昨年2月以来11カ月ぶり高水準となり、7カ月ぶりに40台前半の低迷状態から脱却。ユーロ圏の回復を一番下から押し上げる構図にも。

ドイツではサービス業PMIも54.2となって5カ月ぶりの高水準。この結果、ドイツの総合PMIも51.1となって12月からは0.9ポイント上昇し、2ヵ月連続50超で5カ月ぶり高水準へと一段高。
ドイツの生産と需要は1月に好転し、新規受注は7カ月ぶりに増加。好調は雇用にも波及し、雇用創出ペースはサービス業の労働力増加にも支えられて5ヵ月ぶり高水準。生産見通しは16ヵ月ぶり高水準。サービス業のセンチメントは9ヵ月ぶり高水準となり、製造業のビジネス信頼感は1年半ぶりの高水準。

フランスではサービス業PMIが予想を下回る51.7にとどまり12月からも低下、総合PMIは51.5となって12月から0.5ポイント低下して4カ月ぶり低水準。ストライキがサービス業を直撃し、ドイツの改善を相殺する形となってユーロ圏の足を引っ張りました。

ユーロ圏のサービス業PMIは52.2となって12月の52.8からは低下、ユーロ圏の総合PMIも50.9で横ばい推移。
ユーロ圏としても、製造業は回復傾向が鮮明となる状態に対してサービス業の成長軌道は鈍化、2020年は総合PMIも伸び悩みの状態でのスタートとなりました。
なお、数値的に見てもユーロ圏の総合PMIの伸び悩みはフランスのサービス業鈍化だけによるものではなさそうです。
12月の製造業PMIで急低下していたイタリア、スペイン、オランダの1月の動向、12月の総合PMIでは2ヵ月連続50割れでドイツに逆転されて最下位となっていたイタリアの1月の動向が気になるところです。

PMIでは最下位のドイツがユーロ圏の景気低迷を牽引してきたこれまでの構図が、2020年には変化の兆しも見られそうです。

NY金・日足チャート 2019/12/18 - 1/2424日のNY金相場は+6.5ドル、0.42%の続伸。終値ベースでは1月7日の今年高値1574.3ドルに次いで今年2番めの高値。時間外はゆるやかな調整、節目の1560ドルを割れるとNY朝には一時1550ドル台半ばまで下押し。米1月製造業PMIが市場予想を下回り、2ヵ月連続の低下となったタイミングで株安とドル安、長期金利の低下が急速に進行。米国で2人めの新型ウイルス感染者が確認され、フランスでも複数の感染などパンデミックへの警戒感も拡大し、リスク回避の流れが強まる展開となってNY金は急反発。NY午後には一時1575ドルまで、およそ20ドルの上昇。節目の1560ドル付近での揉み合いからの一段高となり、引き続き上値目標1590ドル近辺までさらに水準を切り上げる可能性も継続。
週間ベースでは+11.6ドル、0.74%高となって5週続伸。5週続伸は2017年12月から2018年1月にかけて以来、2年ぶり。

NYプラチナ・日足チャート 2019/12/18 - 1/24NYプラチナは+3.3ドル、0.33%の小幅反発。7日ぶりに騰落率1%を下回る状態となって鯨幕相場を締めくくる動きも、時間外につけた安値1004ドル付近からNY朝には1022ドル付近まで上昇し、上下18ドル弱の変動値幅を確保して上ヒゲ陽線、かつ上値切り下げと下値切り上げで三角保ち合いの値幅は縮小、方向感喪失状態も変わらず。新型ウイルスによる影響が予想以上に拡大しており、週明けの状況次第で金の値動きも影響をを受ける可能性もあり、それに追随する展開も。テクニカル的には上昇一服後の反落警戒感のほうが勝る状態は変わらず、1000ドル割れなら下値目安は970ドルへ。逆に1020ドル台を超えると1060ドル台を目標に上値トライ再開への可能性も。
週間ベースでは-14.2ドル、1.39%の反落。

ドル円・日足チャート 2019/12/20 - 1/24ドル円は20銭のドル安円高となって4日続落。1月8日(109.10)以来、半月ぶりの安値水準。欧州時間には109円60銭台まで水準を切り上げて揉み合い状態、NY時間には新型ウイルスへの警戒感から株安と金利低下とともに為替は円全面高の展開に。米製造業PMIの1月速報値がやや低調となったことも下押し圧力となり、米10年債利回りが3ヵ月半ぶり低水準となる1.7%割れへと急低下したことにも連れて一時109円20銭割れ。ドル高円安方向優勢の流れは終息し、調整局面入りの様相に。1月8日安値107円60銭台から17日高値110円20銭台までの38.2%戻し(109.28)の水準でいったん下げ止まった形となり、この水準を維持できれば110円20銭の上限までのレンジで保ち合い形成にも。下げ止まらない場合には半値戻し(108.97)の109円ライン、61.8%戻し(108.65)辺りまでが下値サポート候補に。
週間ベースでは-85銭、0.77%安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/24終値とチャート

2020年1月25日(土)時点の相場
国内金5,982 円 1/24(金) ▼19(0.32%)
国内プラチナ3,832 円 1/24(金) ▼55(1.41%)
NY金1,571.9 ドル 1/24(金) ▲6.5(0.42%)
NYプラチナ1,010.6 ドル 1/24(金) ▲3.3(0.33%)
ドル円109.29 円 1/24(金) ▼0.20(0.18%)

1/24(金)のその他主要マーケット指標

新型肺炎リスク拡大、空白の金価格5800円台窓埋めも先送りか 1/27(月)

ユーロ圏総合PMIは伸び悩みで2020年スタート 1/25(土)

ラガルド「リスクは依然下向き」消費者信頼感も底入れできず 1/24(金)

KOMTRAX月次データ・前年比3ヵ月平均が示す景気減速警戒感 1/23(木)

金ETF残高と90日移動平均から見るNY金の反落警戒感 1/22(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ