金プラチナ短期相場観

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ミシガン大インフレ期待も10年ぶり高水準から6月は急失速

更新日:2021年6月12日(土)

ミシガン大・期待インフレ率 2021年6月ミシガン大が発表する1年先の期待インフレ率は春に急騰し、4月には3.4%、5月には4.6%となり、2011年3-4月(4.6)以来、10年ぶりの高水準となりました。
その後、FRBの「インフレ上振れは一時的」との執拗な説明を市場も受け入れ、6月速報値では4.0%へと急低下。
5年先の期待インフレ率も5月には3.0%となり、2013年9月(3.0)以来、7年8ヵ月ぶりの高水準となっていましたが、6月速報値では2.8%へと低下。

市場が予想するインフレ期待値は、しばしば外れるため、インフレ上昇を懸念してインフレ期待値が急騰しても、実際のインフレ率はある程度上昇しても長続きせず、結果としてFRBも利上げで対処する必要性もない、というケースが過去にも見られました。
世界金融危機後の景気回復局面で、2011年にも原油価格の急騰で短期的には消費者物価の上昇により、インフレ期待値も急騰しましたが、消費者物価の上昇も長続きせず、FRBはゼロ金利を継続しました。
結果的にFRBが利上げを再開したのは2015年12月、インフレ期待が急騰した4年半後でした。

なお、ミシガン大消費者信頼感指数の6月速報値は86.4となり、5月の82.9から上昇、4月の88.3には及ばず、コロナ前の2020年2月の101.0にもまだまだ届きません。
ただし、期待指数は83.8となって5月の78.8から急騰、2020年2月(92.1)以来、コロナ後では最高となり、コロナ前の水準回復までもう少し。
前回、期待指数が急落前の水準を回復するのには、2007年から2015年まで、8年も要しました。今回の回復ペースはかなり早そうです。

インフレの安定的上昇でFRBの利上げが必要となるまでの期間も、今回は短めとなる可能性にも警戒しておく必要があるかもしれません。

NY金・日足チャート 2021/5/7 - 6/1111日のNY金相場は-16.8ドル、0.89%安となって3日ぶりの反落。6月3日(1873.3)以来、1週間ぶりの安値。時間外は1900ドルの大台を維持してジリ高推移、ロンドン朝に1906ドルまで上昇して戻り売り。米10年債利回りが1.44%台から1.45%台へと小幅に反発し、ドル高の流れが強まったことを受けて売り圧力が急速に強まると、ユーロドルが1.22ドル手前から1.21ドルまで一方的に売られた流れにも連れてNY午後までに1880ドル割れへと30ドル程の下落。6月のミシガン大消費者信頼感指数が予想を上回る好結果となったことも売り材料となり、20日移動平均線(1887.4)を割り込み、保ち合い下限1870ドル付近ではなんとか下げ止まった状態。上限を1910ドルから1900ドルへと切り下げて保ち合いレンジを縮小、下限を維持できなくなれば調整局面入りへ、1840ドル台までが短期下値目安に。切り返して上限突破できればあらためて1930ドル近辺までが上値目標に。
週間ベースでは-12.4ドル、0.66%の続落。

NYプラチナ・日足チャート 2021/5/7 - 6/11NYプラチナは+5.1ドル、0.45%高で4日ぶりの反発。前日の短期下値目安1140ドル近辺到達、1130ドル割れへと一段安となった後の反発基調はこの日の時間外に1161ドルまで上昇して一服。金の戻り売りに連れたロンドン市場では1140ドル台半ばまで反落、NY序盤には1150ドル台まで反発する場面もあったものの、揉み合い状態となってNY引けにかけては再び1150ドル割れ。結果的に前日までの下落基調からの反発局面も金の下落に引っ張られる形となって限定的となり、中途半端な十字線を形成。下げ止まりの確認と反発局面形成に向けてはまず1160ドル台を回復したいところ。
週間ベースでは-13.3ドル、1.14%の続落。

ドル円・日足チャート 2021/5/10 - 6/11ドル円は34銭のドル高円安、0.31%の反発で3日(110.31)以来、1週間ぶりの高値。東京時間は109円40銭を挟んでの小幅揉み合いに終始、動意付くのは欧州時間から。前日までの3日続落で1.5%を割れて1.4%台前半まで低下していた米10年債利回りが反発に転じたことに連れてドル高の流れがスタート。NY朝には109円60銭台へと水準を切り上げ、ミシガン大消費者信頼感指数の好結果確認後には節目の109円70銭を超えて109円80銭台まで上昇。この水準は維持できず、NY終盤には109円70銭割れへと小反落も、日足では包み線を形成して保ち合い上放れへの可能性を示唆。FOMCでは経済見通し引き上げ、FF金利見通しも若干タカ派寄りへと傾斜する可能性もあり、ドル高支援材料に。109円70銭の節目を上抜けることができれば上値トライの展開へ、上値目標は今年高値圏110円70銭近辺まで。
週間では+13銭、0.12%の小反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/11終値とチャート

2021年6月12日(土)時点の相場
国内金7,268 円 6/11(金) ▲20(0.28%)
国内プラチナ4,414 円 6/11(金) ▼4(0.09%)
NY金1,879.6 ドル 6/11(金) ▼16.8(0.89%)
NYプラチナ1,151.1 ドル 6/11(金) ▲5.1(0.45%)
ドル円109.66 円 6/11(金) ▲0.34(0.31%)

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