更新日：2021年6月14日(月)
週末にかけてG7サミットが2年ぶりに対面で、英国南西部コーンウォールで開催されました。首脳宣言では向こう1年間に少なくとも10億回分の新型コロナウイルスワクチンを追加供給する方針を表明し、香港と新疆ウイグル自治区での人権問題について中国を名指しで批判。また、東京五輪・パラリンピック開催への支持も表明。なお、新型コロナウイルス対応での大規模な景気支援策を「必要な限り」続けるとし、刺激策を早期に縮小した過去の過ちは繰り返さない意向も示しました。
これにより、今週の米FOMCでもタカ派寄りに舵を切るようなことはもちろん、それを示唆するようなこともまだないのではないか、との予想も成り立ちそうです。
ただし、少なくとも四半期毎に示されるFF金利予想ドットチャートでは前回よりもタカ派色が若干強まることは想定されそうです。
そんな6月第3週の週明け、時間外のNY金は先週末水準1880ドルをわずかに割り込んだところからさらに軟調推移となって高値保ち合い下限1870ドルとの攻防へ。NYプラチナは1150ドルの攻防が週末から続き、週明けは抵抗線化が警戒される状況となって1140ドル台前半へ。為替は若干の円安でドル円は週末の109円60銭台から70銭台へと小幅上昇、日経平均の大幅上昇スタートにも連れて109円80銭を試す場面も。
14日の国内金価格は-72円、0.99％の反落で5月25日（7146）以来、3週間ぶりの安値。高値圏での小幅保ち合いを維持しながらの日柄調整から値幅調整に移行。2ヵ月半ぶりに21日移動平均線（7227）を下回り、7240円台の節目を割り込んで三角保ち合い下放れ。もう一段の値幅調整が見込まれやすい状況となり、短期下値目安は5月末の急騰局面形成前の保ち合い水準7170円近辺まで。上方向には7270円が当面の抵抗水準、切り返してこれを上抜けるような展開になれば今年高値更新再トライへ、7360円近辺までが上値目標に。
過去20日間の高値と安値のライン、その中央値で示されるセンターラインで構成する日足チャートで、14日時点での中央値は7201円。価格がこれを下回ってきました。過去の推移からは、このセンターラインを下回れば下落トレンド入り、上回れば上昇トレンドへ、一時的な下振れ、上振れでなければ概ねトレンド転換のサインに。明日の中央値は7229円へと急騰する為、一時的な下振れに終わる確率はやや低そうな状況にも。明日には7123円へと上昇する安値ラインにいずれぶつかり、これを一定程度押し下げるような展開も予想されそうです。
プラチナ価格は-15円、0.34％安となって4営業日続落。3月9日（4331）以来、3ヵ月ぶりの安値。NYプラチナの自律反発が続かず、上値の重さをそのまま反映する形となり、4440円台の節目割れに伴う短期下値目安4400円前後にしっかり到達。直近高値となった1週間前の7-8日には4490円台、7日のRSI（14）は30.5％のボトムを形成、そこから4日続落となったこの日のRSIは43.0％と価格水準とは逆行。短期下値目安到達とともに下押し圧力の枯渇状態が示され、反発への可能性を示唆。ただし、即反発できない場合にはRSIは急落することになり、今回の逆行現象はダマシに終わることにも。
価格ラインと逆行状態となって反転への可能性を示すダイバージェンスを示現するオシレータ系指標は、モメンタムも同様。10日前の価格差で示されるモメンタムのラインは、現状マイナス圏で推移し、その10日移動平均で示されるシグナルラインを下抜ける軟調局面にあるものの、5月末のボトムと比較すると水準を切り上げつつあります。ただし、これも足下ではわずかに軟調傾向となり、時間とともに崩れるパターンを警戒する状況にも。
※参考：金プラチナ国内価格6/14とチャート
2021年6月14日(月)時点の相場
国内金：7,196 円 6/14(月) ▼72(0.99％)
国内プラチナ：4,399 円 6/14(月) ▼15(0.34％)
NY金：1,879.6 ﾄﾞﾙ 6/11(金) ▼16.8(0.89％)
NYプラチナ：1,151.1 ﾄﾞﾙ 6/11(金) ▲5.1(0.45％)
ドル円：109.66 円 6/11(金) ▲0.34(0.31％)