金プラチナ短期相場観

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原油価格低迷が足を引っ張るインフレ伸び悩み

更新日:2020年10月31日(土)

PCEデフレーターとNY原油 2020年9月米商務省が発表した9月のPCEインフレは前年比+1.37%。5ヵ月続伸で2月(1.84)以来の高水準となり、回復基調は続くものの市場予想の+1.5%程度に届かず。食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+1.55%。5ヵ月続伸で3月(+1.65)以来半年ぶり高水準ながら、市場予想の+1.7%を下回り、目標水準2%以上には遠い状況。
なお、ダラス連銀発表の上下の一定割合を除いて算出するトリム平均インフレは前年比+1.87%となって8月の+1.91%からは小幅に低下。価格変動分布の中央部分のみを対象に算出するクリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+2.34%。こちらは5月の+2.55%から小幅に4ヵ月続落。

PCEの内訳ではサービス価格が8月の前年比+1.8%から9月は+2.0%へと上昇したのに対し、商品価格は-0.1%で横ばい推移、前年割れは7ヵ月連続。また、エネルギー関連とサービス価格は-8.1%となり、4ヵ月連続上昇も7ヵ月連続の前年割れ。

前日発表され、過去最大の伸びとなった米7-9月期GDP速報では個人消費の好調ぶりも示されたものの、個人消費支出の物価指数の低迷は続きます。
その要因の一つとなっている原油価格の低迷も続きます。

NY原油価格は波乱の4月に月間平均でも16.7ドルまで急落し、7月までに40ドル台へと急回復しましたが、9月の月間平均では39.65ドルへと40ドル割れ。
9月以降のNY原油価格は40ドル前後での横ばい推移が延々と続きましたが、原油生産量の増加傾向に対して景気減速懸念とともにエネルギー需要減への警戒感も高まり、この10月末にかけては3日続落で35ドル台へと急落。6月1日以来、5ヵ月ぶり安値水準となっています。
10月の月間平均では39.58ドルと小幅安にとどまってはいますが、今後しばらくは原油価格低迷が足を引っ張り、インフレ伸び悩みの状態も続きそうです。

NY金・日足チャート 2020/9/28 - 10/3030日のNY金相場は+11.9ドル、0.64%高で3日ぶりの反発。前日下落分を取り戻し、時間外での安値は1860ドル台前半までにとどまって前日安値を下回らず、短期下値目安1850ドル前後に対してはわずかに届かず29日安値1859.2ドルで折り返した形に。ただしNY朝につけた高値も1890ドルまで、前日高値こそ上回ったものの週前半までの保ち合い下限にいったん上値を押さえられた格好にも。ドル高の巻き戻しとなっていた流れがNY朝に反転したこともあり、NY引けにかけては1880ドル割れ。リスク回避ムードが強まるなかで株安ドル高の流れが続いた週、ドル高に押されて株安に同調する軟調な流れが続いた金も週末にようやく調整一服となった形にも。1860ドル台が目先のサポート、1890ドルが抵抗水準候補となり、下方圧力が再び強まるようならあらためて1850ドル前後までが下値目安に、反発基調継続で上値トライへと向えば90日移動平均線(1910.2)付近の節目との攻防へ。
週間ベースでは-25.3ドル、1.33%安で3週続落。3週続落は昨年9月初旬以来、1年2ヵ月ぶり。月間では-15.6ドル、0.82%安で3ヵ月続落。3ヵ月続落は昨年4月以来、1年半ぶり。

NYプラチナ・日足チャート 2020/9/28 - 10/30NYプラチナは-1.1ドル、0.13%の小幅安で3日続落。9月25日(842.0)以来、1ヵ月ぶり安値水準。ただし安値では10月15日(841.7)を下回らず、10月安値更新は回避。850ドル台を中心に小幅揉み合い推移となったこの日、金の反発局面に追随してNY朝につけた高値は861ドルまで。直近の下値目安がいったん抵抗水準に切り替わる形となって反落すると、前日安値をわずかに下回る840ドル台前半まで下落。下げ止まりに失敗しながらも十字線を形成して今後の反発への可能性を示唆も、上ヒゲ長めで続落警戒感との攻防にも。10月安値840ドルが目先のサポート候補となり、上方向には860ドルから200日移動平均線(870.5)までが抵抗水準候補に。
週間ベースでは-58.3ドル、6.43%の大幅反落。月間では-60.8ドル、6.69%の大幅続落。下げ幅は3月以来7ヵ月ぶりで今年3番め。

ドル円・週足チャート 2020/5/11 - 10/30ドル円は6銭程のドル高円安、0.06%の小幅続伸。株安基調に連れて円高優勢となった東京市場では軟調推移、午後には一時104円10銭台まで下落も前日安値を下回らず、トリプルボトムを形成する104円の強めのサポートも意識されて反発へ。株安の流れのなかでも欧州時間からNY朝にかけての反発局面にも連動する形で円安優勢となって104円70銭台まで上昇。104円30銭から105円までの主要レンジを維持し、3日連続104円10銭前後の安値で反発、この日は下ヒゲ陽線となって下値の堅さを確認する形にもなり、波乱も警戒される11月第1週へ。105円台を回復できれば105円台後半までの一段高も。
週間ベースではわずかに-4銭、0.04%安で小幅に3週続落。意外にも3週続落は昨年6月初旬以来、1年5ヵ月ぶり。月間では-76銭、0.72%の続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/30終値とチャート

2020年10月31日(土)時点の相場
国内金6,856 円 10/30(金) ▼34(0.49%)
国内プラチナ3,149 円 10/30(金) ▼49(1.53%)
NY金1,879.9 ドル 10/30(金) ▲11.9(0.64%)
NYプラチナ848.4 ドル 10/30(金) ▼1.1(0.13%)
ドル円104.67 円 10/30(金) ▲0.06(0.06%)

10/30(金)のその他主要マーケット指標

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原油価格低迷が足を引っ張るインフレ伸び悩み 10/31(土)

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