3月
金プラチナ短期相場観
米雇用者数はいきなリ戦後最大レベルの急減
更新日：2020年4月4日(土)
米・失業保険申請件数は3月第3週に330万件、第4週には664.8万件となり、2週前まで過去最大だったリーマンショックの時の66万件の10倍にも達し、直近2週合計では1000万件という驚愕の数字となっていました。これに対し、今回の米3月雇用統計では調査対象週が3月第2週となるため、それほど驚くような数字にはならないだろう、なるのは4月から、とたかをくくっていましたが、いきなり衝撃的な数字が飛び出しました。
市場反応が極めて限定的となったのがやや不可解ではあります。現実を理解しきれないのか、目をそむけたいと思う向きが多かったのか、もしかして予想通りと見ていた向きが多かったのか。今後さらに悪化することが予想される以上、悪化スタート時期の数値に一喜一憂しても仕方がない、との考えもあるかもしれません。
米3月雇用統計で、非農業部門雇用者数（NFP）は前月比-70.1万人となり、市場予想の-10万人程度を大きく下回りました。
NFPが前月比マイナスとなるのは、2010年9月（-6.5）以来、9年半ぶりのこと。
-70.1万人は、2009年3月（-80.0）、リーマンショック後の金融危機以来、11年年ぶりの急減。
なお、この時は2008年11月（-72.7）から5ヵ月連続で-70万人超の減少となっていました。
リーマン破綻後、6番目の大幅減、ということにはなります。
さらに遡って前月比-70万人超となった月を探すと、1949年10月（83.8）と1945年9月（-195.9）の2回のみ。
今回のNFPの数値は、いきなり戦後最大レベルの急減、となっています。
3日のNY金相場は+8.0ドル、0.49％の続伸で3月27日（1654.1）以来、1週間ぶりの高値水準。東京・欧州時間にかけてはドル高優勢の流れに1630ドル台から1620ドル台半ばまで小幅調整、NY市場では米3月雇用統計の想定以上の悪化を受けて1640ドル台へと20ドル程の急騰、その後発表された3月のISM非製造業景況指数は52.5と予想外の好結果となったこともあり、伸び悩む状態となったものの、NY引け後には一時1450ドル台を試す場面も。3月の指標ではまだバラツキも見られるものの、4月以降の指標では確実に悪化状態が顕著に示されることが予想され、株価の重石となってNY金の買い材料にも。やや不安定感も残しながら、目先の抵抗水準となる1660ドルをしっかり上抜けることができれば終値ベースでの今年高値更新トライで1680ドル台までが上値目標に。下方向には1620ドル付近が目先のサポート候補に。
週間ベースでは-8.4ドル、0.51％の反落。
NYプラチナは-11.9ドル、1.63％の反落。4日連続変動値幅20ドル台の小動きとなったこの日は20.2ドルで3週間ぶりの小動き。710ドル台から730ドルまでの小幅レンジでの保ち合い推移が続き、この日も時間外の730ドル付近が高値となって軟調推移。NY朝の雇用統計後には株安に連れる形でやや下振れ、710ドル付近まで下げたのがこの日の安値。しかし、NY午後にかけては米株の軟調推移に反して金の堅調推移に寄せる形となって720ドル台を回復。730ドルの保ち合い上限をしっかり上抜けることができれば反発基調再開で上値目標は2018年8月安値圏770ドル台。逆に保ち合い下限を割り込んでしまうと下値トライ再開で650ドル台までが下値目安に。
週間ベースでは-23.5ドル、3.17％の反落。
ドル円は50銭超、0.44％のドル高円安で続伸。108円をはさんでの保ち合いとなった東京時間から、欧州・NY時間にかけては108円台半ばへと水準を切り上げる展開。NY朝の雇用統計では一時的に20銭程度の急落と、反応は極めて限定的。ドル高・円高・その他通貨安とリスク回避優勢の流れにはなっており、ドル円では拮抗状態となって再びボラティリティが低下しつつある状態にも。20日移動平均線（107.87）で下値をサポートされ、1週間ぶりに200日移動平均線（108.31）超え。目先はこれがサポートとなれば90日移動平均線（108.97）が上値目標に。
週間ベースでは+52銭、0.48％の反発。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場4/3終値とチャート
- 2020年4月4日(土)時点の相場
-
国内金 ： 6,074 円 4/3(金) ▲109(1.83％) 国内プラチナ ： 2,760 円 4/3(金) ▲28(1.02％) NY金 ： 1,645.7 ﾄﾞﾙ 4/3(金) ▲8.0(0.49％) NYプラチナ ： 718.1 ﾄﾞﾙ 4/3(金) ▼11.9(1.63％) ドル円 ： 108.46 円 4/3(金) ▲0.48(0.44％)
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