金プラチナ短期相場観

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追加景気対策進展期待剥落、株高ドル安の巻き戻しで金も失速

更新日:2020年10月20日(火)

NY金とダウ+200日移動平均線 2020年10月19日米国での追加景気対策を巡っては、ペロシ下院議長とムニューシン財務長官の協議は続くものの、歩み寄りが伝えられての合意への期待感と、両者の乖離は埋め切れず、大統領選前の合意は不可能との見方が交錯。協議進展期待が高まれば株高ドル安へ、協議進展困難との失望感が強まれば株安ドル高へ、協議動向睨みで市場も一喜一憂の状態が続きます。
この日も協議進展期待から株高・ドル安のリスク選好の流れが先行し、金も追随して上昇。しかし、経済対策規模などで双方の隔たりは大きく、交渉難航が伝えられると株高ドル安の流れは巻き戻し、これに追随する形で金も急反落。
金はドルとの逆相関を優先し、比較的逆相関となりやすい米株との関係性を解消して連動、半分リスク資産と化した状態となっています。

NY金とダウとの90日相関係数は、10月19日時点では0.688。やや強めの相関関係を示します。
なお、年初からコロナショックで株価が大底をつけた3月23日までの相関係数は0.234。これが3月24日以降現在までの相関係数は0.836へと相関関係を強めています。この間、ドル安傾向が続き、株高ドル安、金高ドル安の流れが続いたことも、金のリスク資産化をサポートしました。

ダウはコロナショックの時には200日移動平均線からの乖離率が-30%前後まで下方乖離していましたが、現在はマイナス乖離を解消し、+8%前後となっています。
NY金は最高値となった8月上旬には200日移動平均線からの乖離率が+25%まで上方乖離していましたが、現在は+8%まで縮小してきました。
今後、ダウは200日線乖離率+8%超へとさらに拡大できるかどうか、NY金は+8%からさらに縮小するのか、踏みとどまるのか、分岐点に差し掛かってきたようにも見えます。

NY金・日足チャート 2020/9/15 - 10/1919日のNY金相場は+5.3ドル、0.28%の反発。欧州では英EU通商交渉継続への期待感からユーロ買い、ポンド買い主導でドル安の流れが進行。米国では追加景気対策協議進展への期待感からリスク選好の株高ドル安の流れが先行。この流れを受けてロンドン時間に金は1900ドル台から1910ドル台後半へと水準を切り上げ、NY朝には一時1920ドル超へと急騰。しかし、英国はEUとの通商交渉を再開する根拠がないとの表明もあり、ユーロドルは失速。米国での協議も与野党の溝は埋まらず、交渉難航との見方が強まり、NY市場では株高・ドル安の巻き戻し。梯子を外された金は1910ドル割れへと急反落。下げ止まった20日移動平均線(1901.2)にも支えられ、1900ドルの大台割れこそ回避したものの、上へ行って来いとなってNY引け後の水準は先週末からほぼ変わらず1900ドル台半ば。1890ドルから1930ドルまでの主要レンジを維持して1900ドルの大台での足場固めにトライ中。

NYプラチナ・日足チャート 2020/9/15 - 10/19NYプラチナは-5.8ドル、0.67%の反落。金に追随する形で上に行って来い、の展開から下方向へオーバーラン。NY朝にかけては20日移動平均線(874.2)も200日移動平均線(875.3)も上抜けて880ドル超へと上昇。NY市場での急反落局面では元の水準も突き抜けて860ドル割れへ。結果的に抵抗線候補の20日・200日線超えに失敗し、下値サポート860ドルも割り込みつつある状態に。このままサポート水準を回復できなければもう一段下値を試しに行く可能性、9月安値圏830ドル近辺までが下値目安。ただし、切り返す展開となって2本の移動平均線を上抜けることができれば形成逆転、反発基調が強まれば900ドルの大台トライへの可能性も。

ドル円・日足チャート 2020/9/15 - 10/19ドル円は8銭ほどのドル高円安、0.08%の小反発。3営業日連続105円40銭近辺での小動きとなり、この日の変動値幅はわずか20銭、今年の平均74銭の3分の1以下。欧州通貨高主導でドル安の勢いが強まった欧州時間の安値は105円30銭近辺まで、ドル安の巻き戻しとなったNY時間の高値は105円50銭近辺までと下値も上値も限定的。上昇に転じた20日移動平均線(105.50)にも上値を押さえられた格好に。今朝の東京市場では円安の勢いが強まり、一時105円60銭まで上値を試す場面も。目先、レンジ上限となっている105円50銭をしっかり上抜ける展開となれば、10月高値106円10銭近辺程度までの上値余地拡大も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/19終値とチャート

20日の国内金価格は+20円、0.28%の反発。短期抵抗線となりつつあった右肩下りの21日移動平均線(7032)との攻防から上抜けへ、右肩上がりの90日移動平均線(7019)とで形成した三角保ち合いを上方ブレイク。9日移動平均線(7056)もわずかに上回り、上方向への節目7050円も上抜け。一時的な上振れでなければ短期的には上値トライへと向かう可能性。上値の重いNY金のサポートがあれば、上値目標は10月高値更新、7150円台辺りまで。下値警戒感も払拭し切れず、巻き戻しの展開となって7030円を割り込むようだと下値トライへと流れが反転する可能性も。その場合の下値目安は9月安値保ち合い水準6920円前後まで。

プラチナ価格は-4円、0.13%の小幅続落。弱気のパーフェクトオーダーで並ぶ移動平均線にしっかり上値を押さえられ、反発したくてもできないような格好にも。NYプラチナに下方圧力が強まる状態にも連れ、下値目安3150円近辺まで、もう少しの下落余地。反発方向へは3240円台が当面の抵抗水準、これを超えるような展開となれば一段高となって上値目標は10月高値更新、3330円台辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格10/20とチャート

2020年10月20日(火)時点の相場
国内金7,058 円 10/20(火) ▲20(0.28%)
国内プラチナ3,185 円 10/20(火) ▼4(0.13%)
NY金1,911.7 ドル 10/19(月) ▲5.3(0.28%)
NYプラチナ863.5 ドル 10/19(月) ▼5.8(0.67%)
ドル円105.47 円 10/19(月) ▲0.08(0.08%)

10/19(月)のその他主要マーケット指標

米9月住宅建設許可件数は13年半ぶり高水準 10/21(水)

追加景気対策進展期待剥落、株高ドル安の巻き戻しで金も失速 10/20(火)

国内金価格90日移動平均は史上初7000円超・・・で失速感 10/19(月)

小売売上高はコロナ前を回復、鉱工業生産は13ヵ月連続前年割れ 10/17(土)

世界の景気回復を牽引する中国ではデフレ懸念が拡大 10/16(金)


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