金プラチナ短期相場観
ドイツ製造業PMIは1年7ヵ月ぶり50、ユーロ圏PMIも急回復
更新日:2020年7月25日(土)
ドイツの製造業PMIは7月速報値で50.0。6月の45.2から急上昇、市場予想の48.0も大きく上回り、2018年12月(51.5)以来、1年7ヵ月ぶりに節目の50を回復。長いトンネルをようやく抜け出した格好に。サービス業PMIも56.7となって5ヵ月ぶりの節目50以上、2018年1月(57.0)以来2年半ぶりの高水準。この結果、総合PMIも55.5で4ヵ月ぶりの50超、1年11ヵ月ぶり高水準。
PMIとしてはユーロ圏のなかで下位に低迷していたドイツが下から押し上げる形となり、ユーロ圏のPMIも急回復。
ユーロ圏の7月速報値は総合が54.8(2年1ヵ月ぶり高水準)、サービス業55.1(2年5ヵ月ぶり高水準)、製造業PMIは51.1。これも1年6ヵ月ぶりの50回復で1年7ヵ月ぶり高水準。
ただしユーロ圏の牽引役としてはフランス。製造業、サービス業、総合、全て2ヵ月連続の50超となり、総合PMIの57.6は2年半ぶり高水準。
ユーロ圏全般では雇用の減少はまだ続いてはいるものの、フランスでは直近5ヵ月では最小レベルまで縮小している模様。
ロックダウン解除後の経済活動再開が進行するに連れ、スローペースながらも回復は順調に進んでいることを、このPMI急騰が示している様子です。
対象的に米国の製造業PMIは51.3。5ヵ月ぶりに節目の50を回復し、ユーロ圏をわずかに上回りながらも市場予想の52.0を下回り、やや期待外れに。
サービス業では51.0の予想に対して49.6と節目の50も回復できず。南部を中心とする感染拡大と規制再開が影響しているようです。
なお、日本の製造業PMIは7月速報値で42.6。6月の40.1からわずかに上昇も依然として低水準。節目50割れは15ヵ月連続。欧米との差は拡大。
国内の現状がしっかり表れているようにも見えます。
24日のNY金相場は+7.5ドル、0.4%高となって6日続伸。2011年8月22日の1891.9ドルを5.6ドル上回り、8年11ヵ月ぶりに終値ベースでの過去最高値を更新。6日続伸以上は2月以来、5ヵ月ぶりで今年3度め。6日間でほぼ100ドル水準を切り上げ、7日前の1800ドルから1900ドルの大台までを一気に駆け上がるラストスパートのような展開でほぼ押し目なしの急騰。この日も時間外には1880ドル台で小幅揉み合いとなって下げ渋り、欧州・NY時間にかけてユーロ高ドル安の流れと株安の流れを受けて徐々に下値を切り上げる展開に。ヒューストンの中国総領事館閉鎖に対して中国は四川省成都市の米国総領事館閉鎖で対抗、すると今度はサンフランシスコの中国総領事館にかくまわれていた中国人研究者の拘束。米中対立への警戒感からリスク回避の流れとなって欧米株は続落、世界同時株安で安全資産として金が買われた側面も。NY朝に1900ドルの大台ラインを突破すると一時1904.6ドルまで上昇。その後は1890ドル台後半での小幅揉み合いを経て、引け後には再び1900ドルを回復。残る既存ターゲットとしては2011年9月6日につけたザラ場ベースでの過去最高値1923.7ドル。現状からすると、これも単なる通過点となる可能性も。ただし20日移動平均+2.5%乖離ライン(1861.8)近辺までの調整はいつ入ってもおかしくはない状況にも。
週間ベースでは+87.5ドル、4.83%の大幅高で7週続伸。上げ幅としては4月6日からの週(+107.1ドル、6.51%)以来、3ヵ月半ぶりで今年4番めの急騰。
NYプラチナは-7.8ドル、0.81%安で6日ぶりの反落。急騰後の十字線となった前日の足型が示唆したとおり、反落の展開となったのは時間外まで。950ドル台から930ドル台前半まで急落の展開となった後、欧州・NY時間にかけては金の堅調推移に追随して反発、NY朝には一時960ドル台後半まで上昇もこれを維持できず。それでもなんとか950ドル台では踏みとどまった状態に。次週、調整進行となれば900ドルの大台ラインがサポート候補。金の高値トライが止まらず、これに追随する展開となれば、まずは980ドル台辺りまでが次の上値目安に。
週間ベースでは+106.4ドル、12.52%の大幅高で4週続伸。上げ幅としては3月23日からの週(+119.1ドル、19.13%)以来、4ヵ月ぶりで今年2番めの急騰。
ドル円は70銭超のドル安円高、0.67%の続落。5月6日(106.08)以来、2ヵ月半ぶりの安値。連休2日め、東京市場休場2日めの朝から売り圧力が強まる展開に。米中対立懸念からリスク回避の株安・円高の流れとなって106円半ばまで急落すると戻りは限定的となり、保ち合い下放れの流れから欧州時間以降も下値を切り下げる展開に。ユーロ圏のPMIが予想以上の好結果となったのに対し、米国のPMIが低調となったこともユーロ高ドル安の流れとなってドル円への下押し圧力にも、NY時間には一時3月半ば以来4ヵ月ぶり安値圏となる105円60銭台まで下落。引けにかけては106円台を回復も、流れは下方向へと動き出した様子も。3月安値101円10銭台から戻り高値111円10銭台までの61.8%戻し(105円20銭)の少し手前で切り返す形となったものの、この水準までの再トライと76.4%戻し(103円60銭台)近辺までが当面の下値目標に。
週間ベースでは-86銭、0.8%の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/24終値とチャート
- 2020年7月25日(土)時点の相場
-
国内金 : 6,908 円 7/22(水) ▲63(0.92%) 国内プラチナ : 3,309 円 7/22(水) ▲112(3.50%) NY金 : 1,897.5 ドル 7/24(金) ▲7.5(0.40%) NYプラチナ : 956.0 ドル 7/24(金) ▼7.8(0.81%) ドル円 : 106.14 円 7/24(金) ▼0.72(0.67%)
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