金プラチナ短期相場観
4月も過去最大、求人件数は前年比倍増で求人不足解消へ
更新日:2021年6月9日(水)
米労働省が発表した月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で4月の求人件数は928.6万件。市場予想の820万件程度を大幅に上回り、過去最大となった3月の828.8万件からもほぼ100万件の急増。2ヵ月連続の過去最大更新。
前年同月比で見ると4月は+100.6%と倍増。3月の前年比+43.7%からも急騰。過去、前年比で+30%を超えたのも4回のみ。
昨年4月に2300万人まで急増した失業者数は5月時点で931.6万人まで減少。昨年2月の571.7万人との差は359.9万人。この差を求人件数の急増が埋める格好となってきました。
昨年4月の失業者数と求人件数との差は過去最大となる1874.9万件。これが今年4月時点での求人不足は52.6万件まで縮小。
5月の失業者数と4月の求人件数との差は3万件。
求人件数が失業者数を上回り、数字上は求人不足解消となるのも時間の問題となってきました。
なお、求人率でも3月の5.4%から4月は6.0%へと急増し、2ヵ月連続の過去最高。これに対して採用率は4.2%で横ばい推移。雇用のミスマッチが生じています。
また、離職率は2.5%から2.7%へとこれも2ヵ月連続の過去最高。解雇率は1.1%から1.0%へとこちらは2ヵ月連続の過去最低。
労働市場の活性化が急速に進行しています。
8日のNY金相場は-4.4ドル、0.23%安で3日ぶりの反落。時間外序盤に1906ドルまで上昇して失速、ゆるやかなドル高基調に押されて1900ドルの大台を割れるとロンドン市場では1890ドル付近まで下落。しかし米10年債利回りが1.51%台まで急低下してドル高も一服となったNY序盤にかけて反発すると大台回復、1906.9ドルの高値をつけて失速すると今度は1890ドル割れへと20ドル程の急反落。1900ドルの大台超えでは売り圧力が強まる様子、ただし今のところは下値も堅く、1890ドルを割れると買い支えられる状況にも。1870ドルから1910ドルまでの主要レンジの上半分での売り買い交錯状態に。6月1日高値(1919.2)を頂点として三尊天井を形成しつつあるようにも見え、1910ドルの抵抗感が強まるようだと徐々に失速感が強まる可能性、ネックラインとなる1855.6ドルを下回るようだと下方向への流れが強まる可能性も。短期的には目先の主要レンジ下限1870ドルを割れた場合の下値目安が1840ドル台、三尊天井のネックラインとの攻防へ。
NYプラチナは-12.3ドル、1.05%安で3日ぶりの反落で3日(1162.5)以来、1週間ぶりの安値。時間外序盤に前日高値をわずかに超えて1179ドルまで上昇したのがこの日の高値となって軟調推移、1170ドル近辺では下げ渋ったもののロンドン時間に入ると売り圧力が強まって一段安、金の反発局面に追随したNY朝の戻りも1170ドルに届かず戻り売り。安値では1155ドルまで下げてなんとか1160ドル台に戻した格好。保ち合いレンジを下方圧縮する形で1160ドルから1180ドルまでが目先の攻防レンジ、下方向へ抜け出すと1140ドル近辺までが下値目安に、上方向なら1200ドルの大台回復をかけた攻防へ。
ドル円は25銭のドル高円安、0.23%高で3日ぶりの反発。東京朝の109円20銭近辺が安値となって買い戻し、109円40銭台まで急反発となって欧州時間にかけて109円50銭台までジリ高推移の展開に。NY朝には米10年差利回り低下に連れて109円20銭台まで下落も、この水準では底堅く、米10年債利回りの下げ止まりと米4月求人件数の好結果などもあり、109円50銭台を回復。109円40銭の節目割れに伴う下値トライへ兆しはいったん巻き戻され、109円20銭が目先のサポートに。あらためてこれを下回るようなら5月安値108円30銭台までを目安に下値トライ再開へ。上方向には109円50銭台に抵抗感、110円40銭の節目を超えると上値トライ再開となって今年高値更新、111円台後半までを目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/8終値とチャート
9日の国内金価格は-12円、0.16%安で3日ぶりの反落。高値保ち合いレンジ半ば付近での小康状態からの小反落となって下半分にレンジを縮小。9日移動平均線(7292)が抵抗線となる形でこれを上抜けることができれば上値トライ再開へも、今年高値更新で7350円近辺までが短期上値目標に。レンジ下限7230円台を割れると一段安の展開へ、7190円程度までが短期下値目安。
プラチナ価格は-36円、0.8%安で3日ぶりの反落。わずかに1円ながら90日移動平均線(4502)を上回った状態は2日と持たず、しっかり抵抗線となってしまった様子も。その90日線は上昇軌道を維持しながらも9-21日線は下降を続け、5月以降は上値も下値も切り下げる下落トレンドが継続。6月安値4440円台の節目を割れると一段安へ、3月後半安値圏4400円前後までが短期下値目安に。上方向には4500円の節目と90日線を超えることができれば底打ち反転の兆しとなり、4560円程度までが短期上値目標に。
金との価格差は2813円まで拡大、2月1日(2825)以来4ヵ月ぶりの水準。
※参考:金プラチナ国内価格6/9とチャート
- 2021年6月9日(水)時点の相場
-
国内金 : 7,274 円 6/9(水) ▼12(0.16%) 国内プラチナ : 4,461 円 6/9(水) ▼36(0.80%) NY金 : 1,894.4 ドル 6/8(火) ▼4.4(0.23%) NYプラチナ : 1,162.5 ドル 6/8(火) ▼12.3(1.05%) ドル円 : 109.50 円 6/8(火) ▲0.25(0.23%)
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