金プラチナ短期相場観
国内金価格は最高値から10%下落して調整局面入り
更新日:2020年11月2日(月)
国内金価格は8月7日につけた過去最高値7676円から10月末の6856円まで820円の下落。下落率にして10.7%。株価なら調整局面入り、とされる下落率10%を超えてきました。
2008年安値2279円から2015年高値5298円までの上昇値幅=3019円。2018年8月安値4458円から3019円上昇した場合の水準=7477円。この上昇ターゲットを200円上回る水準まで急騰した国内金価格の調整局面は、入るべくして入った状態とも言えそうです。
今年、コロナショックの際の乱高下での調整局面では、2月高値6397円から3月安値5648円までの下落率は11.7%(-749円)となっていました。
最高値7676円から11.7%下落した場合の水準は6778円(-898円)。
2018年8月安値から今年の最高値までの23.6%戻し(6917円)を割り込んでしまった現状、この水準を早期回復できないようなら、もう一段の調整が進行してもおかしくはなさそうです。短期的には6800円割れは十分想定可能で、中期的には2018年8月安値から今年最高値までの38.2%戻しとなる6447円辺りまでが意識される局面もあるかもしれません。
その一方で、過去10年余りでの11月の月間平均騰落率は+1.79%。プラス圏となっているのは6ヵ月で2月(+3.44%)、8月(+2.4%)、1月(+2.25%)に次いで4番め。上昇確率では7勝5敗で58.3%。8、1-2、4-7、12月に次いで7番め。なお勝率50%割れは3、5-6、9月のみ。
過去の実績からは、調整局面はそろそろ終わりに近づいている可能性も否定はできません。
しかし、目先は大統領選の動向次第で大荒れの展開への警戒感も漂います。
2日の国内金価格は+40円、0.58%高となって4営業日ぶりの反発。週末に反発したNY金は週明けも1870ドル台で静かなスタート、104円60銭台で横ばい推移となっていたドル円の週明けは20銭弱の下方窓開けスタート後に株高基調にも連れて104円70銭台へと堅調推移。保ち合い下方ブレイクからの急落で若干の行き過ぎ感もあった状態からの巻き戻しとなった国内金価格は調整局面での一服状態も、6900円の大台にわずかに届かず。この水準がレジスタンスに切り替わるようだともう一段の戻り売り継続へ。6850円の節目を割れると、7月急騰前の押し目形成水準6800円から6750円辺りまでが下値警戒水準。反発方向には7000円の大台ラインが当面の抵抗水準候補に。
国内プラチナ価格は今年、1月には3900円台まで急騰し、3月には11年4ヵ月ぶり安値となる2422円まで急落する乱高下。その後も8月に3600円台まで急反発する場面もありましたが、いずれも短命。大きな流れとしては、VWショックとなった2015年秋以降、上値も下値も切り下げ続ける下降チャネルを形成中。目先の上限ラインは3400円近辺。
2013年2月高値から今年3月安値までの38.2%戻し(3577)がサポートとなる可能性もあったものの、これを維持できず現状では23.6%戻し(3135)も割り込んできました。この水準付近を維持できないようだと、5月以来となる3000円の大台割れもチラつくような展開にもなりかねません。
プラチナ価格の11月の平均騰落率は+0.04%、ほぼフラット。上昇確率では金と同じ58.3%。下降チャネルからの早期脱出は、まだ難しいかもしれません。
プラチナ価格は-53円、1.68%安で5日続落。5日続落以上は3月2日までの6日続落以来、8ヵ月ぶり。水準としては7月6日(3071)以来、4ヵ月ぶりの安値。先週末まで3日続落となっていたNYプラチナは週明けも一時840ドル割れを試すなど軟調気味にスタート。保ち合いレンジ拡大の乱高下状態からの急落途上にある国内プラチナ価格は下値目安3070円近辺まで、もう少しの下げ余地。
※参考:金プラチナ国内価格11/2とチャート
- 2020年11月2日(月)時点の相場
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国内金 : 6,896 円 11/2(月) ▲40(0.58%) 国内プラチナ : 3,096 円 11/2(月) ▼53(1.68%) NY金 : 1,879.9 ドル 10/30(金) ▲11.9(0.64%) NYプラチナ : 848.4 ドル 10/30(金) ▼1.1(0.13%) ドル円 : 104.67 円 10/30(金) ▲0.06(0.06%)
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