金プラチナ短期相場観

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逆相関強まるドルインデックスと金、ドルは一段安の兆しも

更新日:2020年7月29日(水)

GOLDとドルインデックス 2020年7月28日NY金とドルインデックスの関係性は、逆相関関係が強まる場面が時折、見られます。今がその時のようです。
年初から2月まではドル高・金高となる正の相関関係となっていました。コロナショックとなった3月には全部売りでドルだけが買われる場面もあり、ドル高・金安の展開にもなりました。この時から、ドルインデックスとNY金との逆相関の関係は強まり始めます。
短期的には(ドル安・金安など)同じ方向へ動く場面もありましたが、足下ではドル安・金高の流れが急速に進行中。90日間の逆相関係数は-0.79台まで急低下、強めの逆相関を示す状態となっています。

ドルインデックス長期推移 2020年7月28日ドルインデックスは現状、長期的なサポート水準、95ポイントラインを割り込んできました。
FOMCではゼロ金利の長期化見通しと緩和政策継続が見込まれ、コロナショックからの景気回復基調では米国に比べてユーロ圏のほうが比較的好調の兆しとなっていることもあり、ユーロ高ドル安基調も急速に進行。足下では円高ドル安も動き始めた様子も。
コロナショックの時まで大きく売り込まれた豪ドルも春以降は対ドルで急速に買い戻しが進行し、アルゼンチン・ペソを除く主要新興国通貨も春以降は対ドルで買い戻し優勢の展開となっています。

ドル安基調も、NY金の大台トライを支える重要なサポート要因の一つとなっています。

NY金・日足チャート 2020/6/23 - 7/2828日のNY金相場は+13.6ドル、0.7%高となって8日続伸。終値ベースでは3日連続で最高値を更新、時間外には一時1974.7ドルまで急騰する場面もあり、ザラ場ベースでも2日連続で過去最高値を更新。8日続伸以上は2月以来、5ヵ月ぶりで今年3度め。前日NY引け後から上値トライの勢いを強めると40ドル超の急騰、利益確定売りの展開となって程なく元の水準へと急落すると、欧州時間にかけては買われ過ぎたユーロドルの巻き戻しに同調する形で軟調推移。戻り売りの展開となって一時急落する場面もあったものの、1900ドルの大台付近で下げ止まるとNY市場にかけては押し目買いの様相となって1940ドル台を回復。株安の流れと米7月消費者信頼感指数がやや低調となったことなどもサポート材料に。最高値圏での売り買い交錯で乱高下の結果、依然として戻り売り圧力よりも押し目買い圧力のほうが勝る状態を示すような展開に。急騰前、14日安値1791.1ドルからこの日の高値までの38.2%戻し(1904.6)から1900ドルの大台付近までが目先のサポート候補となり、これを維持して足場固めとなれば比較的早期に次の大台トライの展開にも。1900ドルを割れると50%戻し(1882.9)から61.8%戻し(1861.2)辺りまでが次のサポート候補に。

NYプラチナ・日足チャート 2020/6/23 - 7/28NYプラチナは+19.6ドル、2.03%の続伸。2月19日(1004.5)以来、5ヵ月ぶりの高値。前日NY引け後には金の急騰局面に追随、1000ドルの大台トライを何度か試した末、ようやく突破もこれを維持できず、金の急反落にも連れる形で940ドル付近まで60ドルの急落。NY市場にかけての反発局面では980ドル台を回復し、結果的に短期上値目標980ドル台で落ち着いた状態に。目先950ドル台のサポートを維持できれば大台再トライの展開にも。

ドル円・日足チャート 2020/6/24 - 7/28ドル円は30銭ほどのドル安円高、0.28%安で4日続落。3月12日(104.83)以来、4ヵ月半ぶりの安値。東京朝の時間帯にはショートカバーの展開で105円60銭台まで反発。しかしこの水準で上値の重さを確認すると欧州時間にかけて戻り売りスタート。105円付近では下げ渋る展開にもなったものの、米7月消費者信頼感指数が市場予想を下回る92.6と低調、前月の98.3からも反落となって回復基調の失速を示す結果を受けて105円割れ。株安の流れもあり、上値は重く105円をはさんでの攻防状態に。3月安値(101円10銭台)から戻り高値(111円10銭台)までの61.8%戻し(105円20銭)付近を維持できず、下値トライの流れは進行中。76.4%戻しとなる103円60銭近辺までが当面の下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/28終値とチャート

29日の国内金価格は-27円、0.37%安となって6日ぶりの反落。NY金の乱高下、のち高止まり状態に支えられて小幅調整。FRBは9月末を期限としていた緊急融資プログラムの大半を年末まで延長することを先行発表しており、FOMCでも金融政策は現状維持、ゼロ金利の長期化と緩和政策をあらためて強調するものと見られ、ドル安・金高基調をサポートする状態が当面続くことにも。目先、もう一段の調整となれば今回の急騰局面の起点となった7月17日の6791円から最高値7262円までの23.6%戻し(7151)辺りから38.2%戻し(7082)近辺までがサポート候補に。高値再更新となれば7300円台が上値目標に。

プラチナ価格は-28円、0.8%安で7日ぶりの反落。過熱感解消へともう一段の調整が進めば7月16日3122円から3501円までの23.6%戻し(3412)から38.2%戻し(3356)辺りまでがサポート候補に、上値トライ再開へと向かえば3550円近辺までが上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格7/29とチャート

2020年7月29日(水)時点の相場
国内金7,235 円 7/29(水) ▼27(0.37%)
国内プラチナ3,473 円 7/29(水) ▼28(0.80%)
NY金1,944.6 ドル 7/28(火) ▲13.6(0.70%)
NYプラチナ986.2 ドル 7/28(火) ▲19.6(2.03%)
ドル円105.04 円 7/28(火) ▼0.29(0.28%)

7/28(火)のその他主要マーケット指標

250ドル超上昇した年のNY金の高値が8月以降となる確率は83% 7/30(木)

逆相関強まるドルインデックスと金、ドルは一段安の兆しも 7/29(水)

1400ドル到達から最高値更新までの金価格推移:2011年×2020年 7/28(火)

感染拡大、米中対立、ドル安、金価格高騰も止まらず 7/27(月)

ドイツ製造業PMIは1年7ヵ月ぶり50、ユーロ圏PMIも急回復 7/25(土)


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