金プラチナ短期相場観

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コアPPIに続いてコアCPIも底入れ、コアPCEもインフレ上昇へ

更新日:2020年8月13日(木)

コアCPI・PPI・PCE 2020年7月コアPPIは6月に過去最低となる前年比+0.08%まで低下し、今週発表された7月分では+0.34%へと反発。市場予想の前年比+0.0%程度を大きく上回り、5月(+0.34)と同水準となって6月からは0.26%の急上昇。コロナ後の需要低下などに伴う低インフレの流れに歯止めがかかり、底入れの可能性を示す状態となりました。

コアCPIも6月には前年比+1.19%となり、2011年3月(+1.19)以来9年3ヵ月ぶりの低水準となっていましたが、この日発表された7月分では前年比+1.57%。市場予想の+1.1%を大きく上回り、6月からは0.38%の急騰で3月(+2.09)以来、4ヵ月ぶりの高水準。コアPPIに追随し、低インフレの底入れを示唆する形に。

原油価格が4月に底入れ、反発基調となっていることにもサポートされ、ガソリン価格の回復基調が続いていることに加え、中古車価格は6月の前年比-2.8%から7月は-0.9%へ、自動車保険も-10.1%から-1.9%へ、自動車関連での価格急回復が目立ちます。さらに航空運賃も-27.2%から-23.7%など、前年割れが続いてはいるものの、回復傾向となっています。

コアPCEは4月に前年比+0.93%で2010年12月(0.90)以来、9年4ヵ月ぶり低水準となっていました。5月には+0.96%、6月は+0.95%と底値圏での横ばい推移が続いていますが、7月分では、コアPPIとコアCPIに牽引される形で底入れ、反発の兆しとなることも予想されます。

なお、インフレ低下局面でも、インフレ上昇局面でも、価格決定における上流階層に位置するコアPPIが、そのトレンドを牽引してきました。
コアPCEを大きく下回る状態に位置するコアPPIが今後一段と上昇し、コアPCEを上抜け、コアCPIも追い越して2%超へと大きく上昇することで、コアPCEの2%回復も見えてくる、というのがこれまでの定石パターン。
そうなるまでには、相応の時間を要することにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2020/7/9 - 8/1212日のNY金相場は+2.7ドル、0.14%の小反発。先週末、7日時間外に過去最高値更新後に調整局面入り、その流れは少なくともこの日の時間外まで、丸3日続いたことに。前日の急落の勢いはNY引け後の一服をはさんでアジア時間に再開、1900ドルの節目を割れると一段安、1870ドル台半ばでようやく下げ止まり。ドル高ユーロ安の巻き戻しに合わせて急反発に転じるとロンドン時間には一時1950ドルまで上昇。NY市場では揉み合いの展開となって1960ドルが上限となる形でNY午後には反落、引け後には1930ドル付近での揉み合い推移。調整に一服感もあるものの、ワクチン相場による株高と長期金利上昇というリスクオンの流れに押され気味の状態にも。短期的にはこの日の高値1960ドルが抵抗線候補、下値はあらためて1900ドルの大台ラインがサポートとなるかどうか。

NYプラチナ・日足チャート 2020/7/9 - 8/12NYプラチナは-12.2ドル、1.26%の続落。展開としては金に追随する形で時間外に一段安、ロンドン時間に反発、NYでは揉み合い推移の展開も、NY終値では前日を下回ってしまった状態。前日NY引け後にこれまでの高値保ち合い下限970ドルを割り込むと、そのまま下値目安930ドル(7月後半以降の上昇幅の半値戻し)まで下落して反発。一時的には970ドルを回復、980ドル付近まで反発する場面もありながら、NY市場では960ドルを上限に940ドル付近までのレンジで揉み合い。この日の安値930ドルが目先の下値サポート候補、960ドルから970ドルが上限候補に。

ドル円・日足チャート 2020/7/9 - 8/12ドル円は37銭のドル高円安、0.35%高で4日続伸。東京朝の106円40銭台が安値となってドル高主導の堅調推移の展開、東京午後からはユーロ主導のドル安の流れにも米10年債利回り上昇を受けて円安優勢となってゆるやかに上昇、NY朝の米7月CPI上振れ確認のタイミングでは107円台に到達。しかし、追加の経済対策の協議に進展がみられないことなどから106円60銭台まで反落するとNY時間は106円80銭近辺を中心に揉み合い推移の展開に。今朝の東京市場では106円60銭台へと軟調推移。短期上値目標107円20銭付近には少し届かずに失速も、下値は106円半ばから20日移動平均線(106.13)などがサポート候補となり、1ヵ月半ぶりとなる90日移動平均線(107.15)超えを再度試しに行く展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/12終値とチャート

13日の国内金価格は+45円、0.62%高で3日ぶりの反発。3月安値(5648)から最高値(7676)までの23.6%戻し(7197)付近到達に伴う一服感からの小反発も、この水準は7月末の小幅保ち合い形成水準にも相当し、居心地の良い節目水準となる可能性も。7200円を下限に7270円が上限候補となって保ち合い形成の様相にも。7200円の下限を割れると7080円程度までを目安に一段安の展開にも。7270円の上限候補を上抜けると7月末から最高値までの61.8%戻し(7379)付近が上値目安に。

プラチナ価格は-19円、0.54%安で3日続落。長期的な節目水準3500円をわずかに割り込んだものの、この水準付近で下げ渋り。6月末以降サポートされ続けた9日移動平均線(3499)も重なるこの水準で今回もサポートされるかどうか。これを割れると短期的な流れは下方向へ、21日移動平均線(3363)が次のサポート候補にも。
※参考:金プラチナ国内価格8/13とチャート

2020年8月13日(木)時点の相場
国内金7,252 円 8/13(木) ▲45(0.62%)
国内プラチナ3,498 円 8/13(木) ▼19(0.54%)
NY金1,949.0 ドル 8/12(水) ▲2.7(0.14%)
NYプラチナ959.2 ドル 8/12(水) ▼12.2(1.26%)
ドル円106.87 円 8/12(水) ▲0.37(0.35%)

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